カテゴリー:焼肉

又三郎 熟成肉試食会 その1【大阪市 長居】

私が20代後半の頃、長居の外れにまあまあセンスの良さげな焼き肉屋がありたまに雑誌とかで紹介されていた。。うら若き女性店主で宝石屋からの転身と聞いて驚いたことを覚えている。

スタンプカードのポイントをためるとアクセサリーをもらえるとかそんな感じだった。頑張っている姿に心を打たれしばらく通った。そのうちそのお店にも行かなくなりその存在も忘れかけていた頃、店主がアメリカで勉強したエイジング(熟成)したお肉を食べさせるお店として専門誌で見ることがあった。

彼女の真摯に肉を研究する姿勢は多くの共感者と協力者を得、数年前に移転をし、オープンキッチンでパティシエをもつ焼肉店として女性誌に引っ張りだこで店主の記事や番組もしょっちゅう登場され今や熟成肉について執筆もされておられる。

今や土日はほとんど入店できない大繁盛店として県外など遠方からのお客でいつもにぎわっている。去年久しぶりに店主と再会し懐かしさとともに彼女の成功に心がキュンと震えた記憶がある。

お店の情報や普段のメニューはHPをみていただきこの日は表題のイベントがありご招待いただいた。広い店内はマスコミの方や業界の方で埋め尽くされシャンパンとともに熟成肉について各方面の著名な方々から説明があった。

第一部は熟成肉の食べ比べで左から土佐赤牛のグレンフェッド(総合飼料)を食べさせたメスの6週間熟成肉、真ん中が「強力」と言う名の国産グラス(青草)中心に飼育した赤牛の10週間熟成、右が「優男」という名の地元のグラス中心飼育の6週間飼育。これを炭火で肉を休ませながら焼き上げ塩で一切れずついただいた。

数年前にニューヨークでピータールーガなど有名店で熟成肉を食しまくったけど和牛にはあわないと思っていたところこの赤牛を食して頭をどつかれた感じがした。土佐赤牛は今日本に2400頭くらいしかいないと聞く。

この食べ比べも赤牛の餌の違い・熟成期間の違いによる味の変化が楽しめてとても面白い。食感は硬いけど噛めば噛むほど濃い旨みが広がる。山形県のだだ茶豆のような香りとミルキーなコクがある。とにかく旨味が猛烈に味蕾を攻撃する。

この後は東京からこの日のために来られた塾生肉料理の名手といわれる「カルネヤ」の高山シェフと又三郎の大森シェフの熟成肉を使った料理バトル。。

BGMも縦乗りのランス系で料理ライブを見ながらワインを片手に楽しむという趣向。荒井世津子オーナーのセンスの良さがよくわかる。

熟成肉に有効な料理法をそれぞれのシェフが本気で考えそれを同時に作って食べ比べをする。。(上の写真は大森シェフ)

又三郎の熟成庫内は食べ時を待つお肉でいっぱい。見た目はかなり強烈。真っ黒けのけ。。

肉が本来持っている酵素が働きやすい温度と和牛が乾燥しすぎない湿度の環境を作ることで肉のポテンシャルと熟成庫に棲み付いた菌が肉に有効に働き自然が作る旨味へと昇華させる。

農業プロデューサーのやまけんさん(山本謙治氏)が自ら育てた2頭の牛を食すとき彼の説明の饒舌さは最高潮。。私よりも若い方らしいが本物を感じた。

*店の前でやまけんさんと記念写真。

キハチの社長や京都の某料亭のご子息も来られていた。。

できたての料理はまずは大皿に盛ってプレゼンテーションをする。この料理は旬の大振りのホワイトアスパラガスに「強力」の塩漬けバラ肉を巻いたもの脂身が黄色いのはグラス飼育の証拠とやまけんさんが言っていた。

骨付きのバラ肉を豪快に炭火で焼き上げる。。このままガブリとかぶりつきたい・・

牛の形をしたパイにはLOVE & PEACE & BEEFと書かれている。このパイの中ももちろん熟成肉である。

切り分けたらこんな感じ。。

リブロースのローストと熟成脂で作ったヨークシャプディング。。これは供された赤ワインにドンピシャ。。

いちど大きく盛りつけてから銘々皿に盛られていただくという趣向である。。

*その2に続く

大阪市住吉区 長居2-13-13

お店のHP 詳しくはこちら

大阪市 長居 焼肉

焼肉道場 松ちゃん 3月【大阪市 長居】

最近は意識はしないんだけど焼肉を食する機会がめっぽう減った。。ああこれが年齢なのか・・と感じる時もある。身体が焼肉を欲する周期が確実に遠くなっている。。

と思いながら大好きな長居の焼肉道場「松ちゃん」で焼肉をいただく。まずは名物のタン刺し700円。私がブログで宣伝するものだから今やこの店を代表する逸品。。舌の上でじゅわーととろける感覚と塩と胡椒の絶妙な加減はビールを呼び込む料理。

焼き物はまずは「ゲタカルビ」850円。カルビの間にあるすき身の肉らしい。。細かく包丁目を入れて塩コショウで味付け。脂がジュワッと出てきてとっても美味しい。。お肉はもちろん黒毛和牛。。脂の質もとてもいい。

のどちんこ950円も細かく包丁を入れて塩コショウで味付け。。まん中に脂があって噛みごたえもあり味が深い。。肉を食ってるぜ!という気分にさせてくれる。。

サーロイン1400円はいつもは薄切りでニンニクの効いた濃い~味のタレに漬け込んだのを白いご飯に載せていただくんだけどこの日は軽めにして塩コショウとレモンで食す。。カルビやバラにはない上質の脂の味はサーロインならでは。。やっぱお肉の王様やねと納得。。。マッコリをいただきながら大満足。

