現在食べログ焼肉部門日本一の「又三郎さん」の超熟女オーナーに誘っていただき神戸元町にある表記の店を訪問する。
スペインのバスク地方の薪焼き料理を日本で伝承される希有なお店で以前はNudaという店名でされていたらしい。(聞いてはいたけど訪問はした事がない)店舗の改装と共に店名も変更し更に尖ったこだわりの料理を提供されていると聞き及ぶ。
元町駅から西に徒歩5分の路地の間にあるかなり分かりにくい場所に加えて看板がない外観。入り口にあるのは大きな石と緑だけ。よく見ると名刺サイズで小さく表記。当然の事ながら事前に予約をしているんだけど前日からキャンセル料が発生するらしい。
訪問した際はノーゲスト。スムーズに接客、調理をするために1時間ずつ時間をずらして予約を取っているとの事。店内は、テーブル12席とシェフズカウンター2席。細部を含めて照明や壁、調度品などこだわりのある上質な空間となっている。
苦手食材(マグロ)だけを事前に伝えてワインも含めてすべてお任せでお願いする。
スタートはChartone Taillet Roseオレンジ色がかったピンク色のシャンパン。 エレガントな香りでとてもスパイシーで少し焦げた香りもする。質感もあり力強くしっかりしたミネラル感があって活滑らかで吸い込みというか舌触りもいい。最後までフレイバーの余韻が残る。
この力強いシャンパンに合わせたのが(逆かもしれない・・)河内鴨を使った自家製のチストーラ。いわゆる生のチョリソーらしい。バスク地方の名物料理らしい。腸詰めにせずに直接さっと表面だけ焼いて仕上げたもの。パンとの相性は抜群。皮がないからとても食べやすい。スペイン産豚肉で作ったものは過去にメインディッシュで頂いた記憶がある。
自家製バターの上に生のたまご茸のスライスを載せたもの。たまご茸って毒キノコの「紅てんぐ茸」によく似ているのでボーイスカウトをやってたときに食べては行けない食用キノコと習った記憶がある。かすかに薫製の香りをまとったバターをナイフで削りながら一緒に頂く。見た目よりも甘味と旨味がしっかりあってかなり美味しい。例えれば・・・・・思いつかないな・・・・
このキノコ料理に合わせたのがsancerre 2012 alban roblin フルーティーなんだけどごつごつ系のミネラルをしっかりと感じる。
グラスに鼻をいれるとハーブと甘いフルーツの香りがする。後味のクセがこのキノコの料理とよく合う。
淡路島でとれるとびあら海老(サル海老)を薪で焼いたもの。新鮮な海老なのは一口頂けば理解出来る。油で揚げた料理はよくあるけど丁寧に焼き込む事で海老の水分も適度に残って頭の味噌も非常に美味しく頂ける。上に乗っているハーブはオゼイユ。いわゆるスカンポと言われるもの。子供の頃ボーイスカウトでハイキングに行ったときにこの茎を歩きながらよく食べた記憶がある。当時はスカンポの酸っぱさが疲れを吹き飛ばしてくれたけど今はなかなかそんなわけにいかないな・・・とか思いながら海老をぼりぼりと食す。
この店のシェフはスペイン バスク地方の「エチェバリ」という薪焼きのお店でこの手法を学びこの地でNudaを開業されたといっていた。
この海老の料理に合わせるのがsancerreの2004年のもの。2012よりも当然しっかりしていて甲殻類との相性は抜群である。
続いて淡路産の鰆を薪で焼いたもの。お客さんに提供する3時間前より薪に火をつけて準備するらしい。中は完全なレアな状態となっていて刺身のようでもある。ねっとりして新鮮なのでとても美味しい。
上に載せられたのはウイキョウの花でいわゆるフェンネル。古代ローマ時代から食していたと聞いた事がある。株はよく食べるけど芽の部分は初めてかもしれないな・・
この料理にはpuligny montrachet 1er cru le combettes 2010 F.carillon この料理にはこんなワインが飲みたいなと思ったものがドンピシャで出てきた。。同じものを最近、肥後橋の和食店でも頂いた記憶がある。いわゆる除草剤を使わない系の畑でフランソワーカリオンという人が作り手らしい。会った事はないけどな・・
