岡山市内の表記の和食店を友人と訪問。新大阪からのぞみに乗って岡山駅から徒歩10分(タクシーで5分くらい)。伺うのは今回で3回目となる。
黒い壁の外観と入り口には八角形の赤いものが描いてある暖簾が目印。凛とした店内は檜のL字形のカウンター8席と他に個室が有り。
店名の「食い切り料理」は大阪の割烹で昔よく使われた言葉で「持ち帰らずにその場で全ていただける過度な飾りを排した献立と素材を生かした調理法の事で、いわゆるカウンター割烹スタイルの大阪料理の事」と記憶する。
ご主人は若い頃に大阪心斎橋の名店「梅市」で修行され、その修行先への思いを込めて「喰い切り料理」と名乗っていると推察される。
コース料理は30000円から。地元岡山の食材を中心に、客がその時期に食べたいと思う食材を使った料理を出来立ての状態で提供される。完全おまかせだけどアレルギーや嫌いな食材は事前に聞いて頂ける。客ごとに提供される献立や料理の量、器や盛り付けが異なるのも面白い。
最初にこの日使用される兵庫県浜坂産の名残のズワイガニのプレゼンテーション。1.5kgサイズの立派なもの。これを冬場は3月末まで毎日仕入れされている。
先付けは、ほうれん草、青菜、水菜などの野菜を細かく刻んで混ぜてその上にカリカリに揚げた蕗のとうをかけたもの。
続いての岡山産のシャコはこれから旬を迎える。最近見かけなくなった気がする。生姜醤油で爪の部分まで美味しくいただく。
煮物椀の蟹真薯はふわふわ食感で箸を入れるとすり身の中からズワイガニの身が溢れ出る。出汁の淡味は修行先の梅市と似た味わい。あしらえものなどは一切ないのが食い切り料理の真骨頂。
刺身は鯛のお腹部分と岡山で取れる小さな烏賊。このイカは初めていただいた。
続いてダイナミックに切りつけをされた鰆の刺身登場。わさびと大量の大根おろしが添えられる。
蟹のミニしゃぶしゃぶ。出汁に蟹味噌がたっぷり入っているので最後の一滴まで飲み干した。
ズワイガニの甲羅に湯がきたての身をたっぷりと詰めたもの登場。こちらの店のスペシャリティ。加減酢もかなり柔らかい。蟹身だけでお腹いっぱいになる。
脂のよく乗った分厚いのどぐろの身を塩焼きにしたものをポン酢でいただく。厚めにカットされたかぶらと一緒にいただく。
和歌山産の巨大な「くつ海老」を唐揚げにして餡をかけたもの。2キロ以上の大きなもので初めて見た。
あっさりした地元産の舌平目の煮物。新鮮なので身は弾けてぷりぷり食感。。ねぎとの相性は抜群。もっと食べることができるなら続きでヘレ肉のステーキを用意されているようだったけどもう満腹となる。
食事はたくさんの中から選ぶことができる。最初にご主人が手打ちされた蕎麦をいただく。バリエーションとして、ざる、おろし、とろろ、海老の頭の味噌の入ったスパイスカレーざるなど。二八蕎麦だけど薫り、食感が良くこれだけで専門店が出せるレベル。
鰻ご飯も秀逸。このほかにも梅バターごはん、カレーライスなどがある。
デザートはいちごのミルク仕立てをいただく。どの料理も気取りなく盛り付けられていて美しい。
デザートはほかにも「せとか」「デコポン」などのフルーツと抹茶シャーベット、ココナッツシャーベット、最中、プリン、ぜんざいなど。
お酒も岡山のものを中心にたくさんいただきました。ワインセラーにはオーパスワンなどのアメリカの高級ワインなどが大量にストックされる。ワインの値付けはかなり優しくて良心的。どの料理も素材感とパンチを感じる内容で工夫もありとても美味しかった。今回も大満足で店を出る。ごちそうさまでした。
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岡山県岡山市北区弓之町12-6
086-226-8484