八方 11月

岡山市にある表記のミシュラン和食店を大阪福島にあるミシュラン和食店の店主とともに訪問。新大阪から新幹線に乗って約1時間、岡山駅からタクシーで5分くらいの場所に店は位置する。

凛とした店内は檜のL字形の白木カウンター10席と別に個室が有る。地元岡山の食材を中心に客がその時期に食べたいと思う食材を使った料理を出来立ての状態で提供される。完全おまかせだけど嫌いな食材は事前に聞いて頂ける。客のタイプや状況で提供される献立や料理の量、器や盛り付けが異なるのも面白い。料理のコースは30000円から。

お酒も日本酒を始め色々なものが揃えられる。ワインセラーにはオーパスワンなどのアメリカの高級ワインなどが大量にストックされる。ワインの値付けはかなり優しくて良心的。

最初に本日使用するズワイガニのプレゼンテーション。兵庫県浜坂産の1.5kgサイズの立派なものが登場。これを斤量まで毎日仕入れされるとのこと。

座付きは浜坂産の香箱蟹(せ甲蟹)から。火入れの具合も良くてふわふわ食感。内子もピカピカでかなり新鮮なことがわかる。

続いてのお凌ぎはレアに仕上げられた自家製唐墨の飯蒸し。今年初めての提供で大ぶりにカットされた逸品。蒸したての餅米も地元産でかなり美味しい。

煮物椀はずわい蟹の真薯。少量のすり身で蟹だけを固めたような贅沢なもの。口の中でふわっと広がる蟹の風味がとても贅沢。あしらえものなどは一切ないのが食い切り料理の真骨頂。出汁の味わいは塩味強めだけどとてもいい。

刺身はズワイガニの脚身。よくある花が咲いた状態でないのが嬉しい。当然のことながら甘味たっぷりでありがちな変な癖やえぐみ等は全くない。

地元産の鰆のお腹部分の刺身は大きくカットされて提供される。口いっぱいに広がる甘い脂とコリコリの食感に感激する。鰆の刺身は最近よく大阪でもいただくがモノのレベルが全く違う。

続いて旨みたっぷりの鯛と地元産の赤貝。赤貝は独特の香気が旨みの一部となる。

続いてこの店のスペシャリティのぶつ切りの河豚の身をカワハギの肝と合わせて大量の葱と加減ポン酢がぶっかけられた豪気で喰い味溢れるもの。日本酒が進みまくる。

トラフグのカマ部分を使用した竜田揚げ登場。ケンタッキーフライドチキンのような様相で手を使ってかぶりつく。

続いての焼肴は瀬戸内産の分厚い太刀魚の塩焼きと岡山産の松茸の塩焼きの合わせ技。かなり贅沢な味わいでここ最近いただいた松茸では最高の味わいなり。

本日のメインディッシュの湯がきたてのずわい蟹登場。大人の拳骨より大きな甲羅にぎっしりと蟹肉を詰めたもの。加減酢もかなり柔らかい。蟹身だけでお腹いっぱいになるのは初めての体験。しばらく蟹はいらない感じ。

箸休めに赤貝の紐の黄身酢あえ。コリコリ食感が心地いい。

旬の分厚い鱧の塩焼き。皮目だけをパリッと焼き上げたもの。鱧の上には岡山産のキャビアがてんこ盛り。

食事は7種類から好きなものを選ぶことができる。私は最初に一口カレーを所望する。思いの外、スパイスが効いていて本格的なのにびっくり。

続いて「梅バターごはん」。文字通りの味わいで初めての経験。このほかにも「万願寺とうがらしとじゃこごはん」「梅雑炊」「冷たい蕎麦」「温蕎麦」など。蕎麦には大根おろしや山芋、酢橘、カレーなどのトッピングが可能。

デザートも色々なものから選択できる。私は地元産のフルーツ盛り合わせを所望する。この他にも「ココナッツシャーベット」「焼きプリン」「胡麻プリン」「ぜんざい」などがある。

お酒も地元のものを中心にたくさんいただきました。新幹線の費用と時間を鑑みても訪問する価値ありのお気に入りのお店です。価格も安くはないけどそれを遥かに上回る価値あり。ごちそうさまでした。

過去の八方はこちら

岡山県岡山市北区弓之町12-6

お店のHP はこちら

和食 中国地区