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びすとろぽたじえ 1月【大阪市 玉出】

お世話になっている広告代理店の女性社長と一緒に最近はまりまくっている地元の表記の店を訪問。1980年代のボキューズやシャペルが作っていたヌーベルキュージーヌを堅実に再現した料理を食せる今の大阪では希少なお店。お店の壁にはこちらの店のオーナーの辻調理師学校元教授の肥田順シェフが現役の頃に写した辻調理師学校創設者の辻静雄氏やポールボキューズとの写真がたくさん飾られている。

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こちらのお店ではプリフィクスになったコースメニュー6000円がお得でお薦め。内容は季節によっていろいろと変わる。5種類ずつくらいある前菜と魚料理と肉料理を好きなように組み合わせる。食後は食べ放題のデセールかフロマージュを選ぶ事が出来るのも嬉しい。最初の座付きはいつものように豚肉のリエットと帝塚山ボネール謹製のパリジャンが出される。

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アミューズは蕪と柚子のポタージュ。穏やかでしんみりとした加減に舌が喜ぶ。シェフに作り方を聞いたところ思いのほか手間がかかっている事にビックリ。2017-01-06-18-10-14

前菜はここ最近一番美味しいと思っているフォワグラ料理をチョイス。肥田シェフのスペシャリティーで店の名前が入った専用の壷に処理をしたフォワグラを入れて蒸し焼きにしたもの。大きなスプーンでこそぎ落として盛りつけられる。見た目の華やかさはないが口に入れると濃厚でフォワグラ特有のネットリした旨味と甘味が口の中に広がる。添えられたドライ無花果を炊いたものとソムリエさんお薦めのニュージーランド産のゲヴュルツトラミネールと一緒に口に入れるとワインの強いアロマがテリーヌと混然となってマリアージュを楽しむことが出来る。

肥田シェフ曰くここ最近、自身が納得のいくフォワグラが入手しにくくなっていて今使っている選び抜いたペリゴール産のものでも満足度90点くらいと仰っていた。今回の材料はフォワ・グラ・ド・カナール(鴨)で世間でよくあるガチョウではない。プロに言わせると上質な鴨のフォワグラは香りとコクが断然違うそう。日本によく入るハンガリーやイスラエル産は焼くと縮みまくると言っていた。

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同伴者は前菜の盛り合わせを所望された。田舎風パテ、無塩バターを添えた低温仕上げの自家製ハム(シェフは3日かけ煮豚と説明)人参とオレンジのサラダ、根セロリのサラダ、リオンの古典的な料理のサーモンとトマトのソルベなど。

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魚料理は年末にもいただいた白子のソテー。焦がしバターとタップナードとレモン果実で酸味の強いパンチのあるソースが特徴。この突き抜けた酸味と輪郭のある塩分がとても口に合う。ブルゴーニュ産のピノノワールと一緒にいただく。

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同伴者は小鯛のじゃがいも鱗焼き(いわゆるメダリオン)でポールポキューズのスペシャリティ。私も何回かいただいたがウロコに模したじゃがいもがパリパリしてとてもいい食感。鯛の身はふわふわでこの仕上がりにはかなり腕利きの火入れが必要。

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此方の店で初めて頂いた鹿の赤ワインソースは今風の言葉で言えば「超ヤバい一品」。蝦夷鹿を数日間赤ワインに漬け込んでソテー。ソースはグランヴヌールで実は初めて頂いた。チョコレートを連想させる茶褐色のソースは鹿肉の骨と肉と筋を炒めてとマリネした野菜ともに出汁を取って赤ワインとワイン酢を煮詰めたものに黒胡椒と生クリームとブルーベリーのジャムを加えたもの。

このソースはとてつもない時間と手間と費用がかかるそうで此方の店以外では食せない一皿。ブルーベリージャムやワインビネガーなど数種類の酢、蜂蜜、胡椒、その他の調味料のどれ一つ突出しないようなバランスに仕上がっているのが特徴。シラーのワインと相性抜群。パンを更にお替わりしてソースを残さずいただいた。

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同伴者の肉料理は羊肉に鶏肉のすり身とキャベツ、様々な香草を合わせたものを巻き付けて蒸し焼きにしたもの。これも以前いただいた事があるが羊肉の下処理と絶妙なる火入れ、トマトベースのソースの美味しさに驚いた記憶がある。

