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米増 5月 *関西和食佳店

福島の表記の和食店を友人と訪問。

大阪環状線の福島駅を北に徒歩8分、なにわ筋沿いの大淀にある表記の和食店を友人と訪問。ここ5年くらい毎月訪問しているお気に入り店。1年前の料理の記録を見てから訪問するけど器も献立も踏襲せずに全て新しくしていることに敬服する。

この日も若い調理師さんが伊勢海老を目の前で調理したり、餅を焼いたり、刺身のつまを作ったりするのを見ながら食事をするのもライブ感があってとても楽しい。数寄屋造りの内装はシンプルでモダン。客筋はとてもよく食事中はとても静かでひそひそ声で会話をする。

店内はカウンター8席のみ。14時と17時半スタートの2回転制。(食事終了まで約3時間なので夜の店の同伴客は少ない)先の予約は常連客だけで埋まっているので最近は新規客は取られていないよう。次回の予約は半年先と昨日言っておられた。ミシュランはずっと前から2つ星だけどご主人はそのことは気にしない。

この日の床飾もご主人の作。個人的ご主人や奥さん、若いお弟子さん3名で切り盛り。スタッフさんのコミュニケーション力も卓越していて所作も丁寧。

旬の伊勢海老を目の前で下処理される。

秋田県から直送される珍しい三歳。

料理の写真は掲載不可なので献立のみ記す。

・知覧産新茶
・えんどう豆豆腐と秋田産新蓴菜 旨酢
・穴子と根曲竹の飯蒸し 粽仕立て
・南淡路産春日鯛と蒸し素麺 青身と梅肉
・垂水産アコウ鯛洗いと低温調理した明石のタコ 梅肉と醤油
・室津産鳥貝と平貝の石焼 鳥貝の肝ソース
・大阪湾の真魚鰹味噌漬け 北海道ホワイトアスパラガス酢漬け
・海蘊羹 コシアブラ
・油通しした和歌山産伊勢海老煮物 海老味噌の餡 木の芽
・釜炊きご飯
・ちりめん山椒 サクラマス燻製 にら味噌 もみじかさ
・ヨーグルトアイスと高知産メロンジュース
・木の芽味噌と餡を挟んだ焼き餅と薄茶

会計は2人で66000円。かなり価値のある内容でいい時間を過ごすことができます。

過去の記事はこちら

大阪市北区大淀南1-9-16

和食 福島

北新地 ふか *北新地の高級餃子専門店

表記の店を友人4人で訪問。北新地の堂島中通にある古いビルの地下1階に位置する。

入り口に店名の看板は無くて丸太と包丁のオブジェが目印。店内は厨房を取り囲む楕円形のカウンター8席のみの比較的こじんまりとした空間。かなりスタイリッシュでデザインされた大人な空間。完全予約制で一斉スタート。メニューは15000円の餃子のコースのみ(ペアリング8800円)

コースの扉は鰹と昆布の一番出汁から。黒口浜天然真昆布と温泉水を使用。枕崎本枯節を3秒だけくぐらせる。濃いめだけど雑味のない綺麗な味わい。

・菜餃(剣先イカ・オクラ・長芋・コリンキー) アラン・ベルナール プルミエ・クリュ
皮は薄くカットし、水分を抜いたネバリスター(長芋)。餡は寝かせた剣先イカ・コリンキー・ミニオクラ・花穂紫蘇。タレはXO醤の香味油・鲇醤油・ブランデー。

・焼餃子 大徳寺納豆酢醤油と共に アルマネグラ オレンジワイン
富士牧場のマンガリッツァ豚の腕肉とバラ肉を使った焼餃子。ソースは大徳寺納豆酢醤油。肉は包丁のみでカット。切り方を5通りに変えて食感と味の組み合わせを探求。

・揚餃(天草牡蠣) ドメーヌ・グラン コート・デュ・ジュラ ヴァン・ジョーヌ
天草の牡蠣はシルキーで雑味のない味わいで香りがとてもいい。パイのような食感で火入れが絶妙なり。

・浮餃(どんちっち鰺・トマト・水茄子・潤菜) 一白水成 純米吟醸 美郷錦 秋
日本料理のような一品。餃子の再構築。優しい酸味が心地いい。鰹出汁と浜田産のドンチッチ鯵と若い無花果を寄せた餃子。

