又三郎 1月

ここ数年食べログ焼肉部門全国NO1を誇る(最近は4位になってしまったが大阪ではダントツの1位)長居にある表記の店を訪問する。こちらのお店は最近は数ヶ月以上前か平日の遅い時間帯しか予約が取れないため多くの知己から私に連れていけと言う声が多く最近は特に訪問頻度が増えることとなる。

この日は大阪を代表する料亭の料理長とともに訪問。フレンチ出身の金髪の風雲児の大森シェフはこの日はおやすみで年齢不詳の魔熟女の荒井世津子オーナーが厨房に立つ。まずはビールで乾杯して「食べ放題払い放題コース(勝手に命名)」を所望する。まずはいつものように熟成肉のプレゼンテーション。

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宮城県産の黒毛和牛のウデ部分。細かなサシが入っている。いわゆるミスジとかクリとかいう部分だと思うんだけどオーナーがウデと呼ぶので多分ウデなんだろうと納得。34ヶ月なので約3ヶ月の熟成。

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もう一つが岩手の黒毛和牛の肩ロースの部分であろうか。こちらは和牛では珍しい45ヶ月の熟成。脂の加減であえてA3等級ぐらいのものを使用することも多いと聞く。こちらの塊から切り出して目の前の七輪で焼き上げる。このプレゼンテーションはいつも気分が上がる。

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切り出された2種類の肉は最初に片面を3分くらいまんべんなく焼く。裏返してふたたびまんべんなく焼く。続いて4方に均一に焼きムラがないように肉を移動させながらしっかりと焼く。肉にダメージを与えないように眠っている肉を起こさないように炭火の力を借りて優しく丁寧に火を入れる。しばらくして火から下ろしてアルミホイルで包んでじんわりと火入れをする。サービス担当のお姉さんはとてもしっかりしている。受け答えもとてもいい。

5分くらいアルミホイルの中で休ませて再び焼く。じっくりとまんべんなく焼く。そしてまたまた火から下ろしてアルミホイルで5分くらい包んで休ませる。一回目よりもすこしだけしっかりと火入れをする。いわゆる低温調理を機械を使わないで丁寧に行なう感じである。

ここでオーナーの荒井世津子氏が厨房から登場し話し相手と仕上げの焼きを担当する。彼女とはここ数年チェーンストア理論を一緒に学んだりロスアンゼルス視察ツアーにご一緒させていただいたり、京阪神の繁盛飲食店の情報交換と試食を相伴したりといつも大変お世話になっている。現在はテレビ出演やマスコミ等で引っ張りだこで歌手デビューの話もあるとかで今や芸能人並みの忙しさなんだけどそんなことはおかまいなしで毎日店に入って客前で肉を焼き続ける姿勢は敬服に値する。。

またシェフが休みのときは自らが肉をさばく。本人曰く「私の方が上手・・・」

そして3回目の火入れをするのだが備長炭の配置が自分的にイマイチと言うことで七輪を交換する。このこだわりも素晴しい。。最後の火入れの後アルミに包んで出来上がり。その間約40分なり。

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焼き上がるまでに前菜が大きな無垢の木に載せられて登場。フレンチテイスト満載のこちらの前菜もとても気分が上がる。

こちらのお店は現在は曜日に関わらずお店は繁盛しまくりチエ子状態なので入り口にある冷蔵庫の中は熟成肉で一杯。牛の種類と部位、熟成期間が表記されているので見るだけでとても楽しい。枝肉ゴロゴロの冷蔵庫を少し開けさせて頂くと甘い茶豆のような香しいチーズのような熟成香が漂う。腐敗臭は全く感じない。庫内の温度は1~3℃、湿度は60~80%くらいと言っていた。

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前菜を取り分けていただくと。イタリア産の高級なサラミ(名前はわからん・・)キンカンと生ハム、蕪の浅漬け、自家製サルカッチャ、牛肉のリエット、トリフが思いっきり入ったライスコロッケ・・・これだけでワインが2杯飲める・・・・

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熟成肉の端材でつくる特製のコンソメスープも熟成香の漂う、かなり濃い味。まともなコンソメスープを一から作るのに多くの時間と手間ひまがかかるのは周知の事実。。

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お酒のアテでとして生センマイ、タン元の刺身、タンのユッケ風。。こういったものをつまみながら肉の焼けるのを待つ。一見どこにでもありそうなものなんだけどどこよりもクオリティーが高いのはさすが。

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3回目の火入れの後キッチンに肉を引き上げ、綺麗に盛りつけされて登場。私は真っ赤な皿で同伴者は真っ黒の皿。このあたりのオーナーの審美眼はすばらしい。肉汁たっぷりなんだけどしっかりと火入れされた肉はドリップが全くない。

レギオールのカラトリーで大振りにカットして口に入れるとミルキーな凝縮した旨味と脂肪の甘味、茶豆のような熟成香が喉に通ってから口一杯に広がる。熟成することでたんぱく質やアミノ酸が多くなり旨味がより強くなりかつ肉の繊維がゆっくりとほどけることで柔らかくなるようである。

ウデの部分は淡白で肉の味がしっかり感じられる。ロース肉は脂の甘さが際立つ。しかし嫌な脂っ気は全くないのでいくらでも食すことが出来る気がする。塩と生胡椒をつけていただく趣向もいい。力強いんだけど繊細な熟成肉のステーキの薬味として最終的にたどり着いたのが最もシンプルなこの二つであろう。

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デザートはパティシエの高見氏が肉に合うものを数種類季節によって作られる。私はワインが残っていたのでショコラケーキをいただく。

食べて飲んでこの日は一人1万円。焼肉屋さんとしてみれば高いかもしれないけど叙々苑よりもリーズナブル。。ステーキハウスとして考えれば格段の安さを感じる。。個人的には前菜と熟成肉ダブルとワインだけでゆっくり愉しみたい。。

こちらは美味しいだけではなくて楽しくいつまでも記憶に残る素晴しいお店です。まさに「THE BEEF WONDERLAND」。 記念日にオススメです。。

大阪市住吉区長居2-13-13長居パークホテル1F
TEL 06-6693-8534
予約必須
11:30〜14:00
17:30〜23:00(L.O.22:30)
定休日 木曜日


カテゴリー 長居, 焼肉 |