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Il Povero Diavolo イルポーベロディアヴォロ 6月

最近、虜になっている木津市場横にある魚だけを使用するイタリアンレストラン。月に一度訪問する。シェフの独創性と芸術性と味の良さにひかれて全く飽きることがない。まさに中毒状態・・・この日はコース料理にお任せのワインをつけていただいてこの店のすべてを楽しむ趣向。

スタートはヴェネト州のさっぱりとしたスプマンテを頂く。

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最初は以前にも頂いた「豆と鱧」。骨切りをして燻煙火入れをしそれを凍らせてから削ってパウダー状に乾燥させた鱧と豆をペースト状にしたもの。三度豆や豆のペースト、豆を粉状にしたもの、泡のソースは出汁の味がする。全体をかき混ぜて食すバランスのいい相性を見せる。一品に費やす手間に驚愕。

すべてを頂くといきなり眼をあけたまま空を飛ぶ夢を見ているような感じに捕われる・・・・・・スプマンテとのマリアージュもかなりいい。創作料理のようだがミシュラン一つ星の北イタリア、リミニ州の同名本店から暖簾分けを許された実力を持つ若きシェフの実力は異なる食材の相性を科学的に考察し、調味料やハーブを触媒としながら緻密に論理性を確立しながらつくられるので何を食しても美味しい。食器はすべて暖かみのあるイタリア製の「ヴィルジニア カーサ」。

芸術家のようなシュッとした容姿の若きシェフは物腰が柔らかでとても不思議な印象。

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「真鯛とトマト」西瓜のマリネのソースが秀逸。玉ねぎのパウダーがなじみの良さというか食べやすさに一役かっている。食材は当然となりの木津市場から入手。皿をキャンバスに見立てて変幻自在の盛りつけもかなり楽しい。

この料理には「レカニエッテ オッフィーダ ペコリーノベロニカ2012」をあわせる。華やかな柑橘系の香りと酸味があり、あとからしっかりとしたコクが感じられる。

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「貝とはっさくと茄子」貝はサザエと今が旬の鳥貝と北寄貝でどれもが新鮮きわまりない。底に敷かれたサザエの肝のソースの苦みと焼き茄子をペーストにした苦み、はっさくの身と白い皮の苦みを合わせる高スペックな取り合わせに脱帽。透明のジュレもはっさくである。ビジュアルも強烈な個性を持つ。これは味の芸術作品である。

この料理にはサンタカリーニナヴェルメンティーノを合わせる。

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「蛸と椎茸」やわやわに炊かれた蛸と椎茸の刻んだものを合わせた和風な感じのものだけど全くのイタリアンに仕上げているのが素晴しい。ジュレというかソースが椎茸とスモモのコンフィチュールで仕上げたもの。

この料理は蛸料理に合う赤ということでデルバテッレのピノネロをあわせる。

かなり豊かな果実実とカシスの香りが特徴。酸味と軽いタンニンも感じられかつ滑らかでコクのある上質のイタリアワインらしいもの。

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「ヤマメとアーモンド」はそれぞれをミックスブレンダーでペーストにしたもの。ヤマメのペーストは生まれて始めて頂いた。その上の野菜の付け合わせはメロンとエストラゴンのジュレを今が旬の加賀胡瓜に閉じ込めたもの。カタバミの葉っぱの酸味もアクセントになって青梅の味もする・・・

この料理にあわせるワインは白のヴィンテージ・トゥニーナ。今やイタリアの白ワインの造り手としてナンバーワンと言われるイエルマンのもの。
辛口の重口でコクもあって蜂蜜や果物のようなアロマも強く感じる。かなりエレガントかつ個性的で複雑な味となっている。

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「鯉と大豆」イタリアンで鯉料理を始めて頂く。自家製のきな粉と合わせる和風テイストのセンスが強烈。黒酢と実山椒のソースでコクをつける。甘夏の小さな苦みと甘味も味に深まりを持たせる。地味であるが本日一番のアーティスチックなエナジー溢れる料理である。これぞ新時代のイタリアン。壁ドンされて押し倒されてしまうような衝撃。

