2014年04月

Point (ポアン)【大阪市 福島】

現在大阪でもっとも勢いがあると言われまたもっとも予約が困難な福島の表記のフレンチレストランを友人と訪問する。ちなみに現在食べログ大阪ナンバーワンらしい。。

なにわ筋の浄正橋の交差点の南西に位置し徒歩交差点から徒歩3分くらい。ミシェラン2つ星の西天満のアキュイールを閉店して平成13年に名前も場所も変えてリニューアル。

ひっそりとした場所に白で統一されたファザードはスタイリッシュ。グランメゾンの雰囲気とは正反対のナチュラルで綺麗なシュッとした感じの内装。シンプルな白壁にフローリングと無垢のオークを使った丸いテーブル。ハンス・ウェグナーのYチェアーは座り心地抜群。温かなライティングとあいまって北欧系のナテュラルモダンな感じ。テーブルにはクロスもなしでカラトリーは直置き。コペンハーゲンでこんな設えのレストランに入った記憶があるが忘れたな。

6人掛け、4人掛け、2人掛けが2テーブルのみ。アキュイールのときよりも1卓少ないとサービスの方が言っておられた。予約が困難であることは理解出来る。オープンキッチンを含めお店全体が見渡せるのは初めての経験。接客も女性ソムリエール3名がアットホームな気持ちのいいサービスを提供してくれる。

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乾杯はナポレオンの結婚式でも飲まれたと言われるジャクソンのキュベ737。2009年のぶどうでその中の30%は熟成したものとあわせて作られる。凛とした気品とコクが特徴で一口含むと目が覚めた。樽熟成が長いのか味がとっても深い。他のシャンパーニュはこれを頂くと飲めないな・・・

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アミューズ・ブーシュとして一口サイズの5種類がアフタヌーンティスタンドを使って出される。上から塩パンのケークサレととても軽い生雲丹のムース。食べたあとの鼻に抜ける香りも軽やかでありがちな磯臭さとかは全く無縁。

下の段はコンテチーズに竹炭を混ぜて作ったシュー生地のグジュール。バスク地方の生ハムを乗っけたパン。アボガドとブランドトマトのピューレ、この店のスペシャリティーと言われるフォアグラのレーズンサンド。

濃厚なフォワグラのコンフィとレーズンの甘味の組み合わせはかなり美味しい。

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この一品を食すためにボルドーの貴腐ワインを頂く。ラモスなんとかと言う名前だったんだけど極甘のワインとフォアグラの相性に驚いた。シャトーデュケムを昔こんな感じで頂いてその美味しさに失神しそうになった事を思い出す。

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白魚のロワイヤル。いわゆる茶碗蒸し。玉ねぎのエキスを頂くような感じの料理で玉ねぎのスプラウトがアクセントとなっている。

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この料理にはロワールのサンセールのソービニオンブランをあわせる。柑橘系の果実の香りとフレッシュできりっとした酸が心地いい。

担当いただいたソムリエの大矢根さんのチョイスなんだけど彼女は提供する料理の事を完璧に理解しているのでマリア−ジュが半端ではない。気さくな会話も食事をおいしくさせる。彼女の腕利き具合は敬服ものである。

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バターに無色のガラス蓋をしたものが登場。ブナのチップでスモークにしているらしい。バターは有名なレスキュール(だと思う)。塩はゲランデ。。燻煙したバターは初めて頂く。

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パンは最近あちこちのフレンチで見かけるシュクレクール製。形がとても美しい。
谷町のFUJIYAも同じものを使っていたな・・

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ここでアルザスのリースニング2012年で若ワインなんだけど料理とのマリアージュを考えてセレクションされているのでとても楽しみ。

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赤貝、北寄貝、帆立、タイラギ貝、ミル貝をさっと火を通したものを数種類の豆と一緒にいただく。とても春らしくて塩水をジュレにしたものとミントライムの酸味が辛口でミネラル感たっぷりのリースにングにぴったり。

ここでグラニテの替わりにレモングラス、ミントやアップルマンゴーを漬け込んだ水出しのハーブティーが登場(写真はなし)。透明感のある口直しにビックリした。氷にしたら口の中の温度が一気に下がるので前から違和感を感じていた。これは目からうろこの一品。口がさっぱりしまくりちえこ。

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オマール海老とリードボー生姜の味とアスパラのソース。海のものと動物性タンパク質の合わせ技。ソースが巧みで全く違和感もない。リードボーの火入れも完璧。

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ムルソーの2010年。このしっかりとしたソースの料理にはこういったワインが飲みたいなと思うものがドンピシャで出てくるのが素晴しい。緑がかった黄金色の味の深い柔らかで滑らかな口当たりは大好物ワインの一つ。

