谷九 ふるさと 平野店

私どもの会社の本店で2年間修業をした若い調理師が平野の流町で独立のはこびとなり、総料理長や会社の幹部を連れてお祝いに伺った。。。開店祝いのお花と別注の包丁をプレゼントさせていただいた。。 お店は地下鉄平野駅を北に50メートル。。立地は最高である。。寿司とうどんを主力にした居酒屋業態でこの時代では最も成功しやすい形と考える。。 谷町9丁目にある老舗うどん店の「ふるさと」の御子息で20歳という若さでの独立は当社史上最年少である。。 misesotofurusato.JPG ファザードが少し弱いがそれは今後どうでもなる。。。チープさをしっかり醸し出してちょっと寄っていこかというお客をどんどん入れるべしとのアドバイスをする。。オープンしたとこなので軌道修正はいつでもできるであろう。。。 nakahama.JPG 当店で毎日海老の天ぷらだけで1000匹以上揚げていたので天ぷらはお手のもの。。 巨大な海老天がこの店の名物。。。早速いただく。。。 冷凍だが旨みもしっかりあって食べ応え抜群。。。。いい仕入れをしている。。 tenmorifurusato.JPG 天つゆの器に入らないくらいでかい。。このエビ天で天ぷらうどん、天丼を作る。。。             本人も楽しそうに働く。。。体力気力も充実している年代なので気合十分。。 ebitenfurusato.JPG うどんは本店の生麺所で毎日打ったものを運んでくる。。細麺だがいちいち「お客さん!固めがいいですか柔らかめがいいですか?」と聞けよと再びのアドバイス。。。                           カウンター商売ならではの接近戦。。。小さな心遣いが大きな収入になる。 hamotenankake.JPG 骨切りした鱧を揚げて餡を掛けた「鱧天あんかけ」がおすすめと聞きいただく。。。価格からみれば充分の出来栄えである。。 そのほか普通の居酒屋メニューも満載。。。 この普通さがこの時代では肝心である。。。                                         しばらくして慣れてきたら少し商品(食材)を絞り込もう。。                           売れ筋が決まってきたらその商品を2割値下げせよというアドバイスをした。。。多分お客殺到するであろう。。。しかし若い力というのは凄い。。。改めてそう思う。。。おっさんの私には超えられないものを感じる。。。大繁盛を心より願う。。 平野区平野本町2-1-25 水曜休み

ふる里うどん / 谷町九丁目駅四天王寺前夕陽ケ丘駅大阪上本町駅


カテゴリー 平野, 麺料理 |

カドヤ食堂

大阪市立図書館に用事がありその帰りに早めのランチ。。 西長堀の駅から、長堀通り沿いに西に徒歩5分強といったところにあります。 言わずと知れた、大阪のラーメンの有名店。 11時開店とともに入店。。 昼時はいつも大行列で待ってられないのでいいタイミングとひとりごちする。。。 店内カウンター数席と4人がけのテーブル席が2つのみ。 鶴見にあったときから何度か訪問しているがとんこつ系が苦手な私が食すことのできる優しいラーメンである。。。しかし最近あちらこちらのブログで辛口の評価をよく見る。。 つけ麺にしようかと思ったが初めて見るワンタン麺880円を所望する。 kadoyawanntann.JPG 澄んだスープは手がかかっていることが一目でわかるし実にうまそうである。 スープは確かにだしが良く出ていて素材のこだわりはわかる。化学調味料が入っていないため塩気が強く感じる。。。上品と言えば上品なんだけど昔はこんな感じじゃなくて濃いけどさっぱりしたスープだったように思う。。比内地鶏のワンタンはトロトロなんだけど鶏の違いはわからなかった。多分それがわかる客は1000人に一人くらいであろう。。。 麺は細めのストレート。店の奥が生麺所になっているのだがひやむぎを湯がき過ぎたような感じとなっていた。。喉ごしがいいと言えばいいのであるが。。。でもくにゅくにゅしすぎ。。麺が悪いのか湯がき方が悪いのか。。。少なくとも私の好みではなかった。。多分既存の概念を超えた麺の価値を店主は目指しているのであろうと推察される。 kadoyamenyu.JPG そのほかいろんな種類のラーメンがあったがおっさんにはついていけない気がした。。。 でもいつも大行列の繁盛店。。ラーメン店の進化した形なのね。。  大阪市西区新町4-16-13

