京都府

八坂通 燕楽

節分は友人から毎年ご招待いただく表記のお店で「おばけ」に参加。節分お化けは今は大阪の北新地でもやっているけど、もとは京都の花街で始まった京都の伝統行事。

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芸妓さんが節分の夜に出没する鬼の目をあざむいて「福」を得るために非日常の格好をする陰陽道的除災招福のまじないのようなもの。普段の衣装とは違うコスプレをして座敷に出て趣向を凝らした踊り等をされる。昔は客もコスプレをして飲むのが多かったと聞き及ぶ。まさにイタリアのカーニバルやアメリカのハロウインのような感じ。

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八坂神社で豆撒きを見てから甘味屋のみたらし団子を食べて、近くのシェリー倶楽部で数種類のシェリーをいただいて時間をつぶし夕刻に入店する。

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こちらのお店はおでんを主力にしたカジュアルな和食店。周りには祇園ささ木、丸山、天ぷらの圓堂など高級店が並ぶ。しかしこちらが八坂通りで最も繁盛しているお店と聞き及ぶ。前栽の見えるお茶屋さんを改装したお店は風情たっぷりで小人数の食事から大人数の宴会までいろいろな使い方が出来て価格はとてもリーズナブル。

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シグニチャーメニューのおでんは丸大根、水菜、九条ネギ、堀川牛蒡・麩・えび芋、赤こんにゃくなど京都らしいものばかり。薄味だけど上質な出汁がしっかりとしみ込んでいて実に京都らしい逸品。あまりにも美味し過ぎて写真を撮り忘れる。脂がのりまくった寒ブリも日本酒と相性よし。

こちらのお店は京都で5店舗のお店を展開されており特におでんと京料理のコラボが有名。

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毎年いただく続いて目を見張るくらいの大きな鰯の焼き物。頭と骨をはずしてレモンを搾ってかぶりつく。鰯の頭は匂いが強いので邪気を払うと言われるがこちらのものは新鮮でよく肥えて美味し過ぎた・・・

そのあとのアンコウの唐揚げも大阪ではあまり食べることのない料理。

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最後の〆はうどんの入った茶碗蒸し。いわゆる小田巻蒸しと言われるもの。

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辻利の抹茶アイスでフィニッシュ。

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この日はおいしおす料理もあってえらい楽しかったどす。翌日は邪気が払えたんか目覚めもすっきりどした。

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この日に自社の社員食堂(まかない)でいただいたお昼ご飯も鰯の焼き物。同じものを1日に2回いただくのも乙なものである。

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京都市東山区東大路通八坂通小松町594‐3


カテゴリー 和食, 京都市 |

鈴江

現在ミシュラン2つ☆、食べログ全国5位、京都では1位の評価を誇る表記の店を訪問。京都の有力者の友人に紹介いただき、数日前にキャンセルの出た席を譲ってもらう。東山駅から2条通りを東に5分くらい歩いたところ。平安神宮のすぐ横の南白川沿い。時間があったので高台寺周辺や鴨川を散策してお腹ぺこぺこにしてから伺う。

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住宅を兼ねた店舗は特にどおってことはない。合板のカウンタ−に7席の普通の椅子が並べられている。店内は装飾品は全くなく間接照明だけが特徴のシンプルなもの。高価そうな根付けがさらっと飾られているだけ。料理はすべてお任せで苦手なマグロだけを外していただく。

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最初に瓶ビールとともに出て来たのは今が旬真っ盛りの和歌山産の稚鮎の唐揚げ。極細かいパン粉がつけていてとても香ばしい。海から遡上したもので1週間前に和歌山市内のとある高級寿司店でもいただいた記憶がある。腸の苦みがビールにぴったり。柚子の香りもいい。特筆すべきはそのポーションで6匹くらい盛り込まれていてしっかりとこの時期だけの味覚を堪能する。

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絶妙の枯れ具合の葉が乗せられたお造りは南淡路の真鯛、雲丹、赤貝の豪快な三種盛り。ご主人自ら山に穫りに行く葉(ゆずりは)は子孫繁栄の縁起のいい植物。なかなかこの枯れ方の葉っぱは少ないと自画自賛されていた。

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分厚く切り付けられたコリコリの上質の鯛は飴色で脂が乗りまくり。これも6切れくらい盛りつけられているので塩をつけたり雲丹を巻いたりいろいろな食べ方で楽しむことが出来る。大量に盛られた淡路の黒雲丹もこの時期にありがちな若さを感じない。自家製の出汁醤油もかなり美味しい。今まで見たことのないような分厚さの赤貝も食べ応え満点。大きければいいというものではないが素材の良さが突き抜けているので食べ飽きない。お薦めの純米酒をぬる燗にしていただきゆっくりと楽しむ。

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日月の煮物椀登場。器はかなりいいものを使用。美術館にあるようなものを実際に使用しているとのこと。学芸員の客が使わないで保存してくれと頼みにくると言っていた。使っちゃいけない国宝級のものを使ってるんですよ〜とのこと。

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お椀の中身は旬のあいなめ。ただ魚体のサイズと切り付けの大きさに仰天。汁は京都のお店によくある透明感のある、喉にストンと落ちるタイプ。これに魚のクリアで滋味深い脂が相まってとてもいい味となる。大きな切り身を蓋に乗せて日本酒と一緒にゆっくりと食す。カマの部分を特別に入れていただいたのが少し嬉しい。この日は最後まで日本酒で料理を楽しんだがワインの品揃えも素晴しくグランクリュやボルドーの1級が大量にセラーに入っていた。オーパスワンも勢揃いなり。

