カテゴリー:和食

浮田町 いま *本湖月出身のご主人の和食店【大阪市 中崎町】

北区浮田町の表記の和食店を友人と訪問。地下鉄谷町線 中崎町駅より歩いて5分くらい、浮田公園の横に位置する。

外観はシンプルでスタイリッシュな感じ。小料理屋のような店内はカウンター6席のみ。店主の杉浦氏は有名な本湖月のお店で約30年修行し、こちらで独立開業されたとのこと。完全にオープンになった小さな厨房は店主の杉浦氏と本湖月からきた見習いさん、ホールは奥さんとご子息で切り盛り。お店が小さいので配膳がかなり大変な感じ。

調理に関わる全ての作業は杉浦氏が一人で行う。下ごしらえから盛り付けまで全て1メートルの距離で見えるのでライブ感はあるけど少し丸見えすぎの感もあり。18時から一斉スタート。

菖蒲の葉を乗せた先付けは皮目を炙った太刀魚と金時草。レモン汁の入った出汁がかかる。一人で小さなまな板で魚を切りつけて串を刺して炙って盛り付ける。

琵琶湖の養殖の稚鮎のデモンストレーション。

大きくカットした油目が印象的な煮物椀は蓬豆腐が下に敷かれる。横には浜防風が添えられる。この日初めての献立なので提供に時間がかかる。お椀を温めていないせいか出汁は少しぬるかった。

刺身は甘手カレイと走りの由良の雲丹 オリーブオイルで味付けしたおかひじきが添えられる。刺身はもっちりしていい脂があって美味しい。

鱧の骨切り。1メートルくらいの距離なので手元が全て見える。調理場がかなり狭いのでずっと見ていて大変だと感じる。話によれば当初は天ぷらの専門店をする予定だったけど師匠の説得で和食店になったと聞き及ぶ。品数の多いコース料理を狭い厨房で全て作り上げるのは至難の業。

泳いでいた鮎を炭火で焼いたもの。。見習いスタッフさんがずっと火を見ていたけど焦がしそうになるところを寸前でフォロー。見ていてドキドキする。

いたどり、もみじかさ、生の木耳の上に手作りの豆腐のような味をつけた豆乳をかけたもの。優しい味わいで口休めにちょうどいい。

天ぷら4種登場。大ぶりにカットした太刀魚、タラの芽、鱧、こしあぶら。美味しいけど特にどおってことはない・・・・

とうもろこしの冷製スープには雪塩がかけられる。これもあっさりしていて天ぷらの後にはピッタリ。

メインディッシュの食材は行者ニンニクと鳥貝と独活。

これを順番に大きな鍋で煮込む。全て一人でされるので思うように行かない部分もあって気の毒な感じ。

花山椒は香りが抜けていいたのが残念。養殖の鳥貝は小ぶりだけど肝の部分が香ばしくてとてもおいしかった。

食事は釜炊きご飯とタレ焼きにした焼き鱧と香の物とハリイカのゲソの塩辛。

デザートは清見オレンジと牛乳羹。オレンジもご主人が一つずつ目の前で剥く。牛乳羹の上にはかえでシロップがかけられる。

煎茶でフィニッシュ

日本酒は6種類全てをいただきました。ワインセラーにワインはたくさんあり。シャンパンのサロンは28万円。この日の会計はお酒をいただいて一人4万円でした。ごちそうさまでした。

大阪市北区浮田2-5-27

大阪市 中崎町 和食

米増 4月 *大阪屈指の予約困難店【大阪市 福島】

福島の表記の人気和食店を友人と定期訪問。茶味あふれる料理と気配りの効いたコミュニケーション力に毎回魅了される。この店を超える和食店は大阪では思いつかない。月替わりの献立も毎年新しいものを考えられ、その時期の一番美味しい物を提供される。

ミシュランは星2つだけどこのことには全く触れられない。食事のスタートは14時と17時半の2部制。

大阪の「本湖月」や「かが万」等で修行をされた温和な人柄のご主人と着物姿の奥さん、調理師学校を出た全員21歳の見習いスタッフさん3名トリオで切り盛り。コース料理の値段は使用される食材によって変動。この日は23000円(税・サ別)。

