PICCLO CAPRICCO

ランニングの帰りに表記の店で後輩と打ち合わせ。堺東駅近くの10年以上前からある大箱のイタリアンレストラン。すぐ近くに系列のバーもある。周りはかなり寂れ感のある地域となっている。若いときこの辺りの商店街で映画を見に来た記憶があるけど今もあるのかなとか思いながら店に向かう。

お店はこの辺りにしては大箱で数人の料理人さんと3人のサービススタッフで構成。メニューを見ると美味しそうな様々なアラカルトメニューやそれを組み合わせたコース料理が数種類。この日は一番廉価の4000円のコースを所望する。

アンティパストと各種パスタまたはリゾット、魚料理と肉料理が7種類ずつくらいのなかから自分で組み合わせるプリフィクススタイル。ちょっとええもの選んだら追加料金〇〇円って感じ。

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魚市場が近いせいか鮮魚を中心としたメニューが目立つ。とりあえずは前菜の盛り合わせ,いわゆるアンティパストミストを所望する。大山地鶏のハムは60℃の低温調理で火入れ。子持ちシャコ、かなり新鮮な甘エビとタイラギ貝 あしらえは飾り切りされたラディッシュとバラフ、クスクスなど。新鮮さが前面に出た佳品。

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プリモ・ピアットは北海道産の雲丹のリゾットとオマール海老のアメリケーヌソースを使ったパスタをシェアリングしていただく。

ねっとりとした舌触りのリゾットはミネラルたっぷりの白ワインにぴったり。普段は淡路島産を使用するんだけど台風の影響で入荷なしとシェフがわざわざ説明に来られる。

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オマール海老の片身を使ったクリームソースとソースアメリカーヌを合わせたパスタはかなり濃厚。パスタはメニューによっては、トマトベース、クリームベース、オイルベースから選ぶことができるらしい。

すべての料理について丁寧に料理の説明をして頂く。給仕の女性スタッフもみなさんしっかりとしててとても親切で細やかな事にも的確に対応。料理のシェアも嫌がらずに気持ちよい対応に感激する。おもてなしの心が行き届いている。

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セコンド・ピアットのペッシェは新鮮なマナガツオの塩焼き。。料理はとてもシンプルで昔のイタリアンを彷彿させる。しかし50才のおっさんにはこれが妙に食べやすくて落ち着く。イタリア人のようなイケメンのシェフも52才と言っておられた。

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カルネはオーストラリアのヘレ肉のグリエ。サービスのサマートリフを削りにシェフがテーブルサービス。肉もとっても柔らかくて美味しい。。シェアしたとは思えないほどのしっかりボリューム。。

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ヨーグルトのアイスと桃のコンポート、マンゴームースのケーキの取り合わせ。お酒もたくさん頂いてお腹もいっぱい。週末は食事をしながらのライブコンサートなどもあると言ってました。

詳しくはこちら

堺市堺区北瓦町2-3-8 北條第2ビル1F
TEL 072-238-3000
火曜日定休

ピッコロ・カプリーチョイタリアン / 堺東駅花田口駅大小路駅

夜総合点★★★☆☆ 3.5


カテゴリー 堺市, イタリアン |

まさる 7月

今年大学2回生になる長女と二人で夕陽ケ丘の表記の店を訪問する。毎季節ごとに15年くらい通っているんだけど7月上旬のこの時期は絶対にはずさない。小さな表札だけの知らなければ通り過ぎてしまう店構えなんだけどいまや大阪を代表する江戸前寿司店となっている。私の友人もたくさん常連となっている。

店はカウンターのみ9席。店主の顔面がいかついとこのブログで毎回紹介するとその顔見たさに客が訪れると聞き及ぶ。小さなお店なので当然予約は必須。ビールを頂きながらまずはいつものようにお造り盛り合わせを頂く。

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コリコリした食感でとってもいい香りの赤貝、皮目を炙った分厚い太刀魚、これも皮目を炙って骨切りをした脂がノリノリの穴子。あっさりしてるんだけど脂っ気も感じるコチ、釣りの鯵、真ん中は剣イカに淡路の雲丹を乗せたもの。