カドヤ食堂 本店ラーメン / 西長堀駅阿波座駅ドーム前千代崎駅


カテゴリー 桜川/西長堀, 麺料理 |

まさる 2011夏

夕陽ヶ丘にあるヘビーユースする隠れ屋のような寿司店。私が最も敬愛する1万円以上出すなら絶対にここという店。。他店と圧倒的に違うのは寿司に愛情がある。愛情のレヴェルが全く違う。本当に美味しいネタをより美味しくと徹底的に考えられ手を掛けまくってより美味しくしている。。。                                                                                                                                       ワンシーズンに必ず1回いくのだがかれこれ10年は通っていることになる。。。 非常に不便な場所にあり(四天王寺夕陽ヶ丘駅徒歩5分)ながらお店には暖簾も看板も何もない。寿司屋とは絶対にわからない。客商売の気配すらない。。店内は白木のカウンター10席のみ。                                                                                                                                   昔から厳つい顔だが年々凄味を増す顔面をもつ店主の吉村氏とかれこれ見習いの時から10年になる若い板前君が丁寧な仕事をしまくっている。 最初に生ビールをいただいて喉をうるおし、造りの盛り合わせを所望する。。私の好みもわかっていただいているので好きなものばかり。。。                                                 tukurimasarunattu.JPG                                                                                                      白身はコチ、鯵、赤貝(秀逸)、剣烏賊の超甘い雲丹(北海道産利尻?)載せ、脂乗りまくりのぶっとい太刀魚のあぶり、一見鱧に見えるが穴子の霜降り(旨過ぎて死にそうになった。。。これ食べれば鱧はいらない)これだけでほぼノックダウン。。。旬の今本当に美味しい魚だけを一切れづつ盛り合わせてくれたという感じ。。時間が止まる旨さである。。。 torigaishako.JPG 握ってもらう前にお勧めのあてを所望。鳥貝は日本海の丹後産。旬の水シャコは瀬戸内海愛媛産。。。最近いい魚をいただくと産地がわかるようになってきた。。。結構俺ってすごいなとひとりごちする。       鳥貝は数秒湯に入れる。(と言っていた)貝の臭みも抜けて甘さが増す。。シャキシャキした歯触りも最高である。                                                                                                                  水シャコも今が旬獲れる量が少なくほとんど市場に出回らない。かつぶしと呼ばれる卵をもったミズシャコなのでその希少性は大したものである。いい日に来たと喜ぶ。癖のない甘みは普通のシャコはもういらないという感じとなる。。。麦焼酎がどんどん進む君。。。 kisuamatekareimasaru.JPG お酒をよそいきの日本酒(出羽桜吟醸)に切り替えて鱚の昆布締めからいただく。まさに旬まっただ中のキスは淡白な中に昆布の旨みがほんのりと香る。この時期のこの店の序曲の定番である。 まさにアペルトゥーラの奏でのよう。 続くアマテカレイは瀬戸内か九州だと思うのだが聞かなかった。鱚と同じように淡白な白身なのだが旬まっただ中のアマテカレイはモチモチしていて味が深く舌にまとわりつく旨みがある。。。 ヒラメの淡泊さとは対照的である。。。  