2023年03月

天扇

世界遺産の宮島にある2017年開業の表記の寿司店を休日に訪問。新大阪駅から新幹線で広島に入り、JR在来線で宮島口駅まで。そこからフェリーに乗って宮島に入る。改装の終わった厳島神社と満開の桜を見学し鹿と戯れてからフェリー乗り場近くの集落にあるお店に正午過ぎに入店。大阪から時間をかけて海を渡ってこなければならない場所なので一層気分が上がる。

長屋をリノベーションした店は長いアプローチを通って店内に入るとカウンター9席とテーブル12席の上品でスタイリッシュな天井の高いしっとりした空間となっている。カウンターのご主人の前に案内いただき握り10貫コース6500円を所望する。

カウンターから見える箱庭も風情たっぷり。こちらのお店は旬の瀬戸内の魚にこだわり、山葵・お米・日本酒も県内産を使用とのこと。寿し用の醤油もすだち醤油・土佐醤油・たまり醤油・煮つめの4種類を使い分ける。

最初に地元産の鯛の真子の煮付け。寿しの扉はコリコリ食感のカンパチから。続いて皮目を炙った広島産ののどぐろ握りは脂たっぷりで口に中で溶ける。ご飯は小さめで米酢と赤酢をブレンドしたもの。北海道産の本マグロの蛇腹部分は私はパス。名物の牡蠣汁は広島産の牡蠣の旨味が濃縮されていて塩味は控えめでクリアで澄んだ味わい。海の香りが鼻に抜ける。

続いて広島産の熟成させた剣先イカを軽く炙ったもの、頭の味噌たっぷりの車海老、地元産の鯵は2枚付、昆布と一緒に酒蒸しにした牡蠣に自家製の海苔の佃煮が載せられる。 丁寧な江戸前仕事で皮目を炙った名産の煮穴子は旨味がとても強い。

広島産の和牛肉の炙り寿司にはおろしと芽ネギが添えられる。松島産の赤貝は小さいけどかなり味が濃い。蜂蜜で甘みをつけた卵焼き、広島産の雲丹は塩で供される。鼈甲色に炊いたかんぴょうと山葵の巻物でフィニッシュ。

お酒も広島産のものが揃っていて岸田総理が韓国大統領をもてなした際の「賀茂鶴」などがオススメとのこと。「雨後の月」の大吟醸はアルコール度数が13%と低く、あっさりとして食事の邪魔をしないいいものでした。総じてコスパも良くて、界隈の観光地にある寿司店のレベルとは異なる流石のミシュラン店でした。

食後は散歩を兼ねて、お店の方から紹介いただいた高台に位置する「天心閣」という古臭い名前のカフェで休憩。店名とは異なる素晴らしい空間にびっくり。店内のテラス席からは、五重塔と千畳敷、厳島神社が見えるかなりの穴場。コーヒーとレモンケーキをいただきながら宮島の絶景をコンプリートできるいいお店です。

広島県廿日市市宮島町810-1
0829-44-1233
11:30〜14:00 17:00〜22:00
水曜日定休


カテゴリー 中国地区, 寿司 |

ムラタ料理店

文の里の今年1月末にオープンしたイタリアンのお店を訪問。文の里駅から徒歩5分の住宅地のど真ん中あたり、市立工芸高校の東側あたりにひっそりと位置する。路地の先にある目的来店でないと絶対にわからない場所。こちらの店の情報は食べログ含め、ネットでは多分初掲載と思う。

重厚な木の扉を開けるとコンクリート系のスタイリッシュな空間が現れる。島之内のフジマル醸造所にいらっしゃったシェフの独立店で、なにわ野菜をはじめとする、こだわりの食材を使用したイタリアンがアラカルトで気軽に食せるお店。カウンターのシェフの目の前の席に案内いただく