微妙な火入れが必要でなかなか手のかかる面倒な仕事で最近の調理人でこのような料理を継承する人はほとんどいないと仰っておられた。すり身部分もしっとりしてて絶妙に火入れされた羊肉と一緒に味わうと味の濃淡をしっかりと感じることが出来てトマトベースのソースとシラーのワインで最高のマリアージュを見せる。
ザートは好きなものを好きなだけいただける。デザートは好きなものを好きなだけいただける。個人店でここまで揃えている店は珍しい。

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デセールはグレープフルーツのグレープフルーツのコンポート、皮の蜜煮、プリンのようなもの、チョコレートケーキ、パイナップルのタルト、真っ白のコーヒー風味のブランマンジェ、チョコレートケーキ、シャーベット2種など好きなものを好きなだけいただける。

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フロマージュで黄色の青カビチーズはイギリスのスケルトンの近くのもで日本では希少品。そのチーズに合わせて蜂蜜のようにこっくりと甘いデザートワインを合わせていただいた。

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お酒も料理も最後までたっぷりといただいてラディシオンは2人で17000円。肥田シェフと話が出来るカウンタ−席がお薦めです。フランス語を勉強してリオンに行きたいと真剣に思う新年の候。

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大阪市西成区玉出中2-13-31
06-6651-9568

大阪市 玉出 フレンチ

チャイナカウンタ−TAKE【大阪市 心斎橋/四ツ橋】

最近グルメな友人からよく聞く東心斎橋の中華料理店を訪問。畳屋町の昔からある雑居ビルの1階にある。中華料理店だけどシンプルな内装で店舗名通りカウンタ−のみ11席。

こちらが恐縮するくらい物腰の超柔らかいご主人が1人で切り盛り。この場所で8年されていると言っておられた。メニューはその日の仕入れで決定され絞り込んだ12種類のものだけ。他に5000円と7000円(予約必要)のコース料理もあるがこの日はアラカルトで好きなものだけを所望する。

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最初にビールをいただいて前菜3種盛り(800円)をいただく。有頭海老の紹興酒漬けはネットリとした食感が嬉しい。冷凍の外国の海老だけどここまで美味しくなるのにビックリ。ビックリするくらい柔らかい蒸し鶏は辛みの効いた胡麻ソースがかけられる。揚げ物はアンキモで濃厚な味とネットリした食感がカリカリの衣と相まってとてもいい。

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生湯葉と蟹味噌の煮込み1800円は想像していたものとの嬉しい異なりにビックリ。突き抜けて美味しい上湯と玉子と蟹味噌が抜群のバランスでミクスチャーされる。油分が少なくかなり上品で美しい仕上がり。百合根の食感とそのビジュアルも全体のいいアクセントとなってセンスの良さが感じられる。

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牡蠣の炒めは大振りの牡蠣を最初にボイルして、粉を付けて高温で揚げ、炒めて調味する。食材の旨みをしっかり活かした調理を目の前で見る事が出来、完成度の高さと美しさにうっとりする。見て美しい料理は必ず美味しいというセオリー通りの逸品。

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ソフトシェルクラブの炒めはこの店の人気商品。蟹と葱をさっと揚げてココナッツパウダーとパン粉を合わせたものと絡めて炒める。シンガポールや上海でよく似たものをたまにいただくけどぶっちぎりの美味しさ。素材の良さが際立つ。こちらのご主人は福臨門を始めたくさんの東京の高級広東料理店で修行をされ大阪のハイアットリージェンシーのメインダイニング「天空」の立ち上げにも参加された腕利きの御仁。キャリアは凄いのに常に驚くくらいの低姿勢・・・

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鴨肉のサテ醤炒めは干し海老やニンニクや香草などいろんな味がするけど豆板醤炒めよりも優しい味加減。塩分バランスも絶妙。ふわふわの鴨肉の食感にビックリ。こんなに口に合う鴨肉料理をいただいたのは初めて。油の香りも少なくてかなり淡白な味わい。サテ醤はベトナム料理にも使用される魚でも肉でも少し入れて炒めると抜群に美味しくなるアメリカのバーベキューソースのような魔法のソース。インドネシア料理のサテからきていると聞き及ぶ。成城石井とかでも売っていて鍋のつけダレにしてもかなり美味しい。

