京都四条堺町の錦市場の手前のとこにある瀟洒なカウンター10席のみの料理店。 2007年の年末に開業の新進気鋭の人気店で、あるお方のご紹介で春の名残の料理をいただく。 35歳の店主の作る料理は京都ならではの伝統的なトラディショナルな和食のなかに私どもでも、「う~ん」と唸るいい仕事が随所に見ることができる。座付に抱腹絶倒という伏見のお酒がつく。酸度が高くシャンパンのような味わい。いきなり一本やられたという感じ。 山葵の葉のおひたしにホタルイカに黄身酢。一寸豆だけが湯がきたてで入っているところがおいしく食べてもらおうという神経の細かさである。 大ぶりの煮物椀は若布と筍。このような普通のものが普通以上に美味しいことが素晴らしい。 筍はひたすら柔らかで若布も香り高く出汁の加減も秀逸。お茶事の出張料理も修業中にされていたようで茶懐石にも通じる内容であることいただいているうちに理解できる。 造りは青森産のひらめ。4キロくらいあるもののらしい。お願いして、しっぽのほうを所望する。 滋味深くスダチを絞って塩でいただくと甘みと旨みがじゅわ~っと舌の上に流れてくるのが実感できる。 盛り付けも繊細。器も一つづつ紙にくるんで収納している。 この店の真骨頂である「焼ごま豆腐は」今までありそうでなかった料理。 表面こんがり中身はトロリとしたごま豆腐にかかるゴマソースがたぶん蜂蜜系の甘みと出汁の旨みがナイスマッチ。その上には潰した炒りゴマがたっぷり。。。これを目当てに来る客が絶えないという界隈の話。 次に出てきた穴子の鍋は脂分たっぷりでええ出汁が出てわらびの苦みと木の芽の香りとがぶつかり合ってしかも反目しない取り合わせ。シャルドネか芋焼酎を炭酸で割ったものと合わせればいいかなと思いながらもおいしすぎてどんどんいってしまう。かなり計算された食材の取り合わせである。 と言っている間にご飯が炊きあがりやわやわのふにゃふにゃご飯をまず一膳すすめていただく。 まさにお茶事のようでこの後少しずつ水分の抜けたご飯を2回いただく。周りの客もこの趣向には驚きモモの木。。 お漬物はお好きなだけどうぞといわれるが日本酒の御代わりを所望し漬物だけ行儀悪くたくさんいただく。 デセールは大ぶりの中までよく熟れたイチゴと清見ミカン。。 これも名物の特製モナカは中のアンコは自家製で甘さ控えめにして練り上げる。そのアンコを季節によって異なる皮にはさんでお店の端にある炭火コンロで丁寧に焼き上げる。 それとお薄で御馳走様でした。 お腹もいっぱいで満足度100% 5250円のお昼のコースでした。 住所 京都市中京区堺町四条上ル東側八百屋町533-1 電話 075-213-1326
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プロフィール
店主 鷺岡 和徳
外食歴40年。家に帰らず食べ歩く店主が綴ります。食べ次第更新中! 大阪・関西を中心に全国、時には海外の現地グルメも投稿。