・反餃(縞鯵・春ピーマン・パイン) マヒ・ザ・アリアス・ソーヴィニヨン・ブラン
静岡産の縞鯵を使用。餡を皮、皮を餡にした反転餃子で脂の乗りと旨みのある縞鯵が皮(鮎醤油で下味)で具材はピーチパインと春ピーマン。
ピーチパインの甘味と酸味がワインと相性バッチリ。

・泡餃(キャビア・伊佐木・キタアカリ泡) サミュエル・ビロー シャブリ レ
きたあかりの泡を皮に見立てた物。きたあかりの甘味が生の伊佐木の旨みとキャビアの塩味を包み込む。カカオバターの香りもある。ジャガイモの泡にはびっくりした・・・

・巻餃(太刀魚・山葵・焼海苔) ピヒラー・クルツラー グリューナー・フェルトリーナー
有明海苔で炭火焼太刀魚を巻き込んだ巻餃子。鮎醤油で味の輪郭が見える。
海苔の香ばしさと太刀魚の脂とトマトの香りのする餃子の皮との重なり合いがお見事。

・水餃(発酵白菜・行者にんにく・マンガリツア豚) フィタプレタ ア・ラランジャ・メカニカ オレンジワイン
発酵白菜と行者大蒜、マンガリッツァ豚の水餃子。発酵白菜の酸味と豚の脂身の組み合わせが秀逸。

・水出し雲南紅茶

・瓜肉交餃(伊賀牛サーロイン・発酵メロン・紫雲丹) 十四代 龍の落とし子  純米大吟醸
血統にこだわりを持つ「よねいファーム」の炭火でレアに焼き上げた肉厚な伊賀牛サーロインと発酵メロンと塩水紫雲丹を葉山葵でまとめたもの。
メロン香のする日本酒との相性が素晴らしい。

・湯餃(気仙沼産フカヒレと河内鴨叉焼) 石庫門十二年 紹興酒
スペシャリテの鱶鰭餃子。鱶鰭煮汁上湯と濃厚な河内鴨上湯を合わせたスープ。スープに調味料は入っていないとのこと

・南部鉄釜炊きごはん(コシヒカリ)と自家製XO醤。これぞご飯のお供の完成形。

本日の中国茶と茶菓子小茶会風
マデラ酒の胡桃飴炊き、ナツメ、干し葡萄、干し龍眼など。
デザートも小茶会風になっていてとても贅沢。

総じて餃子のコースというよりもシェフが想像力を活かし、季節食材でさまざまな餃子形態を構築し、餃子の「皮」と「餡」を再定義したイノベーティブ料理のジャンルに入る内容で唯一無二のスタイル。

サービス、内装、ペアリング、メニュー設計も素晴らしく、料理・食材説明は別途封筒に入れて提供など何もかもがトップレストランレベル。

お酒もたくさんいただきました。

食後はいつものバーでジントニック。

大阪市北区堂島浜1-3-22
18:00〜 20:30〜
予約はHPから

中華料理 梅田・JR大阪

成生(なるせ)*静岡天ぷら名店

新幹線ひかり号に乗って静岡の表記の天ぷら店を訪問。静岡駅からタクシーでで10分。日本一予約の取れない天ぷら店と言われるが今回たまたま伺う機会をいただく。

お店は有名な静岡浅間神社に隣接。歴史を感じさせる凛とした美しさのある木造平屋建ての建物にびっくり。

30分前から入れる待合があり時間になるとカウンター席に移動。入店時に帰りの新幹線の時間を確認しタクシーを手配いただける。客はほとんどが新幹線を利用されているとのこと。

待合でお茶が供される。待合の真ん中には3トンの富士石が鎮座。

客席は檜のカウンター席が8席のみ。料理代金はおまかせコース一人44000円サービス料別。この日はお酒のペアリング付きの特別イベントだったので会費として66000円とのこと。

サービス担当は女性ソムリエさん含め3名。カウンターにはご主人と調理補助のスタッフが4名。下拵え含めほとんどの調理は目の前で行われる。ご主人の丁寧な解説付きでかなりのライブ感あり。

使用する食材は事前にプレゼンテーション。駿河湾で獲れる朝取れの鮮魚と地野菜に焦点を当てて提供される。特に魚は焼津のレジェンド鮮魚店の「サスエ前田魚店」の協力でその日穫れる最高の食材を天ぷら用に仕立てて供される。

