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又三郎 熟成肉試食会 その2

高山シェフの料理と大森シェフの料理がそれぞれ前菜、メインと運ばれてきて交互に食す。カダイフで包んだポルテッタはいわゆるハンバーグみたいな感じ。揚げられて熟成肉の旨味が炸裂。

塩麹でマリネされた肉もさっぱりしてとても味が深い。どんどんお酒が進むくん。

これも脂が真っ黄色の炭焼きバラ肉・コーンドビーフとキャベツの煮込み。。脂がすっきりして全然くどくないのに驚く。

大森シェフの作るコンソメスープは熟成肉の変色したがびがびのところで作るといっていた。。味が深すぎる。。。こんなコンソメいただいたのは初めての体験。

熟成牛のカツレツは高山シェフのお店のスペシャリティらしい。熟成肉をカツにしてさらに旨味を凝縮するということに対して敬服する。

ポルテッタがたくさんもられている様子なり。

グランペッゾウは焼いた肉を長時間寝かすという意味らしい。。迫力満点おいしさ万点なり。

牛の飼料で肉の味がこんなに変わるということにかなり驚く。部位で味が異なるのはよくわかるがもも肉もとてもおいしい。

 

こんだけたくさんいただいても胃にするする入っていく。とっても不思議。。

高山シェフが作るスパゲティミートソースのミートももちろん熟成肉。。

ここまでやるかと敬服する。。

大森シェフのスモーク肉を巻き込んだ巻きすしは一口だけいただいた。

デザートはフルーツ盛り合わせの上にジンのソルベ。。

鼻から熟成肉が出そうなくらいいただいた。気がつくと3時間半が経過。。時間があっという間に過ぎたいい大人のパーティーであった。

写真以外にも前菜やアペタイザーのようなものがいっぱい出てきて大満足。。次回も楽しみである。。

 


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又三郎 熟成肉試食会 その1

私が20代後半の頃、長居の外れにまあまあセンスの良さげな焼き肉屋がありたまに雑誌とかで紹介されていた。。うら若き女性店主で宝石屋からの転身と聞いて驚いたことを覚えている。

スタンプカードのポイントをためるとアクセサリーをもらえるとかそんな感じだった。頑張っている姿に心を打たれしばらく通った。そのうちそのお店にも行かなくなりその存在も忘れかけていた頃、店主がアメリカで勉強したエイジング(熟成)したお肉を食べさせるお店として専門誌で見ることがあった。

彼女の真摯に肉を研究する姿勢は多くの共感者と協力者を得、数年前に移転をし、オープンキッチンでパティシエをもつ焼肉店として女性誌に引っ張りだこで店主の記事や番組もしょっちゅう登場され今や熟成肉について執筆もされておられる。

今や土日はほとんど入店できない大繁盛店として県外など遠方からのお客でいつもにぎわっている。去年久しぶりに店主と再会し懐かしさとともに彼女の成功に心がキュンと震えた記憶がある。

お店の情報や普段のメニューはHPをみていただきこの日は表題のイベントがありご招待いただいた。広い店内はマスコミの方や業界の方で埋め尽くされシャンパンとともに熟成肉について各方面の著名な方々から説明があった。

第一部は熟成肉の食べ比べで左から土佐赤牛のグレンフェッド(総合飼料)を食べさせたメスの6週間熟成肉、真ん中が「強力」と言う名の国産グラス(青草)中心に飼育した赤牛の10週間熟成、右が「優男」という名の地元のグラス中心飼育の6週間飼育。これを炭火で肉を休ませながら焼き上げ塩で一切れずついただいた。

数年前にニューヨークでピータールーガなど有名店で熟成肉を食しまくったけど和牛にはあわないと思っていたところこの赤牛を食して頭をどつかれた感じがした。土佐赤牛は今日本に2400頭くらいしかいないと聞く。

