天扇

世界遺産の宮島にある2017年開業の表記の寿司店を休日に訪問。新大阪駅から新幹線で広島に入り、JR在来線で宮島口駅まで。そこからフェリーに乗って宮島に入る。改装の終わった厳島神社と満開の桜を見学し鹿と戯れてからフェリー乗り場近くの集落にあるお店に正午過ぎに入店。大阪から時間をかけて海を渡ってこなければならない場所なので一層気分が上がる。

長屋をリノベーションした店は長いアプローチを通って店内に入るとカウンター9席とテーブル12席の上品でスタイリッシュな天井の高いしっとりした空間となっている。カウンターのご主人の前に案内いただき握り10貫コース6500円を所望する。

カウンターから見える箱庭も風情たっぷり。こちらのお店は旬の瀬戸内の魚にこだわり、山葵・お米・日本酒も県内産を使用とのこと。寿し用の醤油もすだち醤油・土佐醤油・たまり醤油・煮つめの4種類を使い分ける。

最初に地元産の鯛の真子の煮付け。寿しの扉はコリコリ食感のカンパチから。続いて皮目を炙った広島産ののどぐろ握りは脂たっぷりで口に中で溶ける。ご飯は小さめで米酢と赤酢をブレンドしたもの。北海道産の本マグロの蛇腹部分は私はパス。名物の牡蠣汁は広島産の牡蠣の旨味が濃縮されていて塩味は控えめでクリアで澄んだ味わい。海の香りが鼻に抜ける。

続いて広島産の熟成させた剣先イカを軽く炙ったもの、頭の味噌たっぷりの車海老、地元産の鯵は2枚付、昆布と一緒に酒蒸しにした牡蠣に自家製の海苔の佃煮が載せられる。 丁寧な江戸前仕事で皮目を炙った名産の煮穴子は旨味がとても強い。

広島産の和牛肉の炙り寿司にはおろしと芽ネギが添えられる。松島産の赤貝は小さいけどかなり味が濃い。蜂蜜で甘みをつけた卵焼き、広島産の雲丹は塩で供される。鼈甲色に炊いたかんぴょうと山葵の巻物でフィニッシュ。

お酒も広島産のものが揃っていて岸田総理が韓国大統領をもてなした際の「賀茂鶴」などがオススメとのこと。「雨後の月」の大吟醸はアルコール度数が13%と低く、あっさりとして食事の邪魔をしないいいものでした。総じてコスパも良くて、界隈の観光地にある寿司店のレベルとは異なる流石のミシュラン店でした。

食後は散歩を兼ねて、お店の方から紹介いただいた高台に位置する「天心閣」という古臭い名前のカフェで休憩。店名とは異なる素晴らしい空間にびっくり。店内のテラス席からは、五重塔と千畳敷、厳島神社が見えるかなりの穴場。コーヒーとレモンケーキをいただきながら宮島の絶景をコンプリートできるいいお店です。

広島県廿日市市宮島町810-1
0829-44-1233
11:30〜14:00 17:00〜22:00
水曜日定休


カテゴリー 中国地区, 寿司 |