2022年12月

まさる 12月【大阪市 四天王寺前夕陽ヶ丘】

数年ぶりに夕陽が丘にある表記の寿司店を訪問。20年来通っている私が大阪で一番美味しいと思うお店。多くの友人に紹介して喜んでいただいている。奥まった裏通りにあり駅からも遠くて暖簾もなく、看板も小さな表札のみ。この日は1年半ぶりの訪問で、お世話になっているニューヨーカーの英会話の先生と相伴する。

厳つくて坊主頭の吉村店主は日本酒を水のように飲むことで飲食業界では有名。。しかし握る寿司はとても繊細で細やか。気楽に寿司を楽しめる佳店。

最初はシャンパンで乾杯。こちらのご主人は曰く「うちの店は寿司(特に米粒)を食べてもらいたいので寿司以外の「あて」は新地の料理店で食べてくれ」とよく言われる。

この日もいつも通り刺身等は注文せず最初にワタリガニの酢のものだけを所望する。レアに仕上げられたたっぷりのオレンジ色の内子がピカピカに光るワタリガニはとても甘くて濃厚な味わい。

寿司の扉は昆布〆の鱚から。この順番は20数年来変わらない。続いて肝ともみじおろしを乗せたカワハギ。。続いて皮目を炙った鯛の腹身(同伴者はまぐろの漬け)。塩で水分を抜いて醤油漬けにした鯖はマスタードが添えられる。旬の秋刀魚の炙りは脂が乗りまくる。

皮目を炙った太刀魚、肝と芽ネギを乗せたキンキの炙り、厚みのある剣先イカ、柔らかく戻した煮あわびと続く。

こちらのお店のシグニチャーの車海老は中に頭にある味噌が鋳込まれている。北海道産の雲丹、皮が柔らかい新物の筋子、脂乗りまくりの平目えんがわと続く。

見た目も麗しいトロ(私は苦手なので同伴者のみ)、温かい鰻、平貝、優しく火入れして出汁漬けにした蛤、袱紗玉子、最後に鰻と山芋の細巻きでフィニッシュ。こちらのお店は握りだけでネタを40種類揃えられているんだけど未だ制覇したことはない・・・・

何度訪問しても全く飽きないいいお店です。

過去のまさるはこちら

TEL:06-6649-7227
営業時間:平日 17:00~翌2:00 日祝 17:00~23:00
定休日:水曜日

大阪市 四天王寺前夕陽ヶ丘

Lee【大阪市 恵美須町】 【大阪市 動物園前】

ある方に紹介いただき最近、新世界に開店された表記のハイブリッド系のフレンチ店を訪問する。多分ネット記事ではこの日記が初めてのものと思う。住所や連絡先は不明でお店のファザードは看板も何もない。通天閣から徒歩1分なんだけど絶対にその場所がフレンチ店とはわからない。。

お店はカウンター10席のかなりモダンなシュッとした空間。料理もサービスも全てシェフのワンオペ。店名は若きイケメンシェフの名前から。心斎橋の名店などで修行し、関東で出張フレンチ料理人として活躍後にこちらの店を開店する。

料理はワンコースで10000円。5000円でワインペアリングの新世界価格。

最初にシャンパンをグラスでいただいてアミューズ一皿目が登場。新鮮な鰯をペーストにしてタルトの上に乗せたもの。小さなガラスの猪口にはオリーブオイルの浮かぶ昆布とあさりの熱いスープが入る。タルトをいただいてからスープを味わうと言う趣向。

軽めの白ワインとともにアミューズ2品目。黒い石が詰まった箱の中にはフォワグラをキャラメリゼしたものとキャビアを最中仕立てにしたもの。箱の上には木の葉の形のガレットにキャビアとサワークリームを乗せたもの、鴨もも肉を使ったリエットにピスタチオを混ぜ込んだもの、フォワグラの入った濃厚なミニタルトなど。どれもしっかりと手間がかかってるものばかりで一口でいただくのが勿体無い。

前菜一品目は舞茸が入った滑らかな鶏のムース。黒豆のパウダーとハーブオイルがかかる。全ての食材とソースの調和がとても良い。

前菜2品目はハナビラ茸を入れたリゾット。奥の調理場で火入れをして最終的な盛り付けは客の前で行われる。料理を作りつつ、ドリンクサービスをしながら楽しく客との会話もできるスーパーシェフに脱帽。リゾットの上には北海道産の雲丹とトリュフがてんこ盛りにされる。リゾットの底にはほうれん草と海苔を合わせたピューレが敷かれていて全てを混ぜ込んでいただくと口の中で味わいの層が幾重にも広がる。

