2014年03月

御食事処 ひかる【大阪市 住之江】

50年前に私は住之江区の西住之江というところで生を受ける。その頃、父は母と一緒に富士センターという小さなショッピングセンターの中で「魚徳」という鮮魚店を営んでいた。そのショッピングセンターの魚屋の横に小さい小さい家を建ててそこで暮らしていた。物心ついたとき(5歳くらい)にそのショッピングセンターは廃業となりしょうがなく両親は住之江区の加賀屋で6坪の寿司店を開業する。

その寿司屋は夜中の2時頃まで営業していたので当然、幼少の私は鍵っ子となり夕方まで友人と遊んだあと年の離れた高校生の姉の帰りを待って一緒に姉の作る夜ご飯を食べた。土曜日は特にする事がなかったので半日中大和川の堤防で一人で川を眺めていた。首には毛糸で吊るした家の鍵が一つ。姉も社会人になり残業やおつきあいで帰りが遅くなると晩ご飯を食べる事が出来ない。

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そんなときに表記の食堂でお世話になった。小学生の低学年の子供の晩ご飯を優しい言葉をかけてくれながら愛情を持って作ってくれた。

お金を持っていなくても食の細い私に好きなものを食べさせてくれた。母があとで支払いにいく。私は当時皆に「和ちゃん」と呼ばれていた。。

近所に用事があり40年ぶりの訪問となる。ずっと前に一度食事をした事があるんだけどそのときは何も言わずに食事をして帰った。この日は幼少の頃のお礼を言いたくて訪問する。

お店は40年前と全く変わらず。古いんだけど掃除が行き届いていてどこもピカピカ。外観はいかにも町の食堂。中もまったくそのまんま。飾り物も音楽もない。

当時若くてすらっとしていて綺麗だった女将さんも今年71歳と言っておられた。うどんや丼、ショーケースに入ったおかずがいろいろ。。どれもがちゃんと作っていて芯の入ったものばかり。見ただけで美味しいとわかる。。

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子供の頃こういったものを毎日食べてたんだなと思いながら壁に貼られたメニューをしげしげと見る。

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この日はきつねうどんと出し巻200円、中御飯を所望する。若いときの女将さんの印象しかないから女優さんが老人の役でメイクしているようにしか見えない。女将さんが配膳で動き回る様子を見ているといろんな幼少の頃の出来事が走馬灯のようによみがえる。

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出汁巻はひたすら柔らかい。味の加減も完璧。うどんの出汁も美味しすぎる。食べてるうちに目がうるうるとなる。食後に一息つきながら、このお店の裏に自宅があった事。晩ご飯ほぼ毎日お世話になっていた事。このうどんを食べて自分は大きく育った事。このうどんが自分の食生活の原風景である事。そしてそのお礼をちゃんと言いたくて今回訪問した事。そんな事を話させてもらった。

話をしていると涙が出てきた。。「和ちゃん、ちゃんと覚えてるよ・・」「魚徳さんも商売立派になりはって・・・よかったわ〜」寡黙なご主人も表に出てきてくれて話し込む。。

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「父母も健在なので今日の事は報告します。本当にありがとうございました」と申し述べて店を出る。

住之江区西住之江3−2−21

大阪市 住之江 麺料理和食

居酒屋 泉【大阪市 住吉】 【大阪市 住吉公園】 【大阪市 住吉大社】

久しぶりに住吉大社駅徒歩1分にある表記の居酒屋おひとりさま訪問。この地で約40年営業している。横にあったパチンコ店は先月廃業。この近辺では老舗の部類に入る。カウンターだけの店なんだけど店主の超強烈キャラと手作りおばんざいにひかれて常連客が集まる。

「よ〜久しぶりやんけ!!」から始まって「生きてたんけ〜よっ、わーれ〜」と言う挨拶を頂く。常連になればビールのタンクの交換やちょっとした小間使いを強いられる。。この日もり◯な銀行の部長2人がおばはんにいじられながらいろいろと雑用を楽しんでおられた。。

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ビールと南京とそぼろを炊いたおばんざいで一人乾杯。店内は阪神タイガースグッズ満載なんだけどかなり年季がはいっている。