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アイナメと泉州の筍をカダイフで包んで揚げたものにホタルイカを添えたもの。ホタルイカの上にはナスタチウム。。トマトとかを栽培するときに虫がつかないように一緒に植える植物と昔聞いたことがある。いわゆるコンパニオンプランツ。こういったものを食する時代になったのね。食べるとぴりっと辛くてイタリアンに出てきそうな感じかな。木の芽とディルのコンソメをシェフが掛けにきてくれる。。フレンチなんだけど和素材を使ったり、和の盛りつけをされたりするのでとっつきが非常にいい。

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コルシカ島のヴェルベンディーノ産レヌッチを所望。コルシカ島のワインって赤しか飲んだ事なかったけどしっかりしたバランスのいい白もある事をソムリエちゃんに教えて頂く。リンゴのようなフルーティなくだものの香りとミネラル感がある。白身魚や温野菜にはドンピシャのマリアージュ。何度も書くけどこの店のソムリエはかなり凄いと思う。かなり勉強されておられる。シェフの奥様がチーフソムリエなんだけどこの日はお休み。

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この日のメインディッシュは岩手産ホロホロ鳥のロティ。胸部分と腿部分に分けて提供。70度の低温調理で仕上げる。身はしっとりしながらしっかりとした弾力で皮はパリパリ。素材の良さもさながら火入れの完璧さに脱帽。今まで頂いたホロホロ鳥ではダントツのナンバーワンの美味しさ。鴨や鳩と違って鶏肉を食べてるぞという気になる。ホワイトアスパラにラクレットを乗せて炭火で炙ったものと野生のアスパラガスと言われるアスパラソバージュ。甘くてスパイシーなソースも秀逸。

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メインの料理に合わせたワインは南フランスのシャトーヌフ・デュ・パプ。これは超有名。。ここまでかなりの量のワインを頂いたけどテイストが異なっているのでいくらでも飲めそうな感じ。ヌフ・デュ・パプはシラー、グルナッシュ、サンソーやムールヴェードルなどの南フランス特有の個性的なブドウ13種を掛け合わせることで有名。温かくて豊潤で優しくて雄大でなんともいえない複雑で、スケールの大きいワインとなっている。個人的にワインはネットでよく購入するけどリリースされた瞬間にいつも売り切れになっている。

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フルムダンベールがアンティーブの船に乗せられて登場。青カビだけど見た目以上にマイルド。

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チーズのあてにマールブランディーを所望する。ちゃんとこういったものも完璧に揃えられている事に敬服。

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デセール一発目は デコポンと白いプリン。見た目はシロクマ君のアイスクリーム。ふわふわした淡雪のようなものの食感がとっても楽しい。

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普段甘いものを食べる習慣がないのでよくわかんないけど丁寧にいい素材で作っている事はよくわかる。パティシエがいるわけではないのでこちらのお店では調理人が作る。マスカルポーネのムースとルバーブのスープ。酸味があってさっぱりしてフルコースのデセールとしてはとてもふさわしいと思う。

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ミニャルディーズはぴぃーんと垂直に高く伸びあがった飴細工を掛けたキンカン。パリパリして面白い。温かいハーブティーをいただくとお腹が落ち着く。ワイワイ言いながら食すとあっという間に3時間経過。。夜のディナーは税サービス別の12000円ワンコース。帰りはシェフがお見送り。とてもいい店です。

大阪市福島区福島3丁目12-20
06-6455-5572
営業時間:12:00~13:00、18:00~20:00
定休日:月曜日(ランチは金・土・日限定)。

pointフレンチ / 新福島駅中之島駅福島駅

夜総合点★★★☆☆ 3.5

大阪市 福島 フレンチ

すし寅【大阪市 桜川/西長堀】

寿司好きの東京在住の友人が帰阪したので表記の店で大阪寿司を買って差し入れ。場所は千日前筋の桜川の交差点東側にある。お店は古い一軒家で暖簾が目印。店にはメニューがないので注意。駐車場は横にコインパーキングがある

こちらのお店はメインは仕出しと言うかほとんど持ち帰りにする客が多いんだけど店内にも4人掛けのテーブルが2つあって出来立ての蒸し寿司や大阪寿司、茶碗蒸しを食する事が出来る。ここで冬に焼き穴子と蒸した烏賊と錦糸がたっぷり入った温かい蒸し寿司とビールを頂くと最高である。

この日はあらかじめ電話で予約してたのでそんなに待つ事はなかった。ご主人と世間話をしながら作るのを見学させてもらう。

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店は当然の事ながらとても古い。でも隅々まで掃除が行き届いてピカピカで凛としたたたずまいを見せる。80歳くらいの物腰柔らかなご主人からはお客様に美味しいものを食してもらおうというオーラが出まくっている。ひとりで切り盛りする姿もかっこいい。

