2022年02月

又三郎 2月【大阪市 長居】

長居にある表記の肉料理店を友人と訪問。大阪メトロ長居駅2番出口から徒歩3分、JR長居駅から北へ徒歩1分の長居パークホテルの1階にお店は位置する。日本の熟成肉(ドライエイジング)のパイオニアと言われる荒井勢津子オーナーが営むお気に入りのお店で30年前から通っている。2年前に内装を大改装されてさらにおしゃれで格好のいい店となる。

「あまから手帳」を始めさまざまなメディアにも取り上げられることも多く、全国から芸能人を始め、スポーツ選手、フレンチやイタリアンのシェフなど著名な方々が常連客として訪問する大阪を代表する有名店。予約が取りにくいのが玉に瑕なのでランチタイムに来られる方も多いと聞き及ぶ。

重く大きな扉を開けて高い天井の店内に入るとすぐに巨大な熟成庫が壁の中に埋め込まれていて、その中には赤色や茶色の骨付きのさまざまな部位と種類の塊肉が納められている。この日は大きな赤い椅子のある個室でお任せのコースを出していただく。業態は焼き肉店なんだけど、ほとんどのお客はステーキのコースを注文するらしい。

まず最初にこの日提供いただく牛肉のプレゼンテーション。
熟成させた岩手産の黒毛和牛のサーロインと外ヒラと呼ばれるモモ部分、熟成しないランプ肉の3種を食べ比べさせていただくという趣向。いつもこのプレゼンテーションだけで感動する。

熟成肉は ただ冷蔵庫に放置させているわけでなく肉のアミノ酸が何倍にも増える一定条件をしっかりと研究し、温度と湿度の調整、風を加える事で余計な水分を飛ばし、タンパク質やミネラルを凝縮させることでより美味しくなるタイミングを見計らって食べごろで提供される。

コースの始まりはガラスの器に盛り込まれた熟成肉を使ったユッケ。もちろん法律に則ったもの。岩塩がかかっていて肉の旨味と甘みがより感じるようになっている。

七輪の中に高知産の備長炭が入り、こんもりと盛り上がった網の上に3種類の熟成肉が置かれる。この日はオーナーが自ら焼いていただく。このお方が焼くと2割増しで美味しくなるとよく言われている。荒井オーナーのウイットに富んだ会話もこちらのお店の調味料の一つらしい。

最初に片面3分焼いてから裏返して2分。火からおろしアルミ箔で包んで5分間、肉を休ませる。この作業を約40分かけて3回繰り返し出来上がり。目の前で時間と手間をかけて少しずつ焼き上げるライブ感とシズル感がなんとも言えない。七輪から出る煙は全て吸気口から吸い込まれるようになっている。

続いてはこちらのお店で初めていただく春巻き。熱々の春巻きの中にはプリプリの海老と熟成肉が入る。スイートチリソースをつけていただくのも流石なり。肉の焼き上がりを見ながら美味しくいただく。

続いては肉料理の盛り合わせ。。皮目をカリカリに炙った豚バラ肉は中がとてもジューシーでかなり美味しい。小さなバンズに挟んでいただく巨大な熟成肉のヒレカツ、熟成肉で作るトロタク、塩漬けした熟成生肉とカラスミ、センマイ刺身など。。どれも上質でこだわりのあるものばかり。。

途中で安くて美味しいイタリアのワインを勧めていただく。ワインの品揃えも界隈の焼肉店のレベルをはるかに超えている。好みと予算を言えばドンピシャを出していただける。

焼けた熟成肉は調理場でカットされ綺麗に盛り付けされて再登場。表面は炭火ならではのカリッとした食感で肉汁感たっぷりのロゼピンクの断面も芸術的に美しい。非熟成のランプ肉は最後に藁で燻され燻煙をつけて供される。

このような贅沢な食べ比べができることに感動。

最後はスパイスの効いた熟成肉のエキスが入った一口カレーをいただく。梅茶漬けの選択肢もあるとのこと。

デザートも好きなものから選べるようになっていて、私はオーナーが研究をやり尽くして提供されているかき氷を所望する。当然、蜜や餡は自家製で器もかなりのこだわりがある。