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甕出しの紹興酒は5年が500円で7年が700円。美味し過ぎてがぶ飲み状態。この日は5年ものを7杯くらい飲みまくる。食事でお腹いっぱいになったので酒肴をリクエストすると目にも鮮やかな茄子の翡翠煮と数の子と切り干し大根の紹興酒漬け、紅芯蕪の酢漬けをさっと出していただいた。。

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デセールの杏仁豆腐の滑らかさと優しい甘さは特筆もの。すべてのものがしっかりと作り込まれていて価格はとてもリーズナブル。。その日によってメニューは変わるそうだけど次回は黒酢の酢豚の注文ををマストにして訪問しようと思う。

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帰りに見た蟹料理のお店の看板がかに道楽そっくり。店の前にいた店員に「パクリか?」と尋ねるとうちの店の蟹は下向きです。との答え・・・(大阪商人の商魂逞しさを見た新年の夜)

大阪市中央区東心斎橋2丁目8-20新日本畳屋町ビル1F
06-6213-9008
17:00〜23:00
日休

大阪市 心斎橋/四ツ橋 中華料理

桜富士山 1月【大阪市 住吉大社】

最近はまりまくっている表記の南インド料理店を今年初めて訪問する。自身の休みの日曜日に開店直後を狙ってチンチン電車を使って訪問する。(細井川駅徒歩3分)店主の玉井さん曰く、今年の正月は住吉大社に参拝の帰りの客で大忙しだったらしい。

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こちらのお店は住吉大社横の住宅街の中の路地の古民家を改装。玄関で靴を脱いでちゃぶ台に座って前栽を見ながらカレーをいただくんだけど、その設えの珍しさを超えるカレーの美味しさは口コミやネットでどんどん伝わっていて最近は平日でも入店出来ない事もあるとよく聞き及ぶ。

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全く内容の異なる数種類のカレーとそのサイドメニューのどれもが美味し過ぎて何度きても飽きることがない。カレーって嗜好品なんで「美味しい」という言葉ではなく「自分の口に合う」と表現すべきなんだろうけど、こちらのカレーには本来もっと適した言葉があるはずなのにというもどかしさをいつも感じる。

この日は仕事は休みなのでまずはサッポロビールとパパド(トウモロコシの粉で作った南インドの煎餅)を出していただく。部屋の中は掃除が行き届いていて塵一つない清潔な空間。

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せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろが入った
七草がゆならぬ七草サンバル(南インドのみそ汁のようなスープ)をサービスで出して頂いた。こういった気配りが嬉しい。正月で疲れた胃がすっきりする。

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この日注文したのはクルチャ御膳1500円。こちらの店主が「クルチャでは絶対どこにも負けへん」と言っている南インド料理の自信作で、界隈のインド料理店でよく見るナンとは食感や生地の味わいなど全く異なる。卵かヨーグルトが入っているような生地の味わいとガーリックの風味と濃厚なチーズの味が口の中で幾層ににも重なりあう。

この日のアチャール(南インドの漬け物)は蓮根と慈姑で小さいものだけど口の中がすっきりする。柔らかく火入れされた「マサラ砂ずり」もサッポロビールにぴったり。

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御膳につくカレーは好きなものを選ぶ事が出来るんだけど、この日は店主が「鰤のカレーのコンディションがいい」とのことなので素直にそれをいただくことにする。フュンネルを中心に青唐辛子、ブラックペッパーなどを使った青い魚と相性のいい南インドのカレーがしばらくして着皿。中に入る新鮮な鰤はシコシコのふわふわ。カレーリーフや様々なスパイスがとてもバランスよく相まってとても滋味深い味わい。

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途中までカレーとご飯を別々にいただいて最後はアチャールと一緒にカレーをお皿にぶちまけてご飯に混ぜ込んでいただくと更に美味しくいただける。見た目よりもあっさりしていて油分も少なくてカレーというよりもスパイスの入った雑炊をいただいているような感じ。もう一皿お替わりしようかと真剣に悩んだ。おいしいカレーいただいて久しぶりに自宅で昼寝しました。・・・・こちらのお店は訪問するときはツイッターで営業確認して下さいね。

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大阪市住吉区住吉2-11-6
近辺にコインパーキングあり

大阪市 住吉大社 カレーライス