前から見たかった映画「マエストロ」のレイトショーを見に行く前にあべのキューズモールの一階にある表記の店で一人焼肉。
この店も阿倍野再開発が始まる前、あべの銀座という商店街のまん中程にあった記憶がある。昔は「角屋」という名前だった。
今は大繁盛しまくりの「グリルまるよし」も当時はあべの銀座にあった。その頃今の店主の師匠がオーナーシェフで店員を怒鳴り散らしまくっていた記憶がある。そのころのメニューはすべてフランス語でかなりハイカラな店だった。大阪や京都には大正時代から商家の旦那が茶屋遊びをする前に腹ごしらえをする「旦那洋食」というジャンルがある。まさに当時はそんな店だった。創業が1946年なのでほぼ70年の歴史となる。
30年くらい前にこの店の「ビーフシチュー」を食べて世の中にこんなに美味しいものないと思った記憶がある。レンガで固めたカマドで石炭を燃やして加熱する煙モクモクの石炭ストーブを使って作るロールキャベツやエスカルゴ、コロッケなど大衆的なんだけどちょっとええ洋食の虜になった記憶がある。当時は牛海綿状脳症(BSE)もなかったので牛の脳漿をフライにしたものをワインでよくいただいた。
極狭の調理場にコック4人が入って必死で料理を作っていた光景が目に浮かぶ。当時の従業員さんは今は誰もいない・・・あべの銀座の坂の手前にあった「しぶんきゅうふ」という名前のジャズ喫茶も懐かしい。今はハルカスの前に移転されている割烹の和源もこの商店街にあったな。そういや日活ロマンポルノもあったな・・
ここはカウンター11席だけの焼肉店なんだけど一人に一個コンロがついているのでゆっくりと食べることが出来る。いつものように上焼き肉定食1450円を注文する。。肉大盛りだと1900円。
内容は肉4種・キャベツ・ご飯・味噌汁・キムチ。その他夜の定食は「焼肉」「ハラミ」「ホルモン」すべて1000円。静かに食べる女性の一人客もいる。年配のご夫婦2人で切り盛り。昔からよく知っているけど会話はほとんどしない。他の客ともしゃべっているのは見たこともない。
肉の種類は「タン」「バラ」「ロース」「ハラミ」「上ミノ」が2切れずつ。結構分厚く手切りされている。自分で焼いて葱の入った甘辛濃いめのタレにつけて御飯と一緒にワシワシと食す。肉も柔らかくて価格の割りにはかなりいい。タンが上質なのが嬉しい。センマイを別に頼んでいただく。
瓶ビールを手酌で飲みながら壁のテレビを見てゆっくりとした時間を過ごす。
大阪市阿倍野区阿倍野筋1-6-1 ヴィアあべのウォーク1F
06-6641-6611
11:30〜13:00 17:30〜21:00