2018年08月

ふく吉 8月

ちょっといい寿司を食べたいなという時にいつも訪問する西天満のふく吉さん。界隈に15000円から20000円予算の店がいくつかあるけどご主人の人柄を含めてこの店が一番お気に入り。場所はアメリカ領事館の裏の路地に位置する。

7席のみのすべすべの白木のカウンターは毎日磨き砂で磨いて、ヘチマでこすって最後に牛乳で仕上げると聞き及ぶ。この日はいつものように何もかもお任せコース税別15000円を頂く。

ご主人は北新地の名店「平野」で修行をされ「京都つる家」でも和食の勉強をされているので寿司以外の料理もレベルが高い。特にお椀の凛とした美味しさは卓越したものがある。

レアに火入れした縮緬蛸の三杯酢和えは暑気払いにぴったり。刺身は飴色の天然鯛と平目。続いて好物の石かげ貝と鮑の芯の部分。これらを日本酒と一緒にいただくと至福の時間となる。

謙虚な人柄のご主人はいつもニコニコ笑いながら客の話に合わせていい空気感を作りながら気持ちよく仕事をされる。バリバリの高級店なんだけど全く敷居の高さを感じさせない。。場所柄お客筋もとてもいいので安心して食事ができる。

真魚鰹の味噌漬けは炭火でじっくりと火入れされる。塩梅は完璧で寿司店のレベルを遥かに凌駕する。毛蟹とトウモロコシのペーストを合わせたものは美味しすぎてびっくり。北海道に旅をした気分になれる。いこった炭で皮目だけ炙った沼島の鱧に冬瓜の餡をかけたものと続く。

煮物椀は稚鮎を炙ったもの湯葉等が種としているが主役は品のいい出汁である。柔らかく炊き込まれた蛸にオクラの叩いたものを鞍懸したもの、日本酒の肴としてカマンベールチーズの味噌漬けと小玉スイカの味噌漬けと続く。

品のいいアテを日本酒とともに楽しんだ後は握り登場。鱚の昆布〆は幽けき昆布の香りがとても上品。マグロの漬けは私はパスして剣先烏賊、和歌山の戸塚鯵、頭の味噌が甘々のシラサ海老と続く。

トロトロの食感ののどぐろ、赤身マグロ(パス・・)、石かげ貝、5枚付のシンコと大きな一枚のコハダの食べ比べと続く・・・・・

淡路産の雲丹と修行先の「平野」譲りの煮穴子、干瓢巻きと玉子でフィニッシュ。。お腹いっぱい胸いっぱいの大満足。いつものようにご主人が玄関にてお見送り。。とてもいいお店です。。幸せになれそう・・・

過去のふく吉はこちら 

大阪市北区西天満4丁目11番8号
営業時間:17時〜23時
Tel:06-6809-469


カテゴリー 西天満, 寿司 |

ひろせ 8月

私がヘビーユースする心斎橋の超お気に入りの和食店を訪問。月初に献立が変わるのでそれが楽しみで通っている。店主の広瀬氏の作る腰の据わった大阪ならではの喰い味(客の好みに合わせて甘すぎず辛すぎず濃すぎず薄すぎない塩梅)重視の味付けに独自の工夫を加えた仕事に毎回魅了されている。

お酒をたらふく飲んで美味しいものをしっかりいただいて会計はいつも1万円余り。。コスパの良さやワインをはじめとするアルコールの品ぞろえなど細かなところまで行き届いているのも魅力。

*店主の経歴や店の内容については過去履歴をご覧ください。。

最初にビールで暑気払いをして先付け登場。毛蟹とそうめん瓜と桃の組み合わせ。鞍懸にされた豆腐で作った白酢にはレモン果汁を忍ばせる。さっぱりとした夏らしい逸品。

続いては冬瓜と小芋と金時草/水前寺菜と蕗の炊き合わせ。野菜の上にかかった鯛味噌が秀逸。いつもながら味の加減が素晴らしい。。。

この日のお酒は最初はパワフルで存在感抜群の茨城県の「武勇」無濾過直汲み原酒、いい意味で癖のある山口県の雁木の純米無濾過生原酒、愛知県常滑のこれも飲み応え満点で肉料理にドンピシャの「白老」をいただく。

お造りは大葉を射込んだ細魚、金目鯛、和歌山産の高級魚のアカッポ、蛸のマスタード添え、鱧の落としと焼き霜、和歌山産のとつか鯵の7種盛り。。これだけで日本酒が2合くらい飲めるラインアップ。旬のとびきりの魚を一切れづつ楽しめる贅沢は他の店にはほとんどない。

コースの華の夏椀に入った煮物は新鮮な鰯の真薯。繋ぎが少ないので鰯の旨味も満点で汁の塩梅といいバランスを見せる。この椀の味こそこちらのお店の真骨頂である。あしらえの白木耳や茗荷などの吸い口もいい。

