カツ処 もん吉【大阪市 我孫子】 【大阪市 杉本町】

大阪市立大学で用事があったので その前に表記の店で昼食をとる。簡素な店内は4人掛けのテーブルが5つでランチタイム時はいつも学生で一杯。学生街の食堂らしく定食はご飯とキャベツのお替わりは自由。テイクアウトの弁当もある。

この日はヘレかつ定食700円を所望する。ご飯は少なめでリクエスト。店主らしき若い兄さんが一人で調理。しかしながら提供時間はかなり早いのにビックリ。調理場を見るとキャベツの千切りは肉切りのスライサーを使用。小さな店でも機械化を取り入れている事にビックリ。

価格が安いのであまり期待はしていなかったが商品の良さにビックリ。肉の断面はうすいピンク色。歯触りはふわふわで舌触りはシルキー。火入れが完璧で肉の旨味もしっかりあって感動。。ご飯少なめのリクエストでもかなりのてんこ盛り。これは繁盛するのは当たり前だなと思いながら一気に完食する。

隣の学生のご飯を見るとマンガのような大盛り。人によれば4杯くらいお替わりすると言っていた。。ふらりと入ったお店が美味しくて安い。。元気が出たので午後から献血してきました。

大阪市住吉区杉本2-8-3-105
06-6609-0610
AM11:00~PM11:00

大阪市 我孫子大阪市 杉本町 とんかつ

五源大喜【大阪市 昭和町】

昭和町の表記の串揚げ店を訪問。30年以上前から昭和町のこちらの路地裏で営業。15席のカウンタ−のみ。数ヶ月以上、席の予約が取れないことでも有名なお店。この日は前日にキャンセルが出たということで久しぶりの訪問となる。18時半のオンタイムに伺うとその前の時間帯の方々と席を交代。メニューはほとんどのものが120円で250円の串が数点。相対的に割安感はある。。

お店は完全に家族経営。昔は三角の帽子を被ったご主人がいらっしゃったが今は奥さんが食材にパン粉をつけ、笑顔が優しいイケメン過ぎる息子さんが揚げる分業スタイル。息子さんの嫁さんは接遇担当。それにアルバイトが一人・・・

こちらではコースではなくて好きなものを好きなだけ頂く。昔から内容はほとんど変わらない。季節ごとにシーズナブルメニューもいくつか取り揃えられる。価格もずっと据え置きなのには敬服する。

ビールを頼んで串の扉は「牛肉」からスタート。柔らかくて赤身の肉は普通に美味しい。「車海老」は時価だけど大体500円くらい。大きくエビ反りされて揚げられる。大粒の「牡蠣」は醤油で頂く。この店のシグニチャーメニューの「鱚」を大葉で巻いたものもふわふわで美味しい。刺身用の「帆立貝柱」はミディアムの火入れ。「蓮根」はシャキシャキ、味付けされた「筍」は季節メニュー。豚肉を巻いた大きな「アスパラ」は自家製マヨネーズで頂く。シャルドネは3000円くらい。。

それぞれをソース、ポン酢、塩、レモン果汁で頂く。油はヘッドを使用。胡麻の香りも少しする。。植物油も混ぜていると思われるが不明。パン粉は生パン粉とブレンドパン粉を合わせて作る。

続いての「豚肉」はロース肉を使用。「蟹爪」は巨大で食べ応えあり。水槽で泳ぐ「稚鮎」は内臓の苦味が嬉しい。「蛸」も生を使用であろうか歯ごたえと味がボイルした外国のものと大きく異なる。田楽味噌を載せて供される「豆腐」は大豆の甘味がしっかりと感じられてふわふわでクセになる美味しさ。鮎の横の水槽で泳ぐ「アマゴ」もとても深くていい味。「安納芋」にクリームチーズを巻いて揚げたものも甘々で美味しい。最後に「お餅」も頂いて合計18本でした。。

創作系や2度漬け禁止系の串揚げ店が多い中で食材を吟味して商品を絞り込み、安価で客に提供するこのような店は実はありそうでなくて客のほとんどが次回の予約をして帰ると言う普遍の人気を誇る名店。アットホームな雰囲気も個人的に大好き。

お店は平日は5時から7時半、または7時半から9時の2部制(土日は3部制)。9時以降であれば予約なしで入店できるが遅掛けの串揚げは身体に堪えるので私は他の客のキャンセルを狙う。。貸し切りでお願いしたら予約は2018年の3月末となりましたとさ。。