スタッフさんの教育も行き届いており接遇も目を見張るものがある。焼肉店と思えば高級だけどそれに見合った価値のある時間を過ごすことができる一流店です。

過去の又三郎はこちら

大阪市住吉区長居2-13-13
営業時間:11:30~14:00
17:30~23:00
定休日:日曜日・木曜日

大阪市 長居 焼肉その他料理

丸元 2月【大阪市 難波】

千日前の表記の老舗寿司店を心斎橋和食店の店主と訪問。35年前からずっと定期的に訪問しているお店で路地を抜けたところにあるファザードも民芸調の店内もメニューも何もかもが昭和感が満載。毎回同じメニューなんだけど飽きることがない。表向きは寿司店なんだけどほとんどの客がスッポンコース5000円を注文する。

昔はゴルフの杉原輝雄さんや叶姉妹さんなどもお見かけしたことがある。2階は座敷になっていてグループ客にも対応する。昔はご主人と奥さんがレジに座っていたけど今は引退され娘さんが店を取り仕切る。

先付けの白和えは普通に美味しい。置かれているお酒の種類も少ない。。日本酒は白鹿と春鹿のみ。この潔さがとてもいい。

刺身盛り合わせはカンパチと剣先イカと甘海老と赤貝。。カンパチは海苔で巻いていただく。。

スッポンの生き血は甘口のワインで割っていただく。多分昔から赤玉ポートワインを使われていたと記憶する。

湯引きは腸とエンペラ(甲羅の端)を使用。味があまりしないけ食感を楽しむ感じ。プルプルとクニクニの食感を柑橘の風味がしっかり効いたポン酢とともに味わう。エノキの食感と合わさってなかなか美味しいといつも思う。

大好物のスッポンの内臓のお造り。肝臓と卵、一匹に一つしかないピクピク動く心臓と胆嚢、腎臓も添えられる。丸呑みをする胆嚢は胃が悪い人にオススメらしい。これらは海苔に巻いてアジシオを振りかけていただく。ぷちぷち弾ける卵の食感とまろやかさ、肝のコクのある味わいがなんとも言えない。

メインの滋味深い透明感のあるスープには旬の甘い白菜がたっぷり入る。この店では昔から鍋ではなく一碗ずつ分けて供される。白菜の他には椎茸と白玉餅、すっぽんの色んな部分が入る。ゼラチン質のスッポンの身は部位ごとに味わいが異なり首の部分や後脚の部分などの弾力のある肉が特に好み。2杯目はガーリックパウダーと唐辛子を入れて味変をする。

仕上げの雑炊は見た目と絹のような舌触りがポタージュスープのような感じ。
塩味は強くなくしんみりとした優しい味わい。デザートのリンゴも美味しくいただきました。

過去の丸元はこちら

大阪市中央区千日前1-9-9
06-6211-2298
16:30〜23:00
日曜定休

 

大阪市 難波 寿司

たねや茶屋 阪急百貨店梅田本店【大阪市 梅田/JR大阪】

阪急百貨店梅田本店のB1の JR寄りの店舗端にある表記の茶寮を訪問。たねやのお店の真横に位置する。店はガラス張りなので中の様子がわかりやすい。普段から午後はずっと満席気味なので根気よく待つことが必要。

店内はカウンター席とテーブル席がある。真ん中には餠搗きの舞台が鎮座。こちらで日に数回お店で使用するお餅を搗いているのを見ることができる。

お店のスタッフさんのオススメの「搗き餅 エキストラバージンオリーブオイル付き 税込770円」とクラフトビールを所望する。

待っている間に南部鉄器の急須に入ったお茶が提供される。重い急須の中から琥珀色のお茶がガラスの湯飲みに注がれる。このお茶が突き抜けた美味しさでかなり香ばしい。聞くと小豆茶と言っておられた。

出てきた近江米で作ったお餅はオリーブオイルの香りのフォカッチャのようなクラッカーの上に鎮座。これに10mlの小瓶に入ったエメラルドグリーンのオリーブオイルと岩塩、または泡状の醤油をつけていただくという趣向。

餅自身のコシがしっかりしていてかつ柔らかい。。オリーブオイルの香りと味が鮮烈で聞くとイタリア中部の会社のエキストラバージンオイルを独占輸入しておられるとのこと。

泡醤油は辛すぎず味のアクセントもあってとてもいい。餅つきは見れなかったけど次回の楽しみにする。スタッフさんも教育が行き届いていて接客の素晴らしさにもびっくり。美味しいおやつでいい休憩ができました。

大阪市北区角田町8-7阪急うめだ本店B1F

たねや茶屋カフェ / 梅田駅大阪梅田駅(阪神)東梅田駅

夜総合点★★★☆☆ 3.5

大阪市 梅田/JR大阪 カフェ