この食べ比べも赤牛の餌の違い・熟成期間の違いによる味の変化が楽しめてとても面白い。食感は硬いけど噛めば噛むほど濃い旨みが広がる。山形県のだだ茶豆のような香りとミルキーなコクがある。とにかく旨味が猛烈に味蕾を攻撃する。

この後は東京からこの日のために来られた塾生肉料理の名手といわれる「カルネヤ」の高山シェフと又三郎の大森シェフの熟成肉を使った料理バトル。。

BGMも縦乗りのランス系で料理ライブを見ながらワインを片手に楽しむという趣向。荒井世津子オーナーのセンスの良さがよくわかる。

熟成肉に有効な料理法をそれぞれのシェフが本気で考えそれを同時に作って食べ比べをする。。(上の写真は大森シェフ)

又三郎の熟成庫内は食べ時を待つお肉でいっぱい。見た目はかなり強烈。真っ黒けのけ。。

肉が本来持っている酵素が働きやすい温度と和牛が乾燥しすぎない湿度の環境を作ることで肉のポテンシャルと熟成庫に棲み付いた菌が肉に有効に働き自然が作る旨味へと昇華させる。

農業プロデューサーのやまけんさん(山本謙治氏)が自ら育てた2頭の牛を食すとき彼の説明の饒舌さは最高潮。。私よりも若い方らしいが本物を感じた。

*店の前でやまけんさんと記念写真。

キハチの社長や京都の某料亭のご子息も来られていた。。

できたての料理はまずは大皿に盛ってプレゼンテーションをする。この料理は旬の大振りのホワイトアスパラガスに「強力」の塩漬けバラ肉を巻いたもの脂身が黄色いのはグラス飼育の証拠とやまけんさんが言っていた。

骨付きのバラ肉を豪快に炭火で焼き上げる。。このままガブリとかぶりつきたい・・

牛の形をしたパイにはLOVE & PEACE & BEEFと書かれている。このパイの中ももちろん熟成肉である。

切り分けたらこんな感じ。。

リブロースのローストと熟成脂で作ったヨークシャプディング。。これは供された赤ワインにドンピシャ。。

いちど大きく盛りつけてから銘々皿に盛られていただくという趣向である。。

*その2に続く

大阪市住吉区 長居2-13-13

お店のHP 詳しくはこちら


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又三郎 10月

20年前に南住吉でよく通った焼肉屋があった。30過ぎのお姉ちゃんが調理と接客をやりながら表でかんてきを洗って・・・必死のパッチでやっている姿に心が動き、また黒毛和牛をストレートに出す焼肉店も当時あまりなかった記憶がある。ポイントカードのポイントをためて手作りアクセサリをゲットして喜んだ記憶がある。。

人の口と好みは移ろいやすくいつの間にか私のお気に入り焼肉店からはずれてしまっていた。ここ数年熟成肉の日本のパイオニアとして店主の荒井さんとこの店が専門誌や情報誌にしょっちゅう出ておられるのをみて本当に懐かしく嬉しく思っていた。

先日長居に移転したのも知らず偶然店の前を通りランチをいただく。昔通った小さなお店が立派になって有名になって垢ぬけたフレンチレストランのような内装と巨大な熟成庫、プロパティシエが作ったと思われるセンスのいいスイーツ、上品な器。焼肉店で見たことのないオープンキッチンあの店が・・・・と感じいった

親戚のおばちゃんが久しぶりに会って「あんたちょっと見ん間に大きくなって~。ほんま立派になりはったなあ。子供のころからよう知ってんねんで・・・」という会話を巷で聞くがまさにそんな思いがした。。

この日は長居公園でナイトラン10キロ。つるがおか温泉で汗を流しそのまま自転車で直行。

(HP写真より引用)

ここ3回目の訪問でやっと店主の荒井世津子さんの顔を10数年ぶりに見た時は涙が出そうになった。。 私の顔も名前も覚えていてくれた。。もちろん私も覚えているが。。。人柄の良さと人を引き付ける優しさは相変わらずでまた業界の成功者としての自信がもたらす風格がオーラとしてでまくっていた。