過去の五玄大喜はこちら
大阪市阿倍野区昭和町1-9-21
06-6629-4576
営業時間 [月~土] 18:00~23:00
[日・祝] 17:00~23:00

大阪市 昭和町

グランドティアラ大阪【大阪市 大国町】

日曜日にお世話になる知り合いの料理人の方が厚生労働大臣表彰「現代の名工」を受賞されその披露祝賀会パーティーに参加。200名の出席者で会場は満席。この日の為に周到に準備され腕に撚りをかけた料理が振る舞われた。数々の名料亭の料理長を歴任し、大学の講師なども務められ業界にも多大な貢献をされた方で基本に忠実で、日本料理の伝統をしっかりと守り、継承されている当代では傑出した技術を持つ日本料理人の一人。

前菜は鴛鴦の器が印象的。中には毛蟹とうるい、アスパラ等の春野菜を合わせたお浸し。もう一方は自家製の蛸の塩辛に叩いた山芋を添えたもの。いずれも味の決まり方がドンピシャ・・・

旬のアマゴのは素焼きにしてこっくりと炊き上げるが嫌な甘さ苦味は全くない。車海老の月環の中は長芋を裏ごして作る。一寸豆の翡翠煮も薄い蜜漬けで提供。擬製豆腐は湯がいて裏ごしした豆腐に卵や野菜を加えて調味し芥子の実をつけて焼いたもので昔ながらの古い日本料理の仕事。

小鉢は赤貝のあちゃら和え。あちゃら和えは鷹の爪を入れた甘酢に季節の野菜 をつけたものの総称で和風のピクルスのようなもの。普通はダイコン、カブ、蓮をよく使用する。包丁された赤貝も上質なもの。

粽寿司の中身は小鯛を使用。〆加減や酢飯の加減も完璧。日本料理の伝統をきっちりと踏襲した細やかで丁寧な仕事に感動する。

日本料理の華であり、この日も「自信の逸品」と私に言っておられた煮物椀は蛤の身がたっぷり入った蛤糝薯の潮仕立て。ふわふわのしん薯の火入れの確かさに驚く。貝の旨味をたっぷり引き出した出汁は透明感があり貝の嫌な癖等はみじんも感じられない。あしらえの筍や若布も丁寧なプロならではの下ごしらえが光る。久しぶりに心から美味しいと思う煮物椀に遭遇・・・

氷の器で供される刺身はヨコワ、鮮度抜群の剣先烏賊、湯洗いした天然車海老、脂がのりまくりの天然鯛の4種盛り。包丁の冴えが切り口を見ただけで判る。あしらえは山葵、寄せ岩茸、蕨、ラディッシュ、撚人参、穂紫蘇。

炊きあわせは筍の油煮と鮑の柔らか煮。植物油を低温から少しずつ温度を上げて火入れする古典的な仕事で最近は久しぶりに見る事が出来た。鮑は好物のエンペラのゼラチン部分が入っていて少し嬉しかった。蕗の味の入れ方や昆布の型くずれせず柔らかく炊き込む技術はさすがとしかいいようがない。

箸休めの胡麻豆腐は胡麻のペーストを使用せずに洗い胡麻をミキシングして丁寧に作られていた。胡麻のかそけき風味と香り、吉野葛の分量、出汁で塩梅を合わせた酢の加減などシンプルが故に難しいものであるが完璧に仕上げられている。秋田産の蓴菜も涼しげでいい・・・

会場の端で焼かれる黒毛和牛のフィレステーキ。ベルギーのフライドポテトで最近冷凍食品でもたまに見かけるポムデュセスの美味しさにビックリ。肉は最高級のものである事は口に入れただけで判る。トリュフが入ったソースは煮切った酒に醤油、水飴、塩、酢等で調味したものと思われるがこれ以上は判らなかった。

パイ包みされた茶碗蒸しの中身は伊勢エビを低温で火入れしたものが入る。茶碗蒸しの出汁のベースにスッポンのスープを使用し、その上に生姜を効かした銀餡が掛かる。

食事は綺麗に飾られた赤飯。西瓜の甲南漬けが添えられる。

水菓子はクラウンメロン、マンゴー、苺が杏仁ゼリーとともにシンプルに盛りつけされる。美しく美味しい料理は界隈にいくらでもあるけど昔からある面倒で細やかでしっかりと手のかかった、本物の昔ながらの「日本料理」をいただく素晴しい機会であった。

大阪市 大国町 和食