蕎麦

ぐーちょきぱー 8月

表記の大阪唯一のそばがき専門店を訪問。JRの東部市場前から徒歩15分。周りにはコインパーキングもない完全住宅地にある飲食店をするには超悪立地。

ここ最近何度か訪問してこちらのそばがきとお店の空気感と店主のふーちゃんの大ファンになる。ふーちゃんは大正にあった(現在は和歌山の山の中に移転)名店「凡愚」出修行され蕎麦ではなくあえてそばがき一本でこの地でされている。

店内は古材を使った瀟洒な造り。具体的には訪問すれば判る・・・

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ランチタイムは酵素玄米のついたランチセットがお薦め。圧力釜で玄米を炊き上げて保温ジャーで保存。この日のものは10日目と言っておられた。モチモチした食感がクセになる。レトルトパックしたものをよく買っていただくんだけど味わいは全く異なる。

酵素玄米と一緒に供されるのは鶏肉と胡瓜の和え物と梅干しや昆布をポン酢に漬け込んだもの、いぶりがっこなど手作り感満載のご飯のお供盛り合わせ。古物の塗りのお膳や骨董の皿なども美しい。

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そばがきは5段階の引き加減からチョイスが出来る。オーストラリア製の製粉機で「少し大きな音が出ますよ〜」とのことだが全く気にならない。それを手つき鍋で根気よく練り上げる。出来立てはふわふわで山葵醤油に付けていただくとより甘味が引き立つ。消化にも良さそうでありがちなもそもそ感や嫌なネッチョリした感じや喉に詰まりそうな感じは全くない。

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時間をおけば少しずつ固くなってきてそれを継ぎに出てくる鴨汁に入れて食す。修業先の凡愚仕込みのかも汁は言葉を失うくらいの美味しさ。器の美しさもあってとても贅沢な食事である。

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サービスで自家製の粒あんを出していただき残ったそばがきにまぶしていただく。当然不味いわけがない。。

2016-08-17 12.23.30

デセールは蕎麦湯で作ったかき氷に柑橘のコンフィチュールを乗せたものが登場。店主ふーちゃんとの会話も楽しいし常連の客も楽しく親切な人ばかり。今年のスマッシュヒットのお店です。

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大阪市東住吉区杭全8-6-4
06-7710-1913
11:30-14:00ラストオーダー
17:00-20:00ラストオーダー
定休日 日・月・火


カテゴリー 東部市場前, 蕎麦 |

蕎麦切り 大城

鶴ケ丘にある表記の店を訪問。数ある蕎麦屋さんの中で私が最も好きなお店なんだけど訪問は半年ぶり。場所はJR鶴ケ丘駅から徒歩3分。住宅街の一軒家で見落としそうな小さな看板が目印。駐車場は2台分。周りにコインパーキング多数あり。

整然とされた前栽を通り、重たい木の扉を開けて大きな石臼のあるエントランスを抜けると客席に出るという料亭のような造り。昼間はシニアの方やご近所の奥様グループが多い。

こちらはいつ訪問しても満席なんだけどこの日はお気に入りのカウンタ−席が空いていたのでそこに通していただく。忙しくても座るときにはさりげなく椅子を引いてくれるのが嬉しい。そのあと冷たいそば茶と分厚いお絞りが供される。

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特等席のカウンタ−からは良く手入れされた中庭が見える。綺麗な花や野鳥の姿を見ながら食事が出来るというのは最高の贅沢である。窓枠を通して一幅の絵のように見える景色にいつも見とれてしまう。

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ほどなく盛りそば登場。この日の蕎麦は北海道の沼田産とのこと。見た目は野趣あふれた曳きぐるみの玄蕎麦なんだけど食せばとても甘くて瑞々しくコシもしっかりして飲込んだあとに上品な蕎麦の香りが喉から鼻に抜ける。ありがちなもそもそ感はない。

蕎麦はボリュームもしっかりあって食べ応え満点。半年ぶりにいただいたんだけど訪問するたびに蕎麦が美味しくなっている気がする。

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好物の海老の天麩羅もビッグサイズ。塩を付けたり蕎麦汁を付けたりしながらバクバクといただく。蕎麦湯も美味しくて完食してしまう。

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いつも客目線ですべての料理を作られるのに敬服する。メニューは何を見ても食べたいものばかり。季節ごとの限定メニューや様々なセットメニューもあってあらゆる世代に上質に対応される。

そして最も特筆すべきはこちらのお店の南果歩さんそっくりのマダム。6年前くらいから通っているんだけど容姿が全く変わらなくてどんどん若くなっている気がする。客が入ってくると大きな声で率先してご挨拶。スタッフ教育も抜群でいつも心からもてなしてもらってるという気持ちになる。

夜は季節の食材を使った小料理と蕎麦でお酒を楽しむことが出来る。繁盛店なんだけどカウンタ−に座って庭を見ながら盛り蕎麦を食べていると信州の田舎に旅行に来たような錯覚に陥る。