春らしいロゼスパークリングでスタート。アラカルトは小皿料理、前菜、パスタ、メイン、デザートに分かれていて2名だと2皿に取り分けて提供して頂けるのがありがたい。

前菜から「千早赤阪村のニジマスのマリネ 難波ネギのピューレと日向夏のピクルス1430円(写真は2皿に取り分けいただいたもの)。ニジマスって普段あまりいただかないけど脂もあって香ばしくてとてもいい味わい。前菜はこれ以外に「ひっさげマグロのカルパッチョ」「対馬の穴子とアスパラのフリット」「カサゴのロースト、浅利とトマトのソース」「なにわポークのタンと春キャベツ、大麦の煮込み」など。

オレンジワイン2種。パンチの効いた味わいに目が覚める。

前菜からもう一皿「桃山ケンカ地鶏胸肉と黄かぶのコンフィのサラダ仕立て1320円」(こちらも2皿に取り分けいただいたもの)パサつきのない胸肉は歯ごたえもあってかなり美味しい。黄色のカブは門真産とのこと。

パスタは「平貝とホワイトアスパラガスと蕪の葉を使ったジェノベーゼ、自家製ショートパスタのチカティエッリ」(こちらも2皿に取り分けしたもの)を所望。チカティエッリは「目潰し」という意味らしい。パスタのモチモチ食感とエンドウ豆のペーストが優しい味わい。

長野県小布施のメルローもいただく。上質なグラスワインもたくさんあって飲み比べができるのが嬉しい。

メインは「なにわポークの肩ロースのローストうすい豆のピューレと芽キャベツの花部分を添えて」を所望。脂身がかなり甘くて美味しい。肉も野性味があってガシガシといただく。メインはこの他に「阿寒湖の蝦夷鹿の内腿のオーブン焼き」など。

食後はグラッパを所望する。

大きな塊のゴルゴンゾーラを少しいただく。

食後酒のデザートワインもチーズにぴったり。ここ最近の中でベストヒットのお店。アットホームで料理も美味しくて、価格は手頃でお酒もたくさん。通ってしまうこと間違いなしのいいお店でした。

お店のインスタはこちら

阿倍野区文の里3−2−15
06-7777-5528
11:30〜14:00 17:30~21:00


カテゴリー 昭和町, イタリアン |

廉 3月

谷町6丁目駅近くの空堀商店街のはずれにある表記の和食店を久しぶりに訪問。普段はカウンターに座って料理人さんの手元を見ながら食事をするんだけど、この日は打ち合わせを兼ねていたのでテーブル席をご用意いただく。コース料理もあるけど100種類近い旬のメニューの中から好きなものを選んでいただけるのがこの店のいいところ。

心斎橋にある「作一」の西店で40年務められた店主と作一時代のベテランのお弟子さんが作る法善寺の喜川を発祥とする大阪板前割烹料理を楽しめるお店。店内はカウンター8席とテーブル席が2卓。男性の見習い調理師さん2名がサービスを担当。

座付は子持ちの新子と酒肴3種盛り合わせ。

刺身は皮目を炙った「目抜け」軽く炙った「ホタテ貝柱」、コリコリ食感の「剣先イカ」、かなり甘い北海道産の「雲丹」、「細魚」、アサツキを巻いた「オコゼ」の盛り合わせ。

続いて旨味たっぷりの大和肉どりの味噌焼きを所望。しっかりした肉質は食べ応えあり。

大羽イワシのタレ焼きは日本酒が進みまくる。

名物の和牛ヘレ肉に薄くカットした食パンを巻いて揚げた「ヘレかつ」。サクサク食感で肉はひたすら柔らかい。ウスターソースをつけていただく。

大きなサイズの鯖棒寿司でフィニッシュ。。ごちそうさまでした・・・

過去の廉はこちら

大阪市中央区谷町7-6-3
06-4305-4380
17時~22時
休日:水曜日、第三木曜日


カテゴリー 谷町六丁目, 和食 |