じき宮沢

3月下旬に某団体の役員会にて京都の超人気和食店をリザーブいただき相伴をさせていただく。近くには京都の台所の錦市場があり観光客でかなりにぎわう。ちょうど美容院で見た婦人画法4月号にこの店が大きく掲載されており楽しみにして参上する。

カウンターを中心としたお店はの客は女性ばかりでもちろん満席状態。この店の人気のほどが伺える。

最初にお印と言われて抱腹絶倒と言う伏見の酒をついでいただき乾杯する。フルーティーで飲みやすく一気に行ってしまう。

鮎の稚魚(新子)と一寸豆の黄身酢掛け。カマスの子などはよくいただくが鮎の稚魚はあまり食す機会がない。一寸豆はもちろん湯がきたて。黄身酢の塩梅がすばらしい。

煮物は若布と筍。この筍が強烈な個性がある。詳しく言えばいい意味で筍のもつ特徴がまるでない。。掘った方がその場で湯がいてお店にもってくると言っていた。今まで私がいただいた中で最高に柔らかで、あくが全く感じられない筍であった。。

ああびっくりした。。

お造りはスズキの昆布締めにワサビの花をのせたものその上に四万十の青さ海苔。。細かく刻まれた塩昆布が入っている。ラリックの器がテーブルに陰影を写し美しすぎるビジュアルである。この器は一目見てわかった。。

そして名物の焼きごま豆登場。。は炭火で丁寧に焼かれたごま豆腐は表面がぱりっとしてそこにアーモンドのように油分の高いごまクリームを「あらよっ!」とかけてその上につぶしたごまをぶっかける。スプーンでいただくとほろほろとほどけて香ばしく風味豊かな胡麻の香りが鼻孔をくすぐる。舌障りはブランマンジェのようにぷるぷるする。。

小鍋仕立ての伝助穴子。脂が思いっきり乗っていてかなり旨い。のびるやふきなどの春の野菜の苦みが心地いい。大人な一人鍋である。

土鍋で炊きたてのやわやわのご飯をまず一口どうぞと供される。はじめの一口は芯がしっかり残っていてみずみずしさが際立つ。お茶時の懐石を意識しているのであろう。2膳目は少し蒸れてパスタで言うアルデンテ状態から少し蒸れた感じか。

3膳目はお腹がいっぱいで遠慮をした。

切り干し大根と香の物はとても丁寧に作られていた。これもお替わりしてくださいとのこと。。とても親切なり。

日向夏と大振りのイチゴは超甘。素材のよさが際立つ。。

抹茶とともに炭火でかりっとあぶられた桜の形の最中が登場。中に手作りの甘くない粒あんがぎっしり。

このコースで5000円。もう少し安いコースもあると聞き及ぶ。しかしながらコストパフォーマンスに優れた素晴らしい昼食に心から満足して帰阪する。

中京区堺町四条上ル東側八百屋町533-1 TEL:075-213-1326

じき 宮ざわ割烹・小料理 / 烏丸駅四条駅(京都市営)河原町駅

和食 京都市

大阪とらふぐの会 本店【大阪市 寺田町】

友人にご紹介いただき会員制のふぐ専門店に伺う。この店は寺田町駅前にある同名の店の本店らしく、かなり古い怪しげなマンションの6階に看板も表札もなにもなく営業されている。

もちろん食べログや情報誌などにお電話番号、住所は一切載せていないお店と聞き及ぶ。

ここでほんまにええんかなと言いながら恐る恐るマンションの鉄の扉を開けるとそこは絢爛豪華な和のテーブル席となっている。よく見れば普通の飲食店。デザインされていていい雰囲気をしっかりと醸し出している。

コース内容は、皮湯引き、てっさ、アブラ造り、焼ふぐ、唐揚げ、てっちり、雑炊、デザートの1コースのみ。その他、追加料理やワインなども豊富に揃っている。

ビールで乾杯して早速食事開始なり。

白髪ねぎてんこもりの皮湯引きは金粉がのせてあり、やや太めのカットでこりこりして腰がありモチッとしているがまあ普通。


てっさも想像よりよかった。飴色の身はふぐの味も濃くむっちりした食感もちゃんとありふぐを食べてる感がある。ボリュームも充分。脂部分も秀逸。これでこの店のレヴェルの高さがわかった。

店が暗いので写真の色がどうしてもこうなってしまう。。誰か撮影の仕方教えてちょ

台湾の留学生の女性店員が鱧の落しがおすすめなのよと勧められ。所望する。。この時期にしてはかなり良い脂がのっていてとっても美味しい。

ふぐのひれスープ(オクラ冷製) は名前の通りふぐのヒレで出汁をとっているらしい。。中にはオクラが入っていて、ねばりけがあるがすっきりして良い出汁が出ていて夏場にぴったり。