魚料理は新鮮な鱸の炭火焼。火入れも良くて鱸の旨味をうまく引き出している。脂分を補うために卵黄と酒盗を合わせたソースでいただく趣向。あしらえの山形産のだだちゃ豆とセロリのきんぴらもいい口直しになる。

酢の物代わりのいちじくと翡翠茄子のゴマかけ。どこにでもありそうな料理だけどどこよりも仕事が丁寧で美味しい。

肉料理は牛タンのカツ。。牛タンを柔らかく戻すのがかなりの手間であることは周知の事実。野菜とトマトの和風ソースと一緒にいただく。あしらえは甘酢につけた2色のプチトマトレタスとズッキーニのサラダ。

お酒が残っていたので自家製のカラスミと豆腐の味噌漬けを出していただく。こういった細やかな気配りが嬉しい。

食事はこの時期ならではのとうもろこしご飯。醤油のパウダーがかかる。ビジュアルがとても美しい。留椀の加減も秀逸。。

水菓子はスモモとオレンジ。。お腹いっぱい胸いっぱい、大満足のコース仕立てでした。。次月も楽しみです。。。

過去1年間のひろせはこちら

大阪市中央区東心斎橋2-8-23イケダ会館1F
06-7713-0543
17:00~翌0:00
*お盆も営業されているそうです。


カテゴリー 心斎橋/四ツ橋, 和食 |

鮨 こいき

以前は地下鉄谷町線四天王寺夕陽ヶ丘前で営業されておられ、昨年の9月に桃谷駅徒歩5分の住宅街の彼の地に移転された表記の店を友人と訪問。

高級寿司店然とした内装で檜のL字カウンター10席。アテと握りのおまかせコース10800円のみだけどアテの追加や握りの追加など柔軟に対応される。ご主人は1度訪問すると客の名前は完全に記憶され心のこもった対応はとても気持ちがいい。朝の6時に仕入れに行ってそのまま8時から仕込みを始めて12時の終業までずっと店にいるというご主人の寿司にかける想いには頭がさがる。

ビールで乾杯をしてまずはコリコリに活った目板ガレイの刺身からスタート。続いては富山産の白海老に徳島産の雲丹を合わせたものもとても贅沢な取り合わせ。もち鰹の辛子醤油を合わせた刺身と脂ののった泉州の鰯の磯辺巻きと続く。

北海道仙鳳趾産の大粒の牡蠣を昆布締めにしてさっと炙ったものは甘味と濃厚な旨味が特徴。裏旬の真名鰹は塩焼きで供される。あん肝をこっくりと炊き上げたものも秀逸。酒蒸しにするのが常道であるが甘辛さとコクのある肝の味が合間って酒が進みまくる。さらに4時間くらい蒸されて供されるふかふかの黒鮑と続く。

寿司の扉は脂が乗りまくりのコリコリ食感のどぐろから。続いて昆布〆にした鱚、細かく包丁目を入れた剣先烏賊と続く。天然のカンパチ、漬けのインドマグロ(私はパス)、旬の石陰貝はビックサイズでしっとりとした歯ざわり、独特の貝の旨味と風味がしっかり感じられる。シャリは赤酢を使用しているけど上手く2種類をブレンドしているためにありがちな癖とすえた臭いは全く感じない。

天草産の旬の赤雲丹も磯の香りとコクがありまくり。コハダは1枚づけで浅めの締め加減で旨味がしっかりと感じられる。こちらの店のシグニチャーメニューの煮鰻はとろける食感。。オープンしてから昨日まで封印していたとのこと。私がこちらの店に来るとのことでわざわざ出していただいた。今後も提供されるとのこと。釣りの鯵も和歌山産。小ぶりだけど味噌がタップリの泉州産のシラサエビ。皮目を炙った銚子産の金目鯛も鮮度が良く軽く昆布〆にしてあり秀逸なり。

鰯の握りは脂が乗りまくって真っ白けのビジュアル。富山産の白えびをもう一度いただいてオススメの大判の煮穴子は旨味タップリ。さらに目板カレイを追加リクエストして干瓢巻きと卵でフィニッシュ。お茶とともにのし梅とべったら漬けが供される。アルコールはビール2種、こだわりの日本酒、焼酎、ワインなどがどれも良心価格で提供。動けなくなるくらいお腹いっぱいになりました。

大阪市天王寺区勝山4-2-20
06-6779-8823

<p><a href=”https://tabelog.com/osaka/A2701/A270203/27100808/?tb_id=tabelog_99b3bce97581d4cf0ee06d231b5bbdabdfeec5a6″>こいき</a> (<a href=”https://tabelog.com/rstLst/RC010201/”>寿司</a> / <a href=”https://tabelog.com/osaka/A2701/A270203/R10045/rstLst/”>桃谷駅</a>、<a href=”https://tabelog.com/osaka/A2701/A270203/R6490/rstLst/”>寺田町駅</a>)
<br />夜総合点<span style=”color: #FFD700;”>★★★</span><span style=”color: #A9A9A9;”>☆☆</span> 3.0
</p>

 


カテゴリー 桃谷, 寿司 |