天ぷらの粉は薄力粉を使用。事前にふるいをかけてマイナス50℃まで冷やす。それを2℃の水でしっかりと溶いて使用するとのこと。油との温度差で瞬間的に水分が揮発し軽やかな仕上がりになるらしい。コースの途中で粉を頻繁に変える理由が理解できた 油は太白胡麻油と焙煎胡麻油をブレンド。鍋は2つで高温用と低温用を使い分ける。

コースの扉は新玉ねぎとフェンネルの擦り流し。胃がすっきりと目覚めるのが実感できる。

一皿目は熟成させて55℃の低温油で素揚げした35キロサイズの焼津産のクエを刺身で供される。皮が油でゼラチン化し、ねっちりした弾力のある筋肉質の身が特徴。白身の甘い脂分と水分を抜いて凝縮された旨みが口の中で迸る。

2皿目は油通しした伊勢海老を頭の味噌であえたものとエボタイ。あしらえはコシアブラと田芹。天ぷらは大量の鬼おろしを入れた天汁と2種類の塩でいただく。

天ぷらの扉は太刀魚から。粗めにおろしたたっぷりの大根おろしに冷ました天汁を入れて待つとその上に直で熱々の天ぷらを置いていただける。油で揚げたと思えないくらいふわふわに仕上がっていて汁を吸っても身の軽さと旨みの強さが変わらない。

朝詰みのインゲンもフレッシュな青味と旨みが炸裂。ハリイカは中が完全レアに揚げられる。油分を一切感じさせない丸茄子は水分が抜けてふわふわ状態。

白甘鯛は油の中でゆっくり膨らんでいく。小さな鱗のカリカリ感と蒸し焼き状態のホワホワ食感と凝縮した旨みに声が出なくなる。醤油ベースのタレを鱗部分にさっと塗って香ばしく仕上げる。地元産のとうもろこしには生のとうもろこしが添えられてハーモニーと食感の異なりを楽しむ趣向。

5月20日解禁の清水興津川の日本一早い鮎。骨を抜いて供された後で頭と背骨を唐揚げにしていただける。

こちらのお店のレコメンドメニューの鯵の天ぷら登場。駿河湾の定置網で獲れた選び抜かれたもので脂の乗りは当然で絹のような食感。当然のことながら臭みや癖は一切ない。下処理の妙があると推察される。

口直しの野菜サラダには生の唐墨やベビーコーンの髭が入り、魚の骨を煮出して作られたドレッシングが添えられる。

この時期ならではの朝取れの地元のベビーコーンは調理寸前に下拵えをする。ヒゲも一緒に揚げるのでとても香ばしくて甘味が口に広がる。

珍しいハナダイも魚の個性に負けないように完熟トマトの上澄み液を合わせた天汁につけて供される。

鬼カサゴは身を揚げた後でネパールの山椒にしばらく潜らせて冷まし、香りづけをしてから供される。魚の個性をさらに相乗的に感じさせる工夫に驚かされる。蓮子鯛は品のある甘みと鼻に抜ける香りが特徴。山葵おろしを付けていただくと魚の味わいとの相性が良くなる。

続いて半年くらい熟成させたメークインを皮ごと揚げて手渡しでいただく。

ご飯は建物の外で薪を使ってベテラン調理師が炊き上げる。煤だらけの釜を持ってプレゼンテーション。米も当然地元産を使用。

海鰻の天むすは一口サイズ。その後の食事は天丼、天茶、天ばらから選ぶ。このかき揚げでやっと海老が登場する。どの天ぷらもその食材を使用する理由があり、最もおいしくなるように昇華させ、全ての仕事に明確な論理と哲学があることに敬服する。サービスの係の方の気配りも素晴らしい。

食後は別室(茶室)に移動してご主人自ら淹れてくれるお茶(煎茶)とお菓子をいただく。580年前に作られた江戸城築城で有名な太田道灌作成の広大で幽玄な趣ある庭を見ながらオープンエアーの中で静かで贅沢な余韻を楽しむことができる。入店から退店まで全てを「体験」として設計されていることに感動する。

お酒もワインを中心に10種類くらいいただきました。このワインのセレクションの精緻さにも感動しました。

帰りに神社を参拝して帰阪。

静岡県静岡市葵区丸山町12−2
054-295-7791
12:30~  18:00~
日曜日定休

天ぷら 東海地区