言い古された言葉だけれどもまさにこちらは「都会のオアシス」なり。

大阪市阿倍野区西田辺町2-6-13
06-6691-0046
営業時間 11:00~14:00 17:00~21:00
定休 火曜日 第2第4月曜日


カテゴリー 鶴ヶ丘, 蕎麦 |

そばがき屋 ぐーちょきぱー 7月

先月の昼になんとなく訪問し衝撃的な感動を受けた表記のお店を再訪する。夜にゆっくりと日本酒をいただきながら美味しいそばがきをいただくため今回は自宅から天王寺を経由して初めて乗車するJR大和路線で東部市場前という駅で降車して徒歩10分。

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東住吉区の端っこのかなり辺鄙な場所にこのような瀟洒な店があるということ自体がユニークでお店の細部を見れば見るほど見どころ満載のセンスの良さが伝わってくる。接ぎ木で作ったテーブルの横の壁にはこちらの女性店主が修行された大正区の伝説の名店「凡愚」のご主人からいただいた絵が飾られる。古材を使ったドーム型の天井の意匠も見れば見るほどよく出来ている。お店のあちこちにさりげなく飾られたものがお店に自然に溶け込んで用の美を形作る。

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よくありがちな「可愛い〜」という褒め言葉ではなく、品よく自然に見える内装はいい勉強になる。食器も友人の作家さんに作ってもらったりオールドガラスを骨董市で買ったりしたり店主のお母さんが趣味で集めた古物と聞き及ぶ。棚には古九谷や古備前の器がさりげなく飾られている。

最初にサッポロ瓶ビールでのどを潤してから店主セレクションの日本酒とともにお任せコース仕立てでいただくことにする。

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前菜の人参のマリネには赤玉ねぎのみじん切りと煮豆が添えられる。茄子のオイル漬け、シシャモのみりん干し、板山葵の盛り合わせ。地味だけど上質感溢れるものばかり。朱塗りの器も美しい。

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さらっとした福井の辛口のお酒がこの時期にぴったり。続いて看板商品のそばがきを所望。蕎麦粉を目の前のヨーロッパ製の製粉機というかミルで挽いてくれるのだが挽き加減を5段階で選ぶことが出来る。その荒さで出来上がりの食感と味が異なるのは前回のランチ訪問で確証済み。

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蕎麦は福井県の丸岡産のものを使用。今回は一番滑らかな1番を所望する。細かく挽かれた蕎麦粉を小鍋に入れて水と一緒に練り上げる。

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出来上がったものを擦りたての山葵、塩、葱醤油でいただく。挽きたて出来立てのそばがきはフワフワのトロトロで、世間一般的にイメージするそばがきのもそもそ感や嫌なネッチョリ感は全くない。打ち立ての蕎麦よりも個人的には美味しいと思う。山葵や塩、醤油を付けることで甘味が更に引き出される。
透明感のある洗練された蕎麦の香りが飲みこんだあとに喉の奥から感じられる。

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お酒のあてに豆腐の味噌漬け。。。不味いわけがない。。器も素敵過ぎ・・・

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昆布に蕎麦味噌を塗って焼き上げたもの。日本酒を中毒になったように飲みまくる。・・・魚の形の器は和歌山の作家さんのものらしい。

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味噌の残りがへばりついた昆布ははさみでカットしてくれるのでそれをしがみながら日本酒を更にいただく。。食事内容もさながらお店の内装や供し方までが素敵すぎる。こちらの女性オーナーの人柄と温かさとセンスの良さが空間すべてを支配する。

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続いて3番目の荒さで挽いて小鍋で練り込んで作ったそばがきを油で揚げた「揚げそばがき」も初めて頂いた。。素朴で優しくて雑味がなくて蕎麦独特の香りがそよ風のように脳幹を刺激するが決して嫌な感じではない。これだけを100個くらいいただきたくなる欲求にかられる。

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ミネラル感たっぷりの白ワインを揚げそばがきにあわせる。夏の夜にぴったりのマリアージュ。グラスはアンティークでお酒を入れると更に美しくなる。

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メインディッシュのそばがき鍋が登場。。鴨肉や茸も入って身悶えしそうになる美味しさ。今年食した食事の中でマイグランプリなり。

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細かい説明は不要で上質の昆布と鰹節と鴨肉と出来立てのそばがきの取り合わせはこれ以上はないと思える食材のコンストラクションである。

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店主お薦めの純米酒を炭酸で割ってミントを入れていただく。お鍋にぴったりの夏酒なり。

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鍋の出汁を少し残してそこに発酵玄米を投入。玄米を炊いて60度で寝かせるとモッチリした食味になる。木村拓哉やローラや石原さとみさんが食べているので有名。これを雑炊に使用するとは何とも贅沢な〆であろうか。

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人参のぬか漬け。。。御上手です・・

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デセールは蕎麦湯のシャーベットにマーマレードを乗せたもの。どこまでこだわる・・・楽しくて美味しくて飲み過ぎて、まさに桃源郷のようなお店に大満足。。

前回ランチタイムでいただいた記事はこちら

大阪市東住吉区杭全8-6-4
06-7710-1913

そばがき屋 ぐーちょきぱーそば(蕎麦) / 東部市場前駅平野駅(JR)

夜総合点★★★★ 4.5


カテゴリー 東部市場前, 蕎麦 |