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この個性的な料理に合わせたのはメニューにはないサン・パトリニャーノ AVI(アヴィ) 2008。濃いガーネット色でスミレの花の香りとプラムのような酸味っぽい香りとナツメグ、枯れた木の香りというか三菱鉛筆の香りがする。骨格がしっかりしていて苦すぎず軽いタンニンも感じられる。

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「シャコと三つ葉のパスタ」パスタは太麺の「マンチーニ(Mancini)」しっかりとしたコシがあり噛み締めると小麦の味がする。三つ葉が懐かしい味でいい香りがする。シェフは三つ葉をハーブに見立てているのであろう。とても繊細で前衛的・・・

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メインの「鰆とトウモロコシ」鰆の火入れがいつもながら完璧。いわゆるミキュイと呼ばれるもの。皮のぱりっとした部分ととうもろこしのソースと実とポップコーンでつくったメレンゲの組み合わせは心の中に指を入れられたような衝撃。

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最後のワインはブルゴーニュ。これもメニューにないものを出してきてくれた。マコネ地区の中で最も有名なA.O.Cの一つの「プイィ・フュイッセ」。

明るめのレモンイエロー で柑橘系の香りとリンゴや花、ナッツの香り、軽くスパイスの香りも感じられる。ミネラル感もありながら樽も効いていて豊かでコクもあり果実味たっぷりの繊細で上質なシャルドネらしい吸い込みのいい個人的にも大好きな味感。これぞブルゴーニュのシャルドネといった感じの白。

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「ベリーとストロベリー」甘くて酸っぱくて冷たくて苦い。ベリーのソルベがいい口直しになる。

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最後は杏仁豆腐のホワイトチョココーティング。下はクラッシュしたクッキーと杏。
多分ホワイトチョコはヴァローナのフェーブイボワールであろうか。間違っていたらごめん・・・

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気がつけばすでに3時間経過・・・この日も楽しく頂きました。

最後にシェフが自身の手書きメニューを見せてくれた。了解を得て公開してます・・・・
大阪市浪速区敷津東2-2-1-317 なんば木津まち横丁「○(エン)」内
TEL:06-4395-5150
営業時間:18:00~23:00
定休日:水曜日


カテゴリー 大国町, イタリアン |

イルポーぺロディアヴォロ 6月

私のボストンマラソン完走のお祝いを友人が最近私が虜になっている木津市場横にあるイタリアンレストランで開催いただいた。28才の鬼才シェフと若いサービス君と2人3脚で創作性とエナジー溢れる料理を提供されるのだけど最近毎月訪問している気がする。

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乾杯はベラビスタ。イタリア最高峰のスパークリング。軽やかで強すぎない泡とバニラと花の香り、フルーツの甘さと酸味がバランスよく飲み疲れしない上質な飲み口。

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スタートは「豆と鱧」。いつも素材しか説明がないのが逆に楽しい。シェフが学んだイタリアの修業先のレシピをベースに季節の魚と野菜にこだわり異なる食事の相性や調味料を緻密に組み立てて創意に満ちた逸品を繰り出される。ちなみにシェフの得意料理は鳩料理と聞いた。パウダー状に乾燥させた鱧と豆をペースト状にしたものやその他もろもろをあわせたもの。全体をかき混ぜていただくと食材同士のマリアージュがしっかり感じられる。すべての料理の調味料に鰹、昆布、味醂、酒を一部使用するためにどれもがなじみのある味感となっている。

食器はすべてイタリア製の「ヴィルジニア カーサ」この店の料理に合った温かみが伝わってくるもの。

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「イサキと玉蜀黍」新鮮きわまりないイサキをレアに火入れしたものに玉蜀黍の粒とそのソース、ベビーコーンを合わせたもの。魚にかかる粉も玉蜀黍。淡白なイサキの身に絶妙の塩加減を感じる。本場のイタリアンのようなエッジの効いた加減でワインがよくすすむ。塩分が弱ければぼんやりした料理になる。ここまでギリギリ強めの塩加減ができる料理人は珍しい。その分あっさりとした後口になるような工夫があるのも素晴しい。

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「大貝とサザエとはっさくと茄子」この料理も強烈な個性を持つ逸品。貝はどれも新鮮きわまりないもの。茄子は焼き茄子にしたものと焦がしてソースにしたもの。はっさくの身の部分と皮の白い部分の苦みを活かしながらテクスチャーを組み立てている。プロの目から見たら卓越した味覚を兼ね備えた芸術作品である。