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真弓監督の現役のときの写真がずっと昔から貼られている。サントリーオールドでハイボールを作ってもらう。生まれて初めて飲んだな・・そのあとは焼酎水割り。いいちこと黒霧のどちらかなんだけど水はいつもの大阪市水道局を蛇口から直接注ぐ。これが又味わい深い。そのあいだに予約の電話もかかってきて「はよこんか!あほんだら!!!」と客を愛情を持った罵倒。。
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そのあいだにも奇天烈会話は続きまくる・・・大声と巻き舌でマシンガントーク炸裂
「兄ちゃん!最近〇〇(隠語)やっとるけ!?」

「タイで語学を教えてる一人娘が日本に帰ってきて・・・・云云かんぬん」

「この前、三国ヶ丘の居酒屋で客と一緒に飲みにいったら朝方の4時になってえらいこっちゃ・・・云々」

「10年くらい△△△(隠語)してないんで〇〇(隠語)が×××(隠語)になってきてかなわん・・・云々」

大阪で男女の下半身をさす○○○(隠語)や×××(隠語)という言葉は普通のように飛びかう。ランニングで10キロ痩せた私には「顔色悪いであんた癌ちゃうんか!!」とビーンボールを投げ込む。

しかし店主もお酒が入って時間がたつと「29才で店を始めたときは私べっぴんで有名やったんや」「うちの娘37歳になってるんやけど見た目は30歳くらいや・・・」「私に似てべっぴんなんや・・・」「死ぬまでに孫の顔みたいんや・・・」「母一人子一人の娘が可愛くてしょうがないんや・・・」

人情酒場になってくる。しみじみタイムもいい。「兄さんは仕事は何をしてるン」「景気悪いからたいへんやろ・・」「子供は何歳?」

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この店どういうわけか11時頃まで客は途切れない。必ず誰かがいる状態。。住吉大神のご加護のせいか・・・

赤ナマコ480円はてんこ盛りでお酒によく合う。何を注文してもてんこ盛り状態で提供いただけるのも人気の秘密。

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タコブツ480円。モーリシャスの蛸が品薄ってインターネットニュースに出ていたな・・とか思いながら今日も飲み過ぎてしまう。。

大阪市住吉区長峡町2-14
06-6674-0330

大阪市 住吉大阪市 住吉公園大阪市 住吉大社 居酒屋

麺と心7【大阪市 天王寺/阿倍野】

阪堺電気軌道鉄道上町線阿倍野駅南100mにあるラーメン店。電車で店の前を通るたびに行列ができているのでずっと気になっていた。この日は知人の葬儀参列の帰りに訪問する。鶏と魚介のW白湯スープが看板商品なんだけど普段ラーメンを食する習慣がないのであまりよく理解出来ない。

「新味」と呼ばれるカジキマグロをスライスしたものを温燻低温調理でレアに仕上げたものがチャーシューと共に麺の上にのっかったものが有名らしいがマグロが苦手なのでチャーシューだけがのっかったデフォルトの商品を所望する。

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ビジュアルがとても美しい。。美しいものは必ず美味しいと言う原理原則がある。W白湯スープは鮮魚のアラをベースに昆布と煮干し、サバ節(と思う)などで取った出汁と鶏のもみじなどをに出したコラーゲン系のスープを合わせたもの(と思う)。魚の臭みは皆無で、逆に甘くて旨味が凝縮している感じはするのだけどこの味になれていない50才のおやじにはスープの粘度とクリーミーな舌触りが違和感を感じてしまう。

麺は平打ちのストレートでコシもあってかなり美味しい。小麦の味がしっかりとする。粘度のあるスープにしっかりと絡みながらものど越しもいい。 食したあとの後味もクリアで全くしつこくなくよく考えられたモノと感心する。メンマのかわりに筍の天ぷらがのっかっているのも悪くはない。
ラーメンもどんどん進化するのかといい勉強をさせて頂きました。

大阪市阿倍野区阿倍野筋4-12-13
tel:06-6657-7479
11:00~15:00
18:00~22:00
定休日:無休

麺と心 7ラーメン / 阿倍野駅松虫駅天王寺駅前駅

昼総合点★★★☆☆ 3.5

大阪市 天王寺/阿倍野 麺料理ラーメン