これだけでビール2杯所望してしまう。何を食しても美味し過ぎで全くの隙がない取り合わせ。このあとはどんどこおまかせで握って頂く。。

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最初に軽く〆られた鱚。大葉が中に鋳込まれている。6月(梅雨時)の鱚は絵に描いたものでも食べろと言われるくらい脂がのっていてまさに旬真っ盛りの白身魚の代表。高級魚のあまて鰈はマコカレイの関西式の呼び名で同じ白身のヒラメとは違ったねっとりしてもちっとした舌触り。身にしっかりと脂が乗っていて甘くて熟成感も感じられ上品でとてもふくよかな食味。

そしてこの日のメインイベントというかお目当ての新モノのシンコ。この日は驚愕の8枚付け。仕入れ値は1キロ2万円と言っておられた。歩留まりが悪いので最高級のトロよりも高くつくのは私も飲食業なのでよく理解している。金魚のような魚体を丁寧に若い板前君が三枚おろしをして薄い塩水で締める技は気が遠くなる作業である。

原材料だけで一匹150円位するので原価は1200円くらい。店主が「お客さんへのお中元みたいなもんですわ」と笑って言っておられた。関西でこのシンコを仕入れてこの価格でお客に出する気概のある店は他には知らない。

握られたシンコはしっかりと旨みもありコハダの味がしっかりとする。身は稚魚なので瑞々しくてフワッとして柔らかく、さっぱりした食感とかそけき食味は梅雨明け間近の夏の到来を感じさせる。

初ものをいただいたので75日は長生きが出来るなと喜ぶ。。隣の席で一口で食べまくる大学生の娘には少し贅沢だなと思いながら出てくる握りを堪能する。

皮目を炙った旬のカマスはとても香ばしく皮と身の間の脂がじゅわっと染み出して口の中が旨味満載となる。旬のカマスは炙った皮が特別おいしい事で有名。

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きんきは皮目を軽く炙って肝と芽ネギを乗せたもの。。これも皮の部分の脂分がとてもいい。握られた寿司はどれもがビジュアルもよくてシャリに空気がたっぷり入っているので皿に置かれた瞬間少し沈み込む。口に入れるとはらりとほどける。。。。とにかく端正で美し過ぎる寿司である。

巨大な真イワシをしっかり締めて薄板昆布を巻いたものは塩気もしっかりしていて麦焼酎にとてもよく合う。

アワビは大振りのものを時間と手間をかけて柔らかく炊き込む。いつも好物のエンペラの部分を選んで切り付けてくれる。ぐにゅぐにゅして柔らかで噛めば鮑の旨味が溢れる。東京の甘ったるいものとは違い江戸前を更に進化させたこの店のスペシャリティーである。まさに心の奥まで届く味わい。贅沢な話だけどこれを食べたら生の鮑や鉄板焼きの鮑は食べれない。

車エビもこの店のスペシャリティ。。。中に海老味噌を射こんでて身もプリプリで美味しいのは当然なのだがその立ち姿も凛々しい。。。。見た目の美しさだけでなく食べやすさもいい。。このエビの握りはため息が出るくらい美味しい。。魔界でしか出会えない味といつも表現する。

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お造りでも頂いた淡路の雲丹は海苔なしで握られる。1年間で一番美味しい時期と言っておられた。えぐみやミョウバン臭さは当然ない。好物のタイラギ貝と皮目だけを香ばしく炙った鱧は追加注文。味噌がたっぷり載せられた甘すぎる身の毛蟹も旬真っ盛り。

この店のもう一つの名物はご主人の顔面の怖さ。坊主頭でカウンターで直立不動で仁王立ちすると夢に出てきそう。でも話し方は穏やかで気さくで性格はとても優しい。。寿司にかける情熱がこの顔をつくるんだなと納得。

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この時期旬のツブ貝もコリコリして磯の香がとてもいい。焼きたての鰻で寿司米を包み、それを焼き海苔で巻いて出される。鰻が鰻屋よりもうまいという掟破りの反則技。

巨大な煮ハマグリもこの店のスペシャリティ。火入れが絶妙で身がふわふわ。江戸前はしっかりと醤油を入れ炊き込むんだけどこちらの店はミディアムレアで出汁に漬け込む技術が素晴しい。この店のハマグリの握りよりおいしいものは今まで食べたことがない。

