青年会議所の後輩が昨年卒業したので慰労会を表記の店でこじんまりと行なう。名だたるレストランがひしめく激戦区の北浜界隈で一番好きなお店。
全席で30席くらいで8席の個室もある。今回は個室を使わせて頂き昔話に花を咲かせる。美人のマダムをはじめとする従業員さんのサービスもていねいでレストランで食事をしている気分を盛り上げる。
ディナーコースは6300円、8400円、10500円でこの日は8400円で御願いする。まずはビールで乾杯。。。シェフはホテルプラザの「ル・ランデブー」で22年間のキャリアを持ち、ステファン・ランボー氏と共に南仏の二ツ星レストラン「ロワジス」の開業も手がけたといわれる伝説の人。
アミューズはカリフラワーのブランマンジェ。その上にホタテ貝がのっかってカラスミがかかっている。この場合のブランマンジェは白い食べ物という意味であろうと推察する。とっても滑らかで優しいお味で胃壁を刺激する。
その横のココットは鮑のエスカルゴバター焼き。。見たまんまのお味でビールにぴったり。
最初の前菜はオマール海老のソテーソースアメリケーヌ。。。クラシカルな料理なんだけどエビは生きたものだから当然プリプリのコリコリ。濃厚なソースなんだけど後味は限りなく軽い。
パンは安堂寺町のブーランジェリー・グウ (BOULANGERIE gout)
料理がおいしいと会話も弾む。。。
2番目の前菜はサラダ仕立て。一番奥は聖護院蕪をつぶしたものととオマール海老の身をミキシングしたもののルクセルで抜いたもの。京都の野菜名人の樋口さんの農園からの直送。上品でエッジが効いていて蕪が蕪以上においしくなっている。まるで梨を食しているかのよう。
この野菜の生産者である樋口氏は京都の有名な料亭御用達の農家でとてもこだわりをもつ(言い換えればヘンコ)方で1年前に友人の結婚式で偶然隣の席になりいろいろお話をさせて頂いた。
真ん中の根セロリで作ったソースもかなり美味しいし紫色のブロッコリーやカリフラワーとブロッコリーのあいのこのロマネスコも美味しかった。魚介は明石のタコとイイダコ、絶妙な火入れのホタテなど。
野菜のおいしさをソースで最大限に引き出すシェフの力量にいつも感心する。この料理を食しにこの店に来ていると言っても過言ではないくらいいつも楽しみにしている一皿。
ソムリエ推薦の白ワイン。いい値段だけど記念日なので奮発する。ソムリエのかたのサービスもとてもよく料理をサーブするタイミングが絶妙かつ説明もとても丁寧であらゆる点で目配りがとっても行き届いている。
エビのビスク。。。エビ好きの私にはとても嬉しい。一言で言えば凄く濃厚なスープで口に入れるとオマールエビが襲ってくる。しかし後味はすっきりでエビ特有の雑味は一切ない。
最下層に玉ねぎのプリンがありそれをすくいながら頂くと言う感じ。
タラとハマグリ、白子のブイヤベース仕立て。シンプルな料理なんだけど味わいは水深1万メートルのマリアナ海溝よりも深い。
ビネガーをふんだんに使ったトラディショナルなソースはホテルプラザ出身のシェフの方の真骨頂。パンを使ってソースまですべていただく。
ここで赤ワインに切り替えて。。。と、このワインはとても秀逸。。ワインの価格と味わいは正比例することを最近特に実感する。特にソムリエのいらっしゃるレストランでは特にそう感じる。
肉料理はいくつかの種類から選ぶことが出来る。私はシャラン産の「ヴュルゴ家」の鴨のロティを所望。
青森産の銀の鴨もたまにあるのだけどこの日は入荷なしとのこと。シャラン産はあちこちでよく見かけるがヴュルゴ家の鴨はほとんど見かけないいわゆる窒息鴨で育てるのにかなり残すとがかかると聞いたことがある。ひと月に600羽くらいしか出荷出来ないとも聞く。
久しぶりにこの鴨を食すが交雑の鴨やクルセルや青首(サルセル)とは違うなとひとりごちする。
友人は黒毛和牛のヘレ肉。
もう一人の友達は北海道産「阿部さん」の蝦夷鹿のロティー。狩猟名人の阿部さんは肉が傷つかない撃ち方ができるゴルゴ13のような人らしい。
シャーベットはハイビスカス。。。とてもさっぱりする。
デセールもお選び。リンゴのポッシェタルトタタン風スパイス風味のアイスクリーム添えを頂くが写真を撮り忘れる。
友人は玉露アイスのパフェ。これがこちらのお店の一番人気。シェフがサービスで作ってくれたプレート。。いい記念になる。後輩君も大喜び。
中はこんな感じ。。この盛りつけはロワジスのデセールで同じようなものを見た記憶がある。クオリティーは確実にこちらのお店の方が高いし繊細。
洗練された内装、とにかく素晴らしいレストラン。程よい緊張感とリラックス感、イタリアンにはないおいしくて華やかな料理は記念日にぴったり。お店に流れる空気もご馳走である。
最後のお茶にワゴンサービスで小菓子が登場。フルーツケーキ・メレンゲ・マシュマロ・カシスゼリー・バニラマカロン・ガトーショコラ・パウンドケーキ、金柑シロップ全て一口サイズでとっても可愛らしいお菓子。
いつも思うが数あるフレンチレストランの中で私的にはデセールNo.1はこの店。
最後は、シェフが登場しご挨拶と、お店の外まで出てきてのお見送り。気がつけば3時間が経過。。ごちそうさまでした。
大阪市中央区今橋2-1-10 ダイセンビル1F
TEL:06-6208-1808
定休日:月曜日
営業時間:昼 11:30~14:00
夜 17:30~20:30
地下鉄 北浜から徒歩2分
ラ ペティ ロ アラ ブッシュ (フレンチ / 北浜駅、なにわ橋駅、淀屋橋駅)