缶詰の桃の香りとしっかりした味わいがあるんだけどとてもフレッシュ感がある。力強さ満点。。
ここで焼き野菜がいろいろ出てくる。しまささげ、三度豆、みずのみと言われる山菜はとろっとして美味しかった。。空芯菜にオクラ、ゴボウ、カボチャ、インカのめざめ、マイクロトマト、玉ねぎ、ケール、大根、高知産のプチトマトなど栄養満点健康家族状態。しっかりと素材の旨味と甘味が伝わってくる。
ここでミュスカデ君の登場なり。正式名称はMuscadet Sèvre & Maine Expression d’Orthogneissと記されていた
これぞテロワールと言ったミネラルを感じさせる柑橘系の果実味とキレキレの酸味が魚介類にぴったり。ミュスカデってシャブリと一緒で安くて不味いイメージがあるけど、これはマスカットの香りに静岡のクラウンメロンの香りもする。いい意味で裏切られたミュスカデの枠を超えた白ワイン。
このワインにはフランスモンサンミッシェルから空輸したらしいムール貝の薪窯焼き。塩分は全く足さないで貝の塩分で食べる趣向である。地元の方のように空いた貝殻で別の貝をつまむのもいいけど同伴したマダムはとても上品な方なので丁寧にフォークで頂く。
ここで2011 Txakoli No.7 チャコリ ヌメロ・シエテの登場。。
イチャスメンディはピカソの絵画で有名なゲルニカに構えるワイナリーらしい。そこで飲まれるのはバスク特有のワインのチャコリ。多分シェフはこのワインをコース料理のメインドリンクにされているのであろう。チャコリッて庶民的で軽くてフレッシュというイメージがあるんだけどこのチャコリはリースリングをブレンドしてるせいか熟成感やふくらみが感じられる。ハーブの香りが口いっぱいに広がってとても豊かな味わい。しかし透明感や凝縮感は損なわれてはいない。。
魚料理のメインは淡路産の天然の鱸の薪窯焼き。。あしらえは胡瓜を軽く焼いたものとみょうが。これも丁寧な火入れが際立つ逸品。直火と余熱で丁寧に焼き上げておられる。サービス担当の方は神戸のホテル出身でソムリエ教室の先生もされていると同伴の方が言っていた。当然ワインや食材、調理などの知識も豊富でヘーなるほどというお話をたくさん伺った。今回の流れるようなワインのセレクションには敬服する。
ここで正真正銘のチャコリの登場。アルコール度数が低いのでグイグイ飲める。日本の「いいちこ水割り」のような感じであろうか。柑橘の香りと酸味、ほのかな苦みも感じられる。ソムリエさんが泡を立てるために高い位置からグラスに注ぎ入れてくれる。香りが立って口当たりが良くなるらしい。このお酒はバーベキューには最適だと思うな。
子羊のポレンタというものを初めて食す。ポレンタは北イタリアの伝統食でとうもろこしの粉を水で煮込んで練り上げたものらしい。塩分がひかえめで黒胡椒しっかり。上には子羊を低温の油でコンフィしたものが載る。モチモチした食感なんだけど結構お腹にくる。。
最後はトスカーナの赤ワイン。すこし透明感のある色調。熟成したクラシカルな味わい。ベリーの香りとシュッとした味わい。。ここでヘビーなワインを出さないセンスが素晴しいと思う。
ホントはもう少しだけいいワイン飲みたかった・・・・
土佐あかうしのヘレ肉のステーキ。同伴マダムが熟成感があるといってたけど私には感じられなかった
焼き加減は海外仕様のブラック&ブルー。表面は焦げるほどカリカリで中は超レア。専用のナイフが出てきて大きくカットして食す。ヘレだけど凄い歯ごたえと肉の柔らかさ,旨味が渾然となった食感。もっとざっくりとした料理を予想していたんだけど薪の火をかなり繊細に扱われておられるのに驚く。
水はサンペレグリノのガス入りミネラルウォーター。
パイナップルのアイスのあとは自家製の燻製アイス。。燻製の煙の香りだけを付けてる。聞けば企業秘密だって・・・
かなりよく食べてよく飲みました・・・・
兵庫県神戸市中央区元町通3-14-5
電話: 078-331-6780