若いスタッフが鳥貝の殻を剥いたり、山菜をすり潰してソースにしたりする姿も見ていて飽きない。

床などのお店の装飾はご主人の担当。毎月意匠を凝らしたものに目が惹かれる。無駄を廃した茶室のような店内では皆が小さな話し声になる。

食材は時期のものを全国から取り寄せる。鳥貝の下に敷かれる浜防風は辛子和えにして供される。

焼き魚のアコウは1キロオーバーの大きなサイズで身がプリンプリンだった。これだけでも訪問する価値があったと思う。

料理写真掲載は禁止なので忘備録のため献立のみ記す。

・先付けはグラスに入った清見オレンジのゼリー(塩味あり)
・凌ぎは蕗の葉で包んだ蕗おこわ
・煮物椀は油目を挟んだ玉子豆腐と針ネギ
・刺身は取り廻しで天草の小肌、鯛、すさみの鰹(私は桜鱒に変更)
・貝塚木積の筍の土佐煮
・軽く火入れした室津産の鳥貝と浜防風の辛子和え
・あこうを炭火と薪火で焼いたもの 山菜ソース
・香住産の鬼海老の煮浸し
・釜炊きご飯と筍 桜鱒ふりかけ 香の物
・小夏みかんとヨーグルトアイス
・蓬餅と薄茶

お酒も3種類好みのものをいただきました。

過去の記事はこちら

大阪市北区大淀南1-9-16

仕上げに福島駅前の角打ちでたこさんウインナーをいただく。

大阪市 福島 和食

ひろせ 4月  *心斎橋和食の佳店【大阪市 心斎橋/四ツ橋】

心斎橋の表記の和食店を訪問。大阪で美味しい日本料理の5本の指に入ると個人的には思っている。心斎橋駅から徒歩7分、畳屋町の雑居ビルの一階に位置する。小体なお店はカウンター6席と小上がりのテーブル2卓のみ。店内全て掃除は行き届いていてとても綺麗にされている。ご主人の手元を見ながら食事ができるカウンターが特等席。この日は私とお医者さんグループの2組の貸切状態でゆっくりと食事をいただく。料理は全てひろせ氏が一人で作り、配膳は妙齢の女性が担当。

西心斎橋のミシュラン店「ゆうの」で修行されたご主人の素材重視の食い味のある仕事が口によく合う。備長炭を使った炭火を駆使した焼肴は特に秀逸。ご主人はソムリエの資格も持っておられるので赤ワインと肉料理を合わせる客も多い。

料理は月替わりのコース16500円(税別)のみ。

先付けはみじん切りにしてから丁寧に炒めて甘味を出した「玉ねぎ豆腐」とよく肥えた足赤海老、北海道の雲丹を碓氷えんどうのソースと一緒にいただく料理。かなり手がかかっていて一口いただくとそれぞれの素材感が口の中に広がる逸品。

続いての前菜は壺壺に昆布締めにした甘海老の海鼠腸和え、ホタルイカの春巻きカラスミ添え、雁足と鯨囀の皮部分の酢味噌和え、蕗と片栗と一寸豆の白和えなど。。ここから日本酒に切り替えて料理とのマリアージュを楽しむ。とても春らしい盛り合わせで品の良さが秀逸。

刺身は旬の鯛の昆布締めの白子和え。下にはポン酢ジュレが敷かれる。天盛りには茗荷が添えられる。鯛の美味しさもさすが。少し寝かせているので硬すぎず美味しくいただけた。

刺身2品目は鰹の行者大蒜醤油あえ。私は苦手なので真魚鰹に変更いただく。今が裏旬の真魚鰹は身が真っ白で口内で解けるような身質。。皮目を炙った刺身にこのソースはとてもよくあう。

続いて土瓶蒸し(徳利蒸し)は穂先の筍、北寄貝、蛤でスープの美味しさにびっくり。食材の旨みが凝縮した一品。

あく抜きをせずに直蒸ししてからフライパンで焼き上げた貝塚の木積産の筍ステーキ。直蒸しなので歯応えは抜群。大阪では高級料理店が使用する少量生産のブランド筍。

1キロサイズの白甘鯛の炭火焼き。パリパリのふわふわ食感。シンプルに塩焼きで供される。焼いている間も脂が滴り落ちる。。極太サイズのアスパラガスの木芽味噌和えが添えられる

こちらのお店の名物の肉料理はランプ肉のステーキ。これも生ひね香の効いた原酒とよく合う。添えられたいちごとバルサミコのソースもうまく作られていると感心 あしらえは珍しい赤こごみとブランドの徳谷トマト52番。。

食事は素揚げにした桜海老とエンドウのご飯。海老が香ばしくてお酒をいただきながらご飯を食べた。

デザートはニュージーランド製のルビーレッドと豆乳プリン。。最後まで美味しくいただきました。お腹いっぱいではち切れそう。

お酒も好みのものを3種類いただきました。ごちそうさまでした。

過去のひろせはこちら

大阪市中央区東心斎橋2-8-23イケダ会館1F
06-7713-0543
17:00~翌0:00

大阪市 心斎橋/四ツ橋 和食