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「剣先烏賊と葱」マリネされた新鮮な烏賊とそのゲソと墨を合わせてフライにした付け合わせ。昆布の味がどこからかするんだけどよくわからない。日本ならではの懐かしい味とフェミニンなテイストが大阪のイタリアンの新時代の到来を予感させる。

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サービス君お薦めのコスタデルベント。この店ではかなり高級なものでビジュアルは濃い目の黄金色でいい艶がある。香りはかなりふくよかでしっかりとした強さとボディもありナッツの香り、完熟フルーツ、ドライフルーツ、スパイス、柑橘の香りがあり時間の経過とともに変化があるのがとても楽しい。後味もかなり長く洗練された上等のイタリアワインの見本のような感じ。

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「穴子と胡瓜」はとてもなつかしい味。トロトロに煮込みきった穴子は和食のテイスト。付け合わせの胡瓜とは味の異なる胡瓜のソースも完成度が高く添えられたハーブもとてもいい仕事をする。様々な食材を焼いたり蒸したり揚げたりペーストにしたり乾燥させたり泡にしたりとわざと焦がしたり・・・そこらにあるイタリアンのシェフとは感性のレベルが違う。

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「蛸と三つ葉」は小さく刻まれた明石産の蛸が光る。これも塩加減が絶妙で和素材の三つ葉を使うところがポイント。パスタの食感も素晴しい。

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「甘鯛と玉ねぎ」はじゃがいもでコーティングされてフリットにされた甘鯛に玉ねぎでつくられたソースと玉ねぎのシャーベット。。。ユニークで繊細なセンスに脱帽。面白くて美味しくて感動のある料理にうっとりする。

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スタッフ君がメインディッシュの前にとすすめて頂いたアルザスのクリスチャン・ビネールを所望する。長期熟成な濃密な香りと豊潤なスモーキな味わいは白ワインと思えないくらいのもの。

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メインは「鰆と蕗」絶妙に火入れされた鰆と煮込まれたものとソースにされた蕗とあしらえの葉っぱとの組み合わせが絶妙。ほろ苦いソースとハーブの苦みをチョイスされたワインがしっかりと締め上げる。魚介だけでコースを組み立てる難しさのなかしっかりとパンチのある内容となっている。

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デセールの「ベリーとストロベリー」甘くて酸っぱくて冷たくて苦い・・・としか言いようのないもの。

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「杏仁豆腐」 とだけ言って立ち去るスタッフ君。これも驚きの仕掛けがあるがここでは内緒にしておく。気がつけばすでに3時間経過・・・この日も楽しく頂きました。

大阪市浪速区敷津東2-2-1-317 なんば木津まち横丁「○(エン)」内
TEL:06-4395-5150
営業時間:18:00~23:00
定休日:水曜日


カテゴリー 大国町, イタリアン |

Il Povero Diavolo(イル ポーベロ ディアヴォロ) 再訪

2週間前に訪問し、感動のために帰りがけに再度の予約を入れた個人的本年衝撃度ナンバーワンのイタリアン。場所は大阪の卸売り市場の「木津市場」の東隣の阪神高速の高架下に2013年10月にできたグルメゾーン「なんば木津まち横丁○(エン)」の一角。御堂筋線の大国町や今宮戎駅から徒歩5分くらいだけど、この場所は繁盛イタリアンがあるような立地ではない。

夜は人通りがほとんどないために新しい店が出来ては潰れ出来ては潰れを繰り返しこちらのお店以外はこの日もほとんど人がいないような状態。空き店舗も多数。こちらの店もプレハブ造りで入り口はビニールシート。しかしながらデザインがしっかりと入っているのでチープさは全く感じない。テーブルやイスの調度品から壁や電灯の色まで計算し尽くされた店内は見ているだけでとても楽しい。シェフに聞くとビックリするような内装代でした。コースはこだわりの7500円のみ。