箸の袋に創業80年と書かれていたけど実際は120年で昔は堀江にお店があったんですと言っていた。凄すぎる・・・

海老は国産の車エビを使用し鯛は天然、穴子も焼き過ぎたところや端っこの固い場所は取り除く。すべて手作業。シャリの間にはさまれた大量の甘く炊かれた椎茸がかなりいい。作るところをずっと見せて頂いたけど丁寧でかつかなり美しい。仕込みも含めて握り寿司よりかなり大変そう。

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穴子に煮詰めを塗って鯛にはバッテラ昆布を木の芽と共に乗せる。優しさに溢れた寿司である。食べなくても美味しいという事がわかる。この寿司に店主の人柄が出まくっている。 。

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シンプルな店内には人間国宝大蔵流狂言師の茂山千作のご子息の千三郎氏の色紙が飾られていた。

こちらの店主は3代目で4代目は本町でお店をしていると言っておられた。結局差し入れた寿司を一緒に頂いたけど3切れ食べたらおなかがいっぱいになった。9貫入って1人前1200円。内容と労力を考えると決して高くはない。お土産にぴったり。。。

大阪寿司なので夏以外は翌日頂いた方が椎茸の味がなじんでより美味しいよと言っておられた。ごちそうさまでした〜

 

大阪市浪速区桜川2-3-1
TEL 06-6561-4014
11:30~19:30
日曜祝日定休

すし寅寿司 / 桜川駅汐見橋駅JR難波駅

昼総合点★★★☆☆ 3.5

大阪市 桜川/西長堀 寿司

雲鶴【大阪市 桜ノ宮】 【大阪市 天満橋】 【大阪市 南森町】

天満橋にある完全予約制の表記の懐石料理店で会食。カウンター3席のみの特等席を貸し切りにさせていただきゆっくりとお任せの食事を頂く。谷町筋の2筋東にある小さな看板が目印のひっそりしたファザード。知り合いの紹介で予約を取ってもらった。

2014-04-23 11.38.00

ビールで乾杯をして先付けの翡翠茄子。。いわゆる焼き茄子状態で綺麗に皮をむいてお浸しにする。塩分控えめでとても上品な塩梅。とろろ芋をかけて上質の雲丹がのっかってかなり美味しい。とろろの紫の部分はなすの皮を使っていると言っておられた。

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煮物椀は帰りに頂いたパンフレットに最高級の北海道産の昆布と枕崎の一本釣りの本枯れ節をその都度削る鰹節を使用との事。ご主人の流れるようでかつ丁寧な所作はとても美しい。

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お椀も上質な漆でとても美しい。蓋を取ると綺麗な絹揚げと旬のアブラメの葛打ち。上質な魚の脂も相まってとてもいい真昆布の出汁が身体に沁み渡る。

2014-04-23 11.57.43

旨味がありながら雑味のない透き通るような出汁は最近の大阪の和食店ではあまり見かける事も少なくなった。
この日の向付けは鰹の焼き霜作りだったんだけど私が赤身が苦手なので淡路島の天然鯛に変更いただいた。

2014-04-23 12.06.12

魚を噛み締めるとほんのりと昆布の味がする。。こんな鯛は初めて食した。淡路島周辺が漁の最盛期で一番たくさん鯛が捕れて一番おいしい時期という事をニュースで見た。しかしこんなに味がある鯛は久しぶりである。

2014-04-23 12.22.18

八寸と言うか強肴として右上は里芋、南京、春大根の炊きあわせ。どれもが完璧な仕上がり。しんみりとした味加減は素材の良さだけではなくかなりの技術と経験が必要とされる。

その横はみょうがの酢漬け。筍の塩麹付け、出し巻き卵と菜種油で7時間炊くように火入れする事で頭からうろこ、しっぽまで骨が全く口に当たる事なく食す事が出来る野崎焼きなる名物料理。鯛の頭を丸ごと食す事が出来るのには驚いた。

2014-04-23 12.36.25

おにぎりに鯛のでんぶをのせて出汁をかけて食す鯛茶漬けもとても秀逸。

2014-04-23 12.46.45

デセールはマスクメロンとブランドイチゴ。いいメロンはやっぱりおいしい。果物の王様だな。。いろんな話をしながら上質な日本料理を食すのははとても贅沢な時間である。帰りもご主人が玄関でお見送り。ごちそうさまでした。。とてもいいお味でした。。。

大阪市北区天満1-18-17
06-6809-6515

雲鶴懐石・会席料理 / 大阪天満宮駅天満橋駅大阪城北詰駅

夜総合点★★★☆☆ 3.5

大阪市 桜ノ宮大阪市 天満橋大阪市 南森町 和食