この日の私との雑談にも「10年以上は鳴かず飛ばずで飲食店をなめていました・・・・」「焼肉やったらだれでもできる思って当時始めたんですわ・・・」プライベートな話なども・・・私よりも年上だったのには驚いた。。せやけどここまでなるにはかなり苦労されたよう。。

まるで同窓会での旧友との再会のようであった。。 趣味のランニングを半年間やってきて「走った距離は嘘をつかない」というオリンピアンの野口みずきの言葉をいつも心に留めている。そんなことを考えながら「本当によかったね。。。」と心から言えた。。

前にも書いたように熟成肉を焼くのは全てお店の方の担当で出来あがりまで30分以上かかる。 その間に前菜をいただく。ナムル君と生レバーちゃん。。10月1日から法改正で生肉が出せなくなったとのことこれはしょうがない。。

生センマイとタン刺し。。これは生でもいいらしい。どちらも新しくおいしい。。 ワインはピノノワールのカレラを所望する。

箸やすめにトマトのサラダと大人の野菜サラダ(少しピリッとしていてワインと相性バッチリ)

そして登場の熟成肉。60日熟成の 土佐あかうしのリブロースと30日熟成黒毛和牛のヘレを200グラムずつ所望する。店主自ら一番いいところを切りつけていただいた。こんな気遣いがとてもうれしい。

肉を常温に戻すために炭火で表面だけ焼いてアルミで包む。。そして寝かす。。。

そのあと再び火を入れる。。。そしてまたまた寝かす。。。

最後に仕上げで焼きこむ。でもそんな長時間ではない。。 アルミで包んで余熱で仕上げて切りつける。。

肉にダメージを与えないように眠っている肉を起こさないように炭火の力を借りて優しく優しく火を入れる。何回かに分けて焼いては肉を休ませてその間にじんわりと火を入れる。そうすることでで、肉本来の柔らかさも肉汁も保たれる。やっぱ肉を美味しくするのも、 不味くするのも、焼きの技術にかかってくるなと感じた。

まずはヘレ肉。。熟成は赤身肉が合うこと再確認。旨み全開。。炸裂する後味の深さ。。肉汁も強烈。。

6週間熟成させた土佐牛のあかうしは、これまで食べたことの無い深い旨みと香りを纏っている。口に含むとミルキーでナッツのような香ばしさ。。。うまみ成分が凝縮した深い味わい。ホースラディッシュ(西洋わさび)と塩でいただく。醤油との相性もよし。。

熟成、厚切り、炭火焼と短角牛のあか牛が本当にいい相性となっている。ホテルで鉄板焼きはもう食せない身体になってしまう。

アメリカの高級ステーキハウスでいただく肉はコクとうまみが強くて一人で500グラムくらいぺろりといただける。その割に肉汁もいっぱいで後味もとてもいい。それは熟成の生と最近理解した肉のおいしさって科学的に分析すると脂と赤身のアミノ酸の旨みである。

たんぱく質が時間経過とともに分解され、アミノ酸がたっぷり増えた 状態なのであろう。 しかも、炭で焼くと、肉汁をたっぷり含んだまま香ばしくなっている。。

世の中にいい肉を提供する店はいくらでもある。それをさらにどうすればより美味しくなるかを必死で考えられ試行錯誤された姿が目に浮かぶ。。

肉の業界は実に保守的で様々なつらいことや嫌なことがいっぱいあったに違いないだろうと肉をほおばりながら考えていた。

サイドメニューのサラダ等も焼肉屋のレベルをとっくに超えている。ワインの価格も良心的。この日は2人で3本あけてしまった。

この店はもはや焼肉屋ではない肉料理を主力とした食の桃源郷である。

大阪市住吉区南住吉2-2-1(第2、3木曜日定休日)

HPはこちら


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