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この日は飲食関係の友人3人と一緒に相伴する。ビールを頂いてまず最初に出てきた料理が「黒ムツとカブ」この時期に脂がのって最高に美味しい黒ムツは木津市場でその日に吟味して仕入れたもの。ソースは黒ムツの肝をペーストにしてかつお出汁と合わせたもの・・・と思う。ココナッツの味もする・・・サービス君もとても若くて明るい・・提供時は食材しか言わないのでどうやって作るとかソースの解析など話題に事欠かない料理である。すべてが魚料理で且つ和風のエッセンスが入ってとても馴染みやすい。つい「うわっ」と声が出る食味である。お箸もあるのでとても食べやすい。

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最初のワインは前回も頂いたラバスコロザートラサリータ2013 モンテブルチアーノ種のロゼワインでしっかりしたボディで強烈なアタックがある。春らしくて綺麗でとても素敵なんだけど今まで飲んだ事のあるロゼワインとは完全に一線を画すものである。

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「マテ貝 あさり さざえ さざえの肝」磯の香のする泡のソースなんだけど底にサザエの肝のペーストがあって驚きの連続。。舌がビックリするというか頭がついていけないような今まで食べた事のない美味しいソース。

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「ヒイカとアスパラガス」ウイキョウとほうれん草のソース。ウイキョウ(フェンネル)の強い芳香がとても刺激的。

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ワイン二本目は思い切ってこちらののお店で一番高額な白ワインのヴィンテージ・トゥニーナを所望する。今やイタリアの白ワインの造り手としてナンバーワンと言われるイエルマンのもの。

冷やし過ぎ厳禁で一口頂くと辛口の重口でコクもあって蜂蜜や果物のようなアロマも強く感じる。シャルドネや、ソービニオンブラン、あと樽香のある知らない品種のものを混ぜまくっているのでかなりエレガントなんだけど個性的で複雑な味となっている。「あっ飲みやすい・・」と言った感じではない事は確か。

ジャケットもエッチな感じでなかなかエキゾチック(死語?)感を増幅させる。

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最初の主菜は白身魚を揚げたもの。魚は10kgオーバーの大ヒラメ。この時期によく獲れる。3種のソースは柚、マーマレードか金柑?、蕎麦茶。和のテイスチャーがしっかりと組み込まれているて且つ盛りつけは斬新かつシンプル。

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お店はこの日も当然満席。テーブルが3つとカウンターのみなので予約は取り合いになる。

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「鰆とオレンジ」。しっかりと脂ののった鰆とオレンジのソースの相性が素晴しい。

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一見カンナ屑のような料理が登場。旬の桜鱒をさっと薫製にして冷凍にして薄く削る。それを紅しぐれ大根の甘酢漬けの上にかけたもの。ぐちゃぐちゃにスプーンで混ぜて一気に口に入れると鱒の凝縮された旨味が口一杯に広がる。この料理を考えるイマジネーション力とデザイン力に敬服。。

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3本目はピノネロの赤。昔はイタリアのピノはエレガントさにかけるとよく言われてたけど最近はほぼ遜色なし。かなり豊かな果実実とカシスの香りがしてしっかりとした酸味とタンニンも感じられかつ滑らかでコクのある、私見であるが鰯のオイル漬けとかに合うであろうワイン。

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「イイダコとと緑の野菜(多分メカブであろう)」のパスタ。タコはミンチになっている。ほうれん草と大葉も入っているであろう。

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メインは「銀鱈と新ジャガ」マッシュポテトと新ジャガの揚げたもの。濃厚なアメリケーヌソースは塩分の立ち方が半端ではない。シェフの修業先のイタリアの同名の店のスペシャリティらしい。脳幹に突き刺さるような塩使いのソースと脂ののった銀鱈とピノネロとのマリアージュはここ最近のベストデザインである。

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シャベーットのようなものと固形のクッキーのようなものとミルクのエスプーマーが入ったものをぐるぐるとかき回していただくとコーヒーになるイリュージョンのようなドルチェ。

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名物の「チョコとバナナ」。このドルチェの仕掛けも面白い。薄いチョコの中は滑らかなバナナアイス。前回と献立も変わっていて大満足。。

大阪市浪速区敷津東2-2-1-317 なんば木津まち横丁「○(エン)」内
TEL:06-4395-5150
営業時間:18:00~23:00
定休日:水曜日


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