この後の温菜に使う鹿児島産のうちひら肉のプレゼンテーション。。

この赤身肉をさっとバーナーで炙ってから、源助大根とともにポトフ仕立てにする。肉の上からホワイトマッシュルームとエシャロットの香りの熱いスープをかけて仕上げる。酸味のあるパンも自家製とのこと。

かなりのイケメンで仕事をする手元もかなり美しい。ワンオペでできる最大の可能性の仕事をされていると思われる。

続いてのフランス風の茶碗蒸し(ロワイヤル)は鶏出汁のフォンブランを使用。オリーブオイルとマイクロセルフィーユで仕上げる。あっさりとした口当たりはまさにフレンチの味わい。

ワインペアリングは7種類で5000円。。高価なものはないけどどれも話題性のある上質なものばかり。10人で2本ずつを分け合う。。かなりお得です。

メインはホルスタインの赤身肉を使ったローストビーフ。付け合わせは糖度の高い京都産の里芋を揚げたもの。牛骨で取ったソースと貝スープの泡を合わせる。。嫌ではない噛みごたえと赤身の味が良い。

食事は牛肉とエシャロット等の入ったフレンチ風の釜炊きご飯。。。

デセールは白ワインを使った自家製バニラアイスとフィナンシェのようなケーキでフィニッシュ。。最後はシェフ自ら外まで見送りもされて頭が下がる思いでした。近いうちに予約が取れない店になると予想されます。

訪問希望の読者様は紹介させていただきますので下記メールアドレスまで連絡ください。→ shatyo@nori-net.jp

 

大阪市 恵美須町大阪市 動物園前 フレンチ

柳家 12月

岐阜県の表記の店を友人に誘っていただきランチタイムに6名で訪問。食べログ全国一位でミシュラン2つ星など様々なアワードを受賞している食通の聖地と呼ばれる有名店。

予約は常連客だけで1年間埋まっていると聞き及ぶ。4人以上の完全予約で一見さんはお断りとのこと。自宅の阿倍野を朝の8時に出発して新幹線で名古屋まで出てそこから快速に乗り換えて40分ほど、田舎の駅からお店のバスで約30分で到着。。紅葉真っ盛りの山中に店は位置する。

昔の古民家を改装して作られた客席は全て掘りごたつの囲炉裏があり地元の旬の食材を郷土料理に仕立てて楽しむという趣向。今回はジビエを中心にした料理で三代目店主の山田さんに世間話や料理の説明をいただきながら食事を楽しむ。

先付けは蜂の子の佃煮とインカのめざめとしめじ茸。久しぶりにいただく蜂の子は生姜の風味でとても食べやすい。

続いてお店の到着時間と食事開始時間を見計らって火入れされた子持ち鮎の塩焼き。お腹に卵がたっぷり入ったもので食べ応え満点。落ち鮎は皮が固いので焼くのにテクニックが必要だけど炭火でとても香ばしくふっくらと仕上がっていることにびっくり。

ここからジビエがスタート。鹿 ハツ(心臓) はミディアムレアの火入れ。シャキシャキの食感で旨味たっぷりの濃厚な肉感。

鹿ロース は外側に甘い脂身がしっかりついて噛み心地も良くとても上品な味わい。炭火で削られた脂が凝縮した味わいがなんともいえない美味しさ。柚子胡椒が添えられる。

口直しの大根の塩漬けも瑞々しくていい具合に舌がリセットされる。

猪ロース肉にはシャルドネを合わせる。猪肉の脂質と赤身肉がバランスよく味わえる。脂の甘みと柔らかな肉の旨味が口の中で躍動する。薬味のマスタードに負けないパンチのある美味しさがある。

続いて羆肉登場。月の輪熊かと思ったがヒグマらしい。脂身を想像していたけど稀少部位の赤身肉を焼いていただく。筋肉質の食感であっさりしていながらも旨味が強くて、これが今回一番美味しいと思った。

猪鍋は赤味噌と豆味噌をブレンドした出汁で仕立てられる。猪の他に茸やネギ、山芋、大根、こんにゃくなどがたっぷり入って濃厚な味わい。

最後は自然薯むかごご飯でフィニッシュ。むかご飯に出汁が入った自然薯をかけていただく。自然薯がサラサラなのでスルスルといただくことができる。デザートはみかんがまるごと一個。

こちらの料理にはブルゴーニュのワインを合わせることをお勧めされる。フランスで直接買い付けされるピノ・ノワールを中心としたワインはどれも上質でかなり良心的な値付けで提供される。この日はシャンパンも入れて6本いただく。高額のDRCのワインも多数取り揃えられているので外国からの客も多いらしい。久しぶりに記憶に残るいい会食でした。

お腹いっぱいになって新幹線で帰宅したら19時だった・・・・

 

岐阜県瑞浪市陶町猿爪573-27
営業時間: 12:00~15:00、17:00~22:00

その他料理 東海地区