ホルモン盛り合わせ3種400円はいろいろあるのを好きなの選ぶ。。ミノとアカセン、テッチャンを所望。ぱっと見た目は同じようなんだけど脂の味や噛んだときの歯ごたえなどが微妙に違うのが嬉しい。

最後はビビンバ600円で〆。あんまりビビンバとかクッパとか普段食べないんだけどこの店のナムルがかなり美味しくて野菜サラダの代わりと思いながらいただく。。。でも写真撮るの忘れた・・・・・

お酒をしこたま飲んで一人4000円くらいかな。。内容を考えたらとってもお得。。テレビもあって敷居も低いしとてもアットホームな雰囲気は初めての方でもよくしてくれる。。久しぶりの焼肉でパワーアップなり。

大阪府大阪市住吉区長居1-12-4 06-6692-6171

*いま中国旅行の報告下書きしてます。ちょっと待ってけろ。。

 

大阪市 長居 焼肉

多牛 (福岡)

日曜日は早起きして長居公園を15キロ走る。。そっから帰ってシャワーして福岡に日帰り出張。社業のこれからの展開を相談しに飲食店コンサルでは100戦100勝の先生のもとに飛行機に乗ってゴー!。。。

私よりもずっと年下だが経験と理論に裏打ちされた説明に納得し通しであった。ホテルの喫茶で数時間話をして一緒に連れて行きたい店があるといわれ博多駅から徒歩10分の表記の焼肉店に向かう。16時半に予約の紙(客待ちリスト)に名前を記帳する。そして再び話をして17時半に再び店に出向く。。最近では珍しい予約システム。。。

簡単にいえば電話では予約はできないということ。店の前に並ばせたら近所迷惑になるということで苦肉の策であろう。開店直後に名前を呼ばれ返事しないと飛ばされるらしい。

無事に名前を呼ばれ大きな小上がりにあがって注文する。

こだわる所と、割り切る所がはっきりしてると聞いてはいたが客はみんな一斉に席につきいっせいに注文。店員さんも慣れたもので聞いたものを片っ端からどんどん出していく。最初から炭がいこった七輪と割り箸と紙おしぼりが超チープな四角いテーブルに乗っかっている・・・

名物の上カルビは1人2人前までで 追加は不可能らしい。しかも最後に出てくる。牛肉は全て黒毛和牛のA5クラスらしい。

ちなみにメニューは上カルビ490円、 上ロース、上ミノ、上ホルモン470円   上タン、ハラミ680円 上センマイ450円  黒豚肩ロース、トントロ450円 などでかなり絞り込んでいる。サイドメニューも焼野菜、キムチ262円  ビビンバ441円  スープ(玉子、ワカメ)各231円くらい。この価格は大阪では情熱ホルモンと同じくらい。」

飲み物は 瓶ビール472円 淡麗ジョッキ399円など。。

まず出てきたのは上ロース。これは伊万里牛とのこと、見た目同様に実に柔らかい。。炭火でさっと焼いて口に入れるとやはりとろける。。肉の甘みが満載。これが100グラムしっかり入って470円。

毎日仕入れる肉の種類は違うらしく、その日の最良の国産牛を仕入れているとのこと。

上センマイは半分は生で食す。鮮度と下ごしらえがいいために全く臭みもない。生ガキを食べている気分になる。

タンは並380円を所望。それでもこの内容。。見ただけで美味しいものであることがわかる。。

 

ハラミは玉ねぎの醤油漬けを巻いて食す。。これで680円なり。

上ホルモンは丸腸で甘い脂がたまらない。。この頃になると周りの視界不良となる。。煙モクモク。。換気扇一切なし。客は若い方が多いが煙モクモクの七輪囲んで皆幸せそう。。飲食店経営の原点ここにあり。。客が喜んでいる姿に経営者と従業員は喜ぶ。。この構図がなければ長続きしない。それだけ飲食店って見た目より大変。

接客も事前に聞いていたほど悪くはない。博多弁が心地よい。。。

そしてメインの上カルビ490円。上ロース470円よりは若干高価。肉全体にまんべんなく脂が入り,絵にも書けない美しさ。さっと炙れば意外にあっさり。脂もしつこくなく品のある味だった。。推定原価は700円とみた。大阪では1800円くらいの値付けが普通であろう

1人様2人前までというキャップがついた原価割れ商品。周りの客はみんな一人2人前注文しているよう。

飲食店の原価って3割程度と言われるが、和牛を扱う焼肉店は4割と聞き及ぶ。
だから焼肉店ではっきり言って儲かってるお店は少ないのが現状。この店の原価は推定7割とみた。経営構図を先生といろいろ話していると今後のわが社の進むべき方向を定める羅針盤となることに気づく。

こんな店をチェーンでやりたいですねえと話をしたが、飲食店は自分が調理含めた経験がなければ職人を雇わなければ、仕入れができず、この店であればお肉のカットもできない。人件費もたくさんかかってしまう。材料の肉の供給がすべてと言っても過言ではない。。これが簡単なようでなかなかうまくできない。

この店はまず価格設定から入り、若いお客さんが払える金額(2000円程度)を決めてその中で利益がでるギリギリラインまで上質の商品を提供する。時流がこの店を後押しする。。客目線で見ると夢のようなお店である。

久々に非常に刺激を受けたお店になった。

匂いのお持ち帰りをして新幹線に乗り帰阪する。

福岡市博多区博多駅南1-5-3

092-483-0329営業時間:17:30~23:00(L.O.22:30)
定休日:月曜日

 

焼肉 多牛 駅南店焼肉 / 博多駅東比恵駅

焼肉 九州地区