2016年04月

鈴江

現在ミシュラン2つ☆、食べログ全国5位、京都では1位の評価を誇る表記の店を訪問。京都の有力者の友人に紹介いただき、数日前にキャンセルの出た席を譲ってもらう。東山駅から2条通りを東に5分くらい歩いたところ。平安神宮のすぐ横の南白川沿い。時間があったので高台寺周辺や鴨川を散策してお腹ぺこぺこにしてから伺う。

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住宅を兼ねた店舗は特にどおってことはない。合板のカウンタ−に7席の普通の椅子が並べられている。店内は装飾品は全くなく間接照明だけが特徴のシンプルなもの。高価そうな根付けがさらっと飾られているだけ。料理はすべてお任せで苦手なマグロだけを外していただく。

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最初に瓶ビールとともに出て来たのは今が旬真っ盛りの和歌山産の稚鮎の唐揚げ。極細かいパン粉がつけていてとても香ばしい。海から遡上したもので1週間前に和歌山市内のとある高級寿司店でもいただいた記憶がある。腸の苦みがビールにぴったり。柚子の香りもいい。特筆すべきはそのポーションで6匹くらい盛り込まれていてしっかりとこの時期だけの味覚を堪能する。

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絶妙の枯れ具合の葉が乗せられたお造りは南淡路の真鯛、雲丹、赤貝の豪快な三種盛り。ご主人自ら山に穫りに行く葉(ゆずりは)は子孫繁栄の縁起のいい植物。なかなかこの枯れ方の葉っぱは少ないと自画自賛されていた。

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分厚く切り付けられたコリコリの上質の鯛は飴色で脂が乗りまくり。これも6切れくらい盛りつけられているので塩をつけたり雲丹を巻いたりいろいろな食べ方で楽しむことが出来る。大量に盛られた淡路の黒雲丹もこの時期にありがちな若さを感じない。自家製の出汁醤油もかなり美味しい。今まで見たことのないような分厚さの赤貝も食べ応え満点。大きければいいというものではないが素材の良さが突き抜けているので食べ飽きない。お薦めの純米酒をぬる燗にしていただきゆっくりと楽しむ。

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日月の煮物椀登場。器はかなりいいものを使用。美術館にあるようなものを実際に使用しているとのこと。学芸員の客が使わないで保存してくれと頼みにくると言っていた。使っちゃいけない国宝級のものを使ってるんですよ〜とのこと。

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お椀の中身は旬のあいなめ。ただ魚体のサイズと切り付けの大きさに仰天。汁は京都のお店によくある透明感のある、喉にストンと落ちるタイプ。これに魚のクリアで滋味深い脂が相まってとてもいい味となる。大きな切り身を蓋に乗せて日本酒と一緒にゆっくりと食す。カマの部分を特別に入れていただいたのが少し嬉しい。この日は最後まで日本酒で料理を楽しんだがワインの品揃えも素晴しくグランクリュやボルドーの1級が大量にセラーに入っていた。オーパスワンも勢揃いなり。

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お椀を楽しんだあとはカウンタ−に焼き物の用意がされる。淡路産の巨大な伝助穴子と愛媛の巨大鳥貝で双方旬真っ盛りの巨大盛り合わせ。炭火の七輪を使ってご主人が一つずつ火入れしてサーブしてくれる。ご主人はかなり気さくで優しい。

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絶妙にさっと皮目だけ火入れした穴子は最初はワサビと塩でいただき、2つ目はカボスを使ったまろやかな酢でいただく。大きな切り付けなので口の中が穴子だらけになるが上質な甘い脂と穴子の旨みが脳幹を刺激する。この美味しさは初めての体験。4切れくらい食べると堪能する。

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鳥貝も私が知りうる限りの最も身が分厚く味の深いものであった。食べ応えの満足感は比類なきもの。隣の席は高齢の台湾人夫婦でご主人が英語の図鑑を使って魚介などの食材を気さくにブロークン英語で説明していた。この料理も450年前の古染め付け皿に取り分けられる。

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丹波産のヒレ肉を炊いたもの。こちらのご主人のスペシャリティーらしい。歯が要らないくらい柔らかく炊かれているのにビックリ。あしらえは自家栽培の新ジャガと新玉ねぎ。肉にかけられた餡は丹波産のイチボ肉とウデ、筋を煮込んで抽出したエキスで贅沢きわまりないものと自分で言っていた。

料理はこれで終了。ここまでで食事開始から約1時間。かなり速い展開に驚く。

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隣の客の〆はトロと赤貝のにぎり寿司なんだけど私がマグロが嫌いということで蛤と豌豆のご飯を特別に作っていただいた。使用している蛤は子供の握りこぶしくらいあるものらしく今まで食したものとは貝の旨味や食感が全く異なるものだった。

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品数は少ないが内容とポーションは大満足。当然調理力も王道でかつ卓越している。すべて今まで見たことのない素材のサイズ感とけれんのない盛りつけのどっしり感は強く記憶に残る内容。ホステス連れの客が次の予約を取っていたが6月に数日のみで、その他は半年待ちということだった。

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デセールは自家製の桜餅でかなり美味しかった。隣の台湾の客は苺大福だった。おさまりのいい美しい器は乾山の角皿で桜餅とドンピシャ。過去にお茶会で見たことがある。裏に名が書かれており、持つとかなり軽いのは本物の証し。昔なんでも鑑定団で200万円の価格がつけられてた記憶がある。