sinkomasaru.JPG そこで本日のメインイベントのシンコの登場。。。3日前に入荷があったばかり(ちょうど虫の知らせがあった)のコハダの稚魚。。。金魚くらいのサイズらしい。。本日は奇跡の8枚付け。。 *ふつうは2枚とか多くても5枚というものしか見ない。。若い板前君がおろす担当と聞き及ぶ。。。多分寿司屋の仕事としては最も細かい仕事であろう。関西でこのシンコを置いているのはほとんど聞かない。。。 価格も安く仕入れたとは言ってはいたが1カン1000円以上取らないと合わないであろう代物である。。 見た目以上に旨みと脂があり、身はフワッとして柔らかくほんのりした香り、瑞々しくさっぱりした食感は夏の到来を感じさせる。多分出している時期は2週間と思うがめぐり逢えたらラッキー&幸せであろう。 初ものをいただいたので少しは長生きが出来るか。。。75日寿命が延びると聞いたことがある。。同伴した方が最近大病を患われたので今日はよかったかなとひとりごちする。美味しいと言っておられたので来てよかったと納得。。。 kohadamasaru.JPG 大きくなったいわゆるコハダも出していただき食べ比べをする。。しっかりと締められたコハダも味が深くなんとも言えずかなり旨い。。。全く別の魚のようである。しかし日本酒とここまで会うネタはないであろう。。。。 gomasabakamasumasaru.JPG 鯖づけは和歌山のゴマサバ。。この時期なのに脂乗りのり。粒マスタードの酸味が鯖と相性がいい。この店のスペシャリティーである。どうや顔の店主に降参。。。                                             旬のカマスも皮をあぶって大根おろしを乗せて食す。。香ばしさと皮の部分の脂が満腹中枢を破壊しどんどん食べたくなる。。。旨過ぎてあんまり言葉が出ない。。 kinkiawabimasaru.JPG キンキの握りは甘い肝と芽ネギを添えて。。。これも皮をあぶっているので香ばしくいろいろな味が混然となり一瞬にして胃の中に入ってしまう。。。 軟らかく煮られたアワビは噛めば噛むほど旨味が溢れるほどに染み出てくる。端っこのぶよぶよのゼラチンたっぷりの部分をいつも切ってくれる。実はこの部分大好物。。個人的にアワビの縁側と呼んでいる。かなり大きなサイズのアワビは食べ応えもある。。この店の煮アワビは東京の甘ったるいものと違い加減も程よく間違いなく旨い。。。心の奥深くにしみ通るあじわいである。煮蛤も同様。。。魚をどうすればもっと旨くなるかを最高に知りつくしておられる。。。 ebimasaru.JPG 車エビもこの店のスペシャリティ。。。味噌を射こんでプリプリで美味しいのは当然なのだがその立ち姿も凛々しい。。。。見た目の美しさだけでなく間違いなく食べやすい。。このエビの握りはいつも頭が下がる。。。開高健ではないが魔界でしか出会えない味とあえて表現をしよう。 unikanihamaguri.JPG 毛ガニの身とミソをシャリに混ぜた蒸し寿司に淡路産のウニを乗せたもの。。。香りも強烈。体中に生気が湧き起こり活力がみなぎる。せやけどこの仕事は少しやりすぎ。。。。こんなんばっかりやっとたら死人が出るぞ。。。それくらい旨い。。。これをどんぶりいっぱい食べたい。 煮蛤も最高の火入れで全く固くなく例えるとミディアムレア。。貝の甘みが炸裂で、恍惚感に包まれる喜びを感じる。旨いという次元でなくもはや快感である。。 anagofukusatamago.JPG 白焼のアナゴはホクホクで脂たっぷり。。。いつもは鰻なんだけどよっぽどいい穴子と思われる。 袱紗玉子は出汁がたっぷりで最高の口直しである。 お酒も思いっきりいただく。。いつもこの時点で帰りたくなくなる。。。もういっぺん最初から食べたくなるのは私だけか・・・・ また明日も食べたい。。。来月も食べたい。。。ほんとに思う。。のりちゃんミシュラン5つ星のお店。。 御馳走様でした。 大阪市浪速区下寺2-3-10  06-6649-7227 17:00~1:00


カテゴリー 四天王寺前夕陽ヶ丘, 寿司 |