大間産の大トロは軽く炙って供される。私は苦手なので遠慮したが娘は口に入れた瞬間悶絶状態となる。

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私はトロの替わりに剣イカの一番太い足部分を所望。いろんな野菜と山芋や海老や鰻の端っこがたくさん入った袱紗玉子もこちらのお店の名物商品。

〆は軽くボイルされたキャベツを巻き込んだもの。娘と二人でお腹いっぱい胸いっぱい。。次は秋に訪問予定。。

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*地元の商店街でこんなおじさんが歩いてたな・・・背が高過ぎやな・・・

大阪市浪速区下寺2-3-10
06-6649-7227
平日17:00~翌2:00日祝17:00~23:00
定休日:水曜日


カテゴリー 四天王寺前夕陽ヶ丘, 寿司 |

雷光

普段長居公園を一緒に朝ランするブラインドの友人と昭和町にある表記のちゃんこ鍋屋さんで会食。長居公園駅から地下鉄に乗って昭和町下車。そこから徒歩1分。友人は目が見えないけど嗅覚と味覚、聴覚がとても優れていて喫茶店の横を通るとコーヒーの香り、たこ焼き屋の横だとソースの香り、うどん屋の横だとかつお出汁の香りがするといいながら店に向かう。

カウンターに座ってビールで乾杯。この店はかなりいい腕の板前さんがいて鍋以外の料理もクオリティーがなかなり高い。カウンター前に調理師3人とラフにTシャツを着たご子息の4人で対応。女将さんも常連客の話し相手として途中から登場。

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まずは名物のおからを所望する。いわゆる卯の花と呼ばれるもの。いい出汁を使って丁寧に作られている事は口に入れればすぐわかる。ポイントは油で丁寧に炒める事なんだけど(私たちの業界用語では「ける」といいますが。)木ヘラでパラパラになるまで炒めるのは結構根気がいる仕事。おからに油を吸わせる事で水分を抜くんだけど先に絞って灰汁を抜くのも一つの工夫。しんみりとしたいい味加減でこれだけで生ビールが1杯飲む事が出来る。

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見た目も美しい蛸の煮物もプロの仕事ぶり。上質の生ダコを丁寧に炊き込まれていてとっても美味しい。お店はカウンター席が15席とテーブルが1卓、2階に40人位入れる座敷がある。冬場は毎日予約がいっぱいでとてもじゃないけど入れない。特に大阪場所中は大混雑状態となる。お店の板前さんも相撲にはとっても詳しく遠藤がどうとかこうとか常連客と話しておられた。

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日替わりのお造り盛りあわせは量と質の差で価格は3段階。この日はお勧めのクエの刺身と蛸のぶつ切り、蒸し鮑、タラバガニの蟹味噌掛けの4種盛り。クオリティーの高さに驚く。

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現在仕入れ値がもっとも高い鱧。レアな火入れと骨切りの細かさでさらに身が甘く感じる。食材原価50%超えのサービス品。あしらえは撚り南京、みょうが、蓮芋、珍しいフィンガーライムを齧りながら梅肉醤油で頂く。

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看板商品のちゃんこは味噌味2500円と雷光鍋と呼ばれる醤油味2400円があってそれぞれ具材も変わるんだけどこの日は醤油味でサッパリと頂く事にする。普段食すのは味噌味が多いんだけど・・・

雷光の店主は力士(出羽の海部屋)を引退後、料亭で修行を積んだので鍋を含むすべての料理がプロ仕様である。ちゃんこ鍋は2人で1人前の鍋をシェアする。黒豚のバラと肩ロース、地鶏肉、焼き穴子、餃子、厚揚げ、もやし、牛蒡、ニラ、えのきなど2人で食べてもボリュームたっぷり。

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鰯のつみれもとっても新鮮。これってよく似たものがスーパーとかで売ってるけど粉の味ばかりで魚の味がしないものばかり。滋味深くて出汁にぴったり。日本酒が進みまくる。
〆のうどんまで一気に食す。。日本酒を浴びるほど頂いてお代は一人6000円。。お腹いっぱいになりました。

大阪市阿倍野区阪南町2-4-22
TEL 06-6623-0917
月曜定休


カテゴリー 昭和町, |