気になる会計は此方はコースのみで、金額も決まっていない。ご主人がその日に入荷の最高のものを出して頂けるので3万円の時もあれば秋は7万円以上の時もあるらしい。この日は片手以上の支払い。嵐山吉兆、本湖月を超える金額。お金というか予算に糸目を付けずに極上の美味しいものを自然にいただける方にはぴったりのお店。

帰りは近くのワインバーを紹介いただきタクシーに乗る。

京都市左京区岡崎神宮道仁王門白川南入ル
075-771-7777

旬席 鈴江割烹・小料理 / 東山駅三条京阪駅蹴上駅

夜総合点★★★☆☆ 3.5

和食 京都市

ツキと寿っぽん【大阪市 扇町/天満】

大阪で3本の指に入る敏腕飲食プロデューサーの紹介で表記の店を訪問。場所はJR天満駅から北へ徒歩3分くらい。天満ではすでに老舗と言われるLUV WINEを東に入ったあたりの路地を抜ける。看板など全くない普通のビルを言われたとおり階段を使って2階に上がる。あらかじめ聞いていた暗証番号を押して店内に入る。その正体は9LDKのマンションを改装して造られた隠れ屋鍋屋さんであることが判明。

個室にご案内いただきお薦めの豚しゃぶコースを所望する。
メニュは

◎ブリしゃぶコース 4800円
前菜、一品、ぶりしゃぶ、締めのうどん

◎鯛しゃぶコース 5800円
前菜、鯛のお造り、鯛しゃぶ、〆のうどん、雑炊

◎海鮮鍋コース 5800円
前菜、一品、海鮮鍋、〆の麺か雑炊

◎クエ鍋コース 7800円
前菜、クエのお造り、クエ鍋、雑炊

◎豚しゃぶコース 3800円
前菜、一品、豚しゃぶ、稲庭うどん、雑炊

◎鳥しゃぶコース 3800円
前菜、一品、鳥しゃぶ、稲庭うどん、雑炊

◎鴨鍋コース 5800円
前菜、一品、鴨鍋、お蕎麦

◎すっぽんコース 7900円
生き血、すっぽんのお造り盛、すっぽん唐揚げ、すっぽん鍋、雑炊

総じて価格は高くはない。夏は鱧がお薦めと言っておられた。

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最初の前菜は黒胡麻豆腐、ハマチのなめろう、クリームチーズと酒盗。特にどおってことはないが日本酒をいただきながら楽しむ。

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野菜は大きな木の器に入って登場。それぞれこだわりがあるらしく着物を着た女将さん兼オーナーの田中よしえ氏が丁寧に説明してくれた。彼女はすぐ近くの超繁盛店「ほっこりダイニング田なか」という店も経営される敏腕店主である。

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豚肉は北海道産のバラ肉でホエー飼料を食べさせて飼育しているこだわりの食材と言っておられた。肉の口当たりもよく脂も優しくてとても上質な味わい。ボリュームも満点で食べ応えも充分。CPも設えを考えるとかなり高くて大満足。ビールと大吟醸酒をいただいて一人5000円弱。次回は鱧をいただきに来ます。

ツキと寿っぽん鍋(その他) / 天満駅天神橋筋六丁目駅扇町駅

夜総合点★★★☆☆ 3.5

大阪市 扇町/天満

竜田屋 4月【大阪市 難波】

友人と千日前の表記の店を訪問。なんばオリエンタルホテルの前の御飯屋さんと言うか食堂というか居酒屋。

店内はざっくばらんな感じでいつも様々な客層で賑わっている。出来立ての手作りのおかずで一杯飲むのがとても楽しい。1階はざわざわ系の食堂みたいな感じで吉本の芸人さんの色紙が壁にところ狭しと貼られている。2階はしっとりした半個室仕様でゆっくりと食事が出来る。いろいろなTPOSで使い分け可能。最初にお店の入り口のショーケースに並んだおかずをピックアップしてビールとともにいただく。

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いつも必食の銀ダラの味噌漬けは脂がしっかり乗って私の口にとても合う。筍と若布の煮物と太いアスパラのサラダも身体に良さそう。

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夜だったので炭水化物を抜いて好きなものを注文しまくる。フワフワのネギ入りの出汁巻400円や筍の天ぷら、海老フライ(これはイマイチ)、ぶっとい明太子の炙りなどと一緒に山崎ハイボール500円は私にとっての至福の時間。若いときからかぞえきれないくらい訪問しているがいつ来てもいい気分になって店を出る。朝からやっているので朝食や昼食にもいいし夜のてっちりなどの鍋も上質。

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最後に海老とアスパラと牛蒡のかき揚げをいただいてフィニッシュ。いつも食べ過ぎるので後悔する。
鰯の炊いたものや茄子の田舎煮、蕗の有馬煮も食べたかったが次回のお楽しみ。
こういった普通のものが普通以上に美味しいのが一番嬉しい。ごちそうさまでした・・・

大阪市中央区難波千日前11−24
電話番号:06−6632−4788
営業時間:AM7:30~AM2:00
定休日:なし

大阪市 難波 和食居酒屋