大繁盛店の活魚料理の「マッシュアップ」や行列ラーメンの「群青」など小さいけどこだわりのある天六飲食店街レンガ通りに新しく出来た焼き鳥店。隠れ屋のような控えめなファザードはよく見ると予約客のウエルカムボードが小さく飾られる。
間接照明の効いた綺麗なシュッとした感じの店内は肘置きの付いた椅子と綺麗なカウンター。かなり高級な印象。奥にはテーブル席もある。ハートランドビールの生を注文してコースの始まり。この日はイケメン店主一押しの鳥刺しの付いたコースにしていただく。
刺身が出来るまでおぼろ豆腐とトマトの突き出し。突き出し一つとってもセンスの良さが突出している。
出てきた刺身14種盛り(普段は12種なんだけどサービスしていただく)は甘めの薩摩醤油とごま油でいただく。
希少部位と鮮度にこだわった鳥刺しは「ささみ」、とっても甘い「脂肝」、脂ののった「とろせせり」、目にいいと店主が言っていた脾臓の「目肝」、どこの肉かよくわからないけど「腰」、砂肝より少し固めでコリコリした食感の「えんがわ」、モモの根元の「ソリレス」、首皮よりもしっかりした味わいの「腰皮」、いわゆる心臓の「丸心」、「筋胃」、横隔膜の横の「ハラミ」、「手羽先」、「背肝」など・・・生で食したことのない部分ばかり。味わいや食感の異なりがあってとても楽しい。鮮度の管理と手間が大変である事は見ただけでわかるがこの刺身はぜひ食すべきメニューである。ただし前日までの予約が必要らしい。
箸休めは大根おろしに柴漬けをあわせたもので口の中がとてもサッパリする。
ここからは焼き物。最初は脂ののった「もも葱」。炭をきちんとコントロール出来ているので火入れ具合は完璧。
「みさき」はぼんじりの付け根だと思うのだが歯ごたえと濃厚さは比類ないものである。
丸ハツは心臓の内膜をひっくり返して円錐形を保ったまま焼いたものでこの形で出している店は珍しい。柔らかくて脂がありとってもいい。
なんこつは多分、膝の部分であろうかコリコリしてとっても美味しい。。
この店オリジナルで自家製の赤しそチューハイは見た目も麗しくて気分があがるドリンク。結構サッパリしてて美味しい。女性は多分皆好き。
雲丹むねは大振りにカットされた生の胸肉を海苔で巻いて薯蕷のなかに練り雲丹を隠し味にして手で巻いていただくと言う趣向。あっさりとした胸肉に雲丹のアクセントと薯蕷の相性もとてもいい。
とろ皮は脂ののった分厚い皮の部分で、丁寧な火入れでばりっとしながらも口の中で脂がほとばしる。クリーミな味わいがとてもいい。
ここで特製の玉ねぎ系のドレッシングがかかったサラダが出てきて口やすめ。
ワサビと梅ののったささみはレアで供される。新鮮なのは言うまでもないが火入れの巧みさで美味しい食材が更に美味しく変化するのはとても興味深い。
野菜は山いもと金針菜。百合の花の蕾とよく言われるけど萱草の蕾。栄養価が高いと聞いたことがある。
〆は雲丹スープ茶漬け。。これも練り雲丹を隠し味にしているので鶏のスープの味わいが深くなって面白い。
卵御飯はちょうちんを使用。内臓に殻と白身に覆われる前の卵黄でフォークで突き刺すと黄身が弾ける。濃厚な卵黄と御飯とタレの相性が抜群。
デセールは皮ごといただける岡山シャインマスカット(晴王)。アイスクリームやシャーベットより気が利いている。
気になる価格はサラダ・雲丹むね・串7種で2000円。今回はこれに刺身をつけていただく。お酒を数杯いただいて5000円くらい。こちらの店もすぐに予約の取れない店になるので今のうちにレッツゴー。
大阪府大阪市北区天神橋6-3-26
レンガ通り内050-5570-5517