脂の造りはどこな脂か不明であるがごま油との相性抜群。お酒がどんどん進む君。

名物の焼きふぐはニンニク味の透明の塩ダレのようなものに浸したフグの身を網の上でコンロで焼く。身は焼肉のロースやカルビのような厚み。写真のフグ身の上にある赤いのは唐辛子。見た感じは、塩ダレの焼肉て感じか。ニンニクも一緒に焼いていただく。

網にのせ、さっと焼いて食べます。味が付いているのでそのままパクパク食べてしまう。口の中に旨味が思いっきり広がる。この食感と旨味にははまってしまう。

「とうとう身 」ももちもちしてかなり旨い。焼くと、ぷりぷりのふわふわ。めっちゃ、おいしいと思わず声に出る。コラーゲンたっぷり。

骨付背肉(秘伝醤油味)は骨付きカルビのよう。こちらはピリ辛ダレで味付けされていてこれもめちゃうまい。白ワイン進みまくり。香ばしくて食欲進みまくり。

フグの唐揚げは、身が大振りでケンタッキーフライドチキンのよう。食べ応え満点なり。


ひれ酒を注文すると部屋の電気を消して火をつけフランベしてくれる。青い炎がとってもロマンティック。

ヒレの香ばしさも倍増。美味しすぎてお替わりしまくって酔っぱらってしまう。。

ついでに焼き白子も注文する。やっぱ旨いもんは旨い。これも上質であった。

最後の鍋(写真忘れた)は身もたっぷりで大きめのふぐを使っているので
骨と身の間に噛むとふぐの旨味成分がじわっとしみ出てボリューム満点
野菜は、白菜・くずきり・エノキ・三つ葉・木綿豆腐。お腹いっぱいだけどスルスル入る。

雑炊は、店員さんが作ってお茶碗に入れて持ってきてくれる。卵で とじた雑炊は、フグの旨味がよく出ていて まろやかな。。

デザートをいただき。最後はご主人といろいろ話して店を出る。。なかなか良い時間を過ごすことが出来た。

どういう訳か私もこれで会員なり。。値段はそこそこだが雰囲気と料理内容からするとCPはかなり高いと感じた。

大阪市 寺田町 その他料理和食

懐石料理 徳 住之江本店【大阪市 住之江公園】 【大阪市 住吉公園】 【大阪市 住吉大社】 【大阪市 北加賀屋】

25歳から住之江で茶道を始めた。その時期は自分で料理を作っていたので何かの役に立つかなとの思いで近所で評判の男の先生がやっている教室に入門した。何もかも始めてのことで多くの女性生徒の中で私だけが男性だったせいもあり毎回緊張の連続だった。

お茶のいただき方はともかく玄関の入り方からふすまの開け方まで丁寧に教えていただき当時の私は知らないことばかりでカルチャーショックを受けた。

季節によって変わるお茶碗やお菓子、苦くて甘い抹茶をいただきながら日本文化に触れている喜びを感じていた。先生の表千家流の本流に則ったお手前は所作がとても美しく見ているだけで時間の経つのを忘れている自分がいた。

お稽古をしているときは釜から出る湯気の音だけの世界に引きつけられ気づくと7年くらいどっぷりとその世界にはまっていた。と同時にその先生の人柄にひかれずっとおつきあいを続けさせていただいた。

私の2人の娘も小学校に入学したところで入門をさせていただきお稽古をつけていただいた。

昨日その先生がお亡くなりになった。教室をやめられてから久しいが定期的に棒寿司などを持ってお顔を見に行くと「本当に忙しいのに来てくれてありがとう」と喜んでいただいた。

ご子息から父の遺言で「自分が死んだときは生徒が集まって徳さんで精進落としをしてください」と常々おっしゃっておられたと聞いた。

一生徒である私のことをここまで気にかけていただいたことに胸が熱くなる。教室に通わなくなって約20年。当時のうら若き同門の方々もすっかり落ち着いた感じとなっておられ年月の経ったことを実感する。

担当調理師に指示を出し当店のミニ会席3500円を少しアレンジして精進落としを社中の皆さんとともにいただく。

先付けは胡麻豆腐の上に芹の胡麻和えをのせたもの。(写真なし)

お造りは天然鯛の昆布締め。シマアジ。剣先イカ。

 

煮物椀は筍と菜種、長芋に鯛の子。良い出汁が引けていた。筍もまあまあ。

八寸は筍の木の芽和え、合鴨ロースワイン煮、鮎の甘露煮、村雨玉子、椎茸と細魚の手まり寿司。

天然鯛の塩麹焼き。アスパラガスの胡麻和えとからし大根。

天ぷらは海老風味揚げ、たらの芽、茄子、南京。

食事とお薄と苺大福で締め。

社中の方々といろんな話をしながら食事をしていると当時先生からいただいた温かい言葉を思い出し心が震えた。。もっといっぱい話をしておきたかった。。

大阪市 住之江公園大阪市 住吉公園大阪市 住吉大社大阪市 北加賀屋 和食