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お椀を楽しんだあとはカウンタ−に焼き物の用意がされる。淡路産の巨大な伝助穴子と愛媛の巨大鳥貝で双方旬真っ盛りの巨大盛り合わせ。炭火の七輪を使ってご主人が一つずつ火入れしてサーブしてくれる。ご主人はかなり気さくで優しい。

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絶妙にさっと皮目だけ火入れした穴子は最初はワサビと塩でいただき、2つ目はカボスを使ったまろやかな酢でいただく。大きな切り付けなので口の中が穴子だらけになるが上質な甘い脂と穴子の旨みが脳幹を刺激する。この美味しさは初めての体験。4切れくらい食べると堪能する。

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鳥貝も私が知りうる限りの最も身が分厚く味の深いものであった。食べ応えの満足感は比類なきもの。隣の席は高齢の台湾人夫婦でご主人が英語の図鑑を使って魚介などの食材を気さくにブロークン英語で説明していた。この料理も450年前の古染め付け皿に取り分けられる。

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丹波産のヒレ肉を炊いたもの。こちらのご主人のスペシャリティーらしい。歯が要らないくらい柔らかく炊かれているのにビックリ。あしらえは自家栽培の新ジャガと新玉ねぎ。肉にかけられた餡は丹波産のイチボ肉とウデ、筋を煮込んで抽出したエキスで贅沢きわまりないものと自分で言っていた。

料理はこれで終了。ここまでで食事開始から約1時間。かなり速い展開に驚く。

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隣の客の〆はトロと赤貝のにぎり寿司なんだけど私がマグロが嫌いということで蛤と豌豆のご飯を特別に作っていただいた。使用している蛤は子供の握りこぶしくらいあるものらしく今まで食したものとは貝の旨味や食感が全く異なるものだった。

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品数は少ないが内容とポーションは大満足。当然調理力も王道でかつ卓越している。すべて今まで見たことのない素材のサイズ感とけれんのない盛りつけのどっしり感は強く記憶に残る内容。ホステス連れの客が次の予約を取っていたが6月に数日のみで、その他は半年待ちということだった。

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デセールは自家製の桜餅でかなり美味しかった。隣の台湾の客は苺大福だった。おさまりのいい美しい器は乾山の角皿で桜餅とドンピシャ。過去にお茶会で見たことがある。裏に名が書かれており、持つとかなり軽いのは本物の証し。昔なんでも鑑定団で200万円の価格がつけられてた記憶がある。

気になる会計は此方はコースのみで、金額も決まっていない。ご主人がその日に入荷の最高のものを出して頂けるので3万円の時もあれば秋は7万円以上の時もあるらしい。この日は片手以上の支払い。嵐山吉兆、本湖月を超える金額。お金というか予算に糸目を付けずに極上の美味しいものを自然にいただける方にはぴったりのお店。

帰りは近くのワインバーを紹介いただきタクシーに乗る。

京都市左京区岡崎神宮道仁王門白川南入ル
075-771-7777

旬席 鈴江割烹・小料理 / 東山駅三条京阪駅蹴上駅

夜総合点★★★☆☆ 3.5


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京料理 六盛

会合で京都の老舗日本料理店を訪問

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場所は平安神宮近くの閑静な東山二条の疎水沿いにある。明治32年創業の老舗店。カウンタ−席やテーブル席はもちろんのこと結婚式の披露宴も出来る檜の舞台もある大広間も備え全館で400人くらい収容出来るお店。しかしながら随所に趣きある意匠を凝らしてありさすが京都の料理屋さんだなと感心する。

この店の代名詞と言える「手をけ弁当」(商標登録)は3240円から。今回はこのお弁当にいくつかの料理をあわせて特別にグレードアップしたものを所望する。

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最初にマグロの山掛けが登場するが苦手なことを告げると鯛に変更していただいた。対応力に感謝と敬意を表す。

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歴史を積み重ねて来られた手桶弁当は出し巻き卵、鰆の焼きもの酢蓮根、蛸の炊いたもの、鯛の子の寒天寄せ、車海老艶煮、紅葉麩、鶏肉西京焼、冬瓜、かぼちゃ煮物、かまぼこの串、蓬麩の饅頭、真ん中は雲丹くらげ。

出来合い加工品もあるがまあまあ美味しい。いろんな京料理を手軽に食べることが出来ると言う点ではいいと思う。

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鱧と松茸の土瓶蒸しも普通に美味しい。出汁の美味しさは一流の証し。

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松茸ご飯と赤出汁もかなり美味しい。こちらは移転する前の店をつかってスフレの専門店もされていると聞く。女将さんや若女将さんと帰りに話をする機会があったがお二方ともかなりお綺麗で嫋やかで美的センスに満ちあふれながらおもてなしの心が染み付いておられる印象でした。また当代のご主人は京料理の源流を研究し「創作平安王朝料理」を完成させお客様に提供されているとも聞き及ぶ。

いい勉強させていただきました。

京都市左京区岡崎西天王町71
営業時間:11:30~21:00
定休日:月曜(祝日の場合は営業)
075-751-6171

六盛京料理 / 東山駅神宮丸太町駅三条京阪駅

夜総合点★★★☆☆ 3.5


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