天満橋にある完全予約制の表記の懐石料理店で会食。カウンター3席のみの特等席を貸し切りにさせていただきゆっくりとお任せの食事を頂く。谷町筋の2筋東にある小さな看板が目印のひっそりしたファザード。知り合いの紹介で予約を取ってもらった。
ビールで乾杯をして先付けの翡翠茄子。。いわゆる焼き茄子状態で綺麗に皮をむいてお浸しにする。塩分控えめでとても上品な塩梅。とろろ芋をかけて上質の雲丹がのっかってかなり美味しい。とろろの紫の部分はなすの皮を使っていると言っておられた。
煮物椀は帰りに頂いたパンフレットに最高級の北海道産の昆布と枕崎の一本釣りの本枯れ節をその都度削る鰹節を使用との事。ご主人の流れるようでかつ丁寧な所作はとても美しい。
お椀も上質な漆でとても美しい。蓋を取ると綺麗な絹揚げと旬のアブラメの葛打ち。上質な魚の脂も相まってとてもいい真昆布の出汁が身体に沁み渡る。
旨味がありながら雑味のない透き通るような出汁は最近の大阪の和食店ではあまり見かける事も少なくなった。
この日の向付けは鰹の焼き霜作りだったんだけど私が赤身が苦手なので淡路島の天然鯛に変更いただいた。
魚を噛み締めるとほんのりと昆布の味がする。。こんな鯛は初めて食した。淡路島周辺が漁の最盛期で一番たくさん鯛が捕れて一番おいしい時期という事をニュースで見た。しかしこんなに味がある鯛は久しぶりである。
八寸と言うか強肴として右上は里芋、南京、春大根の炊きあわせ。どれもが完璧な仕上がり。しんみりとした味加減は素材の良さだけではなくかなりの技術と経験が必要とされる。
その横はみょうがの酢漬け。筍の塩麹付け、出し巻き卵と菜種油で7時間炊くように火入れする事で頭からうろこ、しっぽまで骨が全く口に当たる事なく食す事が出来る野崎焼きなる名物料理。鯛の頭を丸ごと食す事が出来るのには驚いた。
おにぎりに鯛のでんぶをのせて出汁をかけて食す鯛茶漬けもとても秀逸。
デセールはマスクメロンとブランドイチゴ。いいメロンはやっぱりおいしい。果物の王様だな。。いろんな話をしながら上質な日本料理を食すのははとても贅沢な時間である。帰りもご主人が玄関でお見送り。ごちそうさまでした。。とてもいいお味でした。。。
大阪市北区天満1-18-17
06-6809-6515