ここ最近関西で最も予約の取れない熟成焼き肉の又三郎さんの美人女性オーナーに紹介いただき普段お世話になっている友人と共に福島にある表記の店を訪問。心斎橋の「桝田」、豊中「とよなか桜会」で修業されたご主人がこの地で4月にお店を開かれた。あいにくこの日はカウンターは満席だったので座敷に通していただく。
料理は10500円のコース一本だけ。嫌いなものを告げてまずはビールで乾杯する。開店して数ヶ月なのに家庭画報などのハイソ系の雑誌の取材がひっきりなしと聞き及ぶ。
真っ黒の真の折敷は重厚感たっぷり。店主は35歳なんだけどかなりのイケメン。。。
先付けは最初何かわからなかったがイメージは「黒」らしい。烏賊の湯がいたのに大徳寺麩、キュウリにクコの実を黒ごまの酢であえたもの。。。これは普通に美味しい。。。
二つ目の先付けは岡山のアスパラガスの下は新タマネギのピュレ ちりめん山椒。ぐちゃぐちゃに混ぜて食べるといろんな味がしてとてもいい。
煮物椀の蓋の裏の蒔絵はカキツバタ。。美しすぎ。。。出汁も丁寧な仕事ですっきりしながらも鰹がちゃんと効いている。椀種は車エビのしん薯。卵がしっかり入っていてふんわりしていて海老がプリプリ。上にのっているのは蕗。。。この料理でこの店のレヴェルが充分にわかる。。。
明石の真鯛。。この時期にしてはかなり脂ものっていい素材。天然ワサビも粘度があって上質なものである。重ね盛で5枚。大庭の新芽があしらいとなっている。
かなり大きな赤貝のお造り。生醤油と辛み大根と小口ネギと花穂紫蘇。。
漬けにしたマグロ脂身の瞬間揚げ。。これも辛み大根と金山寺味噌のようなものでいただく。
八寸であるが楽箱というかたち。北海道産の雲丹を乗せた寿司2貫。袱紗玉子焼き、マイクロトマトのゼリー寄せイタヤ貝をマカロンに見立てて中に豌豆の餡を射込んだもの、トコブシの炊いたん、白キュウリと新生姜の甘酢をもずくゼリーに乗せて。いい食材をしっかりと手を加えてより美味しくされておられる。サービススタッフもとても快活で説明も丁寧。純米吟醸酒と共にゆっくりと味わう。
青森産の時知らず鮭の醤油焼き。いい脂があるんだけどノルウエー産のサーモンと違って旨味も充分に感じられる。新レンコンに鞍がけ大根、下に敷かれているのはホワイトアスパラガス。。あしらえの葉っぱは始めて見るものでかすかにワサビの味がする。しっかりとした醤油の辛みがサッパリすっきりとしたタイプの純米酒にぴったり。
酢の物はなすびに白子の豆腐を鞍がけにしたもの。白いトウモロコシを散らしている。最初は黒で最後は白で締めくくる。遊び心満点のセンスに敬服。サーブス担当の若きマダムは新地でソムリエとフロマージュの資格を取ったときに店主と出会い結婚されたと言っておられた。
食事はうすい豌豆ご飯。。釜炊きで残ったものはおにぎりにしていただく。。
デセールはびわにシャーベットを射込んだもの。最後まで手の込んだ献立に脱帽。京都でいただくと2万円はするであろう内容。予約が取れない店になることは必至。
大阪市福島区福島1-6-14
06-6451-2323