30年くらいまえにどういうきっかけか忘れたけど茶道と華道を習っていた。特段面白いと言うわけではなかったけど自分の知らないいろんな茶道の世界を見ることが出来、約10年くらい表千家流のお稽古を続けた。いろいろな茶会にも行った。免状もいろいろいただいたけどそれよりも今はお亡くなりになった先生が大好きだった。若いときから茶道にすべてを捧げ、瀟灑でユーモアがあって機微に聡くていろいろなことを若くして学ばせていただいた。奥様や家族とも仲がよく私のことをいつも気にかけてくれていた。恩返しする間もなく今に至る。
こちらはその当時に一緒に茶道を習っていた社中さんのお店で、昔は錦戸さんという船場の料亭の支店の「是色」というお店だったんだけど今の女性オーナーが買い取ってご自身の名前をつけたお店。錦戸さんも現在は規模を縮小して肥後橋でされているがその流れを汲んだ茶料理の香り漂う佳品を提供するお料理屋さん。私の好きな和食店の3本の指に入るお店である。
場所は帝塚山の高級住宅地の一角で何度行っても迷ってしまう。
献立はお昼も夜も3,800円と6,300円の2種類でアラカルトもいろいろ。この日は6300円のものを所望する。
前菜は梨の入ったなます、生湯葉に柿のペーストを添えたもの、むかごおこわ、菜っ葉のお浸し、合鴨ロースなど。どれも季節感溢れる手の込んだ丁寧な仕事。
大振りの煮物椀は出汁が秀逸。喉からストんと垂直に落ちて鰹(マグロ節かもしれないが)の香りが鼻に抜ける。ハチクとツボ鯛の葛打ち。鯛の品のいい脂が出汁に溶け込んで味にコクと深みが出る。
お造りは天然鯛と剣先烏賊、ヒラマサの3種盛り。お薦めのひやおろしと一緒にいただく。
今シーズン始めての鱈の白子。湯がき立てをおろしポン酢を出汁で割ったものでいただく。日本酒が進みまくる。
脂ののった鰆はシンプルに塩焼きでいただく。ぱりっと焼き上げられた皮と絶妙な火入れされた身は玄人も裸足で逃げる完成度。
この後のメインディッシュアいろいろなものから好きなものを選べる趣向。
私は好物の海老フライをいただく。かなり大振りの海老を使用。火入れも完璧で和食店でこういった上質なものを食せるということに感激。京料理をしっかり学んだ料理長の仕事は品格があり何をいただいても口に合う。
同伴者がチョイスしたのは海老芋の蟹餡掛け。
もう一人の同伴者はつぼ鯛のあら煮。ゼラチンたっぷりで脂のりもよくサイズも大きいので食べ応え満点のよう。
エラ部分の鯛の鯛も普通の鯛の3倍サイズ。
食事はこちらのお店のシグニチャーメニューの土鍋炊きの「大豆ごはん」。男性3人なので多めに炊いときますね〜という女将さんの優しい心遣い。煎った大豆が香ばしくていくらでも食べれそうな感じ。
デセールは自家製の白玉餡。上品な甘さで口直しにぴったり。ごちそうさまでした。。
大阪市阿倍野区万代1-4-21
06-6624-2468
営業時間: 11:30~14:00 17:00~21:30
うちの飲食店でも鯛をたくさん扱うために鯛の鯛(魚が胸鰭を支えたり動かしたりする部分の骨で鯛の形をしていることからそういわれる。縁起物として財布に入れるとお金が貯まるといわれている)がたくさんでるので福井の漆屋さんに漆塗りをしてもらい友人の宝飾デザイナーの先生にお手伝いいただき鯛の鯛ネックレスを作製。すべて自然のものなのでかなりかっこいいです。12月からの販売予定。手作りなので少し時間はかかります・・・