カテゴリー:近畿地区

オーベルジュ・ド・プレザンス 桜井

奈良県橿原にある自社物件を視察し、近鉄百貨店でテナント誘致いただいている場所を見てから大和八木駅前の新店舗の立地と車の流れをチェックして以前から友人にとてもいいよと言われていた表記のレストランを訪問。たまたま一席だけ直前にキャンセルが出たとのことでさっそくリザーブする。

こちらは・・・・
「オーベルジュ・ド・ぷれざんす 桜井」は、平成 28 年度に開校し
奈良県が運営する「なら食と農の魅力創造国際大学校」
(NARA Agriculture & Food International College
[ 通称:NAFIC(ナフィック)])の敷地内にあります。
同校は、現在の奈良県農業大学校を改編し、農業の担い手を養成する
「アグリマネジメント学科」に加え、
農業に関する知識を持ち、世界に通用する優れた料理人の養成を目指す
「フードクリエイティブ学科」が新設されます。
これまでにない実学教育で、生産・調理・加工・流通などを担う
次世代の「食」と「農」のトップランナーを育成することを目指し、
ゆったりとおいしい料理を楽しめる宿泊付きのレストラン(オーベルジュ)
を併設し、実践研修を行う施設にあり、大学に先駆けてオープンしました。
(以上HPより)

こちらの店舗は山の上にあり車でしか訪問出来ないため従業員さんも乗り合いで通勤すると言っておられた。夜は街灯もなく周りはのどかな田園風景が広がる。
全国のひらまつの店舗から集められたスタッフさんの中には数名顔見知りの方もいらっしゃって少し嬉しかった。食事内容は大和野菜をはじめ奈良の食材を使用したフランス料理。

ランチタイムは宿泊客以外でも利用出来るので女性グループを中心に連日びっしり超満席。外観や内装は奈良県の専属設計士がデザインされたらしい。田舎の公共施設のような感じでかなり残念。万人受けすると勘違いした滑稽な感がありスタッフさんも本来のひらまつ店舗との異なりに違和感があると言ってらっしゃった。

しかしながらサービススタッフの教育はさすがであり料理の説明の適確さやホスピタリティーに置いては奈良でナンバーワンでないかと思われる。

メニューは以下のとおり(すべて税・サ別)
Menu A 3500円
"地産地消にこだわった、奈良の旬の野菜を使ったここでしか味わえないランチコース"
アミューズ、前菜、メインディッシュ、デザート、コーヒー・小菓子

Menu B 5000円
"奈良の旬の食材とフォアグラなど厳選したフランス産の食材を融合させたスペシャルランチコース"
アミューズ(1皿目)、アミューズ(2皿目)、前菜、メインディッシュ、デザート、コーヒー・小菓子

Menu C 7000円
"奈良の旬の食材とフランス産の厳選食材に加え、和歌山・三重から取り寄せた新鮮な魚介類を使った
シェフおすすめのフルコースランチ。様々なバリエーションの料理をお楽しみ頂けます。"
アミューズ(1皿目)、アミューズ(2皿目)、前菜、魚料理、肉料理、デザート、コーヒー・小菓子

この日は自動車運転で訪問したのでお水をいただきながら一番廉価なものを所望する。メニューの価格差は単に皿数の違いでアミューズや前菜、メインディッシュ、デザートの内容はすべて同じ。

2016-01-25 09.12.33

最初に牛蒡のコンソメスープと大きな皿に牛蒡のチップスや生姜風味のメレンゲ焼きのようなものが登場。

2016-01-25 09.12.27

砂糖がかけられていて手でつまんでいただくらしいが2つくらい食べると飽きてしまう。隣のおばさんグループは最後までぽりぽり食べておられた。

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田園に見立てた宇陀金牛蒡と地元産の人参のコルネ。中にそれぞれの野菜のクリームが入る。ビジュアルはかわいくて面白いが特にどおって言うもんでもない。

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かなり綺麗なビジュアルのサラダはスモークサーモン、白い菊芋と緑の菊菜のソース、紫人参、はるみオレンジ(清見オレンジとポンカンの交配種)ジャガイモ、芽キャベツ、鏑。白い粉はオリーブのパウダーで赤紫の粉はビーツのパウダー。

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メインの「ジビエパテのパイ包み 五條産りんごのロティ」はすべての客が共通のメインディッシュ。鹿肉・鶏肉・豚肉のミンチの真ん中にフォアグラが入ってコクと脂分を補う。婚礼料理に長けておられるのでこのような料理はお手の物。火入れも完璧で一度に多くの客をさばきながらローコストの食材で一定のクオリティーを保つ技術は当代一と敬服する。ソースはフォンドボーと赤ワインと肉汁と甘いブランディーの香りのするお酒で作ったもので少し酸味も入る。いわゆる上質なハンバーグって感じかな。

自家製のパンもかなりおいしくエシレバターや料理のソースと一緒にいただく。

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デセールはクレームダンジュで泡仕立ての下にあすかルビーと古都華(ことか)とピスタチオのアイスを下に敷き詰めたもの。

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プティフールは大和茶のロールケーキ、黒豆のトリュフチョコ、大和芋とアールグレイのパウンドケーキ、苺のマカロン、柿のゼリーをコーヒーとともにいただく。帰りも玄関までお見送りいただき大満足でした。全国的な寒波だけど奈良は晴れ間も見えていい天気でした。

2016-01-25 08.12.52

奈良県桜井市大字高家 2217 番
0744-49-0880 レストラン予約 0744-49-0770

オーベルジュ ド ぷれざんす 桜井オーベルジュ / 桜井駅香久山駅大福駅

昼総合点★★★☆☆ 3.5

フレンチ 奈良県

ビストロ ナカノ

所用で守山まで言った帰りに地元の滋賀ネーゼお薦めの一軒家レストランで昼食をとる。琵琶湖大橋の東岸の麓にある。かなり地の利は悪いところではあるがランチは常に満席が続く超人気店。

外観・内装共に黄色を基調とした穏やかな雰囲気。開店して10年と言っておられたが古さはみじんも感じない。メンテナンスがしっかりと行き届いているのであろう。客層はファミリー、カップル女性の友人同士など老若男女問わない幅広いもの。店の真ん中にはピアノも置かれ定期的に演奏があるのであろうことを思わせる。

昼も夜もコース仕立てでランチは1650円を基本にオードブル、スープ、メイン、デザートを選べるようになっている。

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オードブルはキッシュのサラダ仕立て+450円を所望する。この他にもデフォルトの生ハムのサラダ仕立てやパテドカンパーニュー+650円、鮮魚のカルパッチョ+650円、フォワグラのステーキ+1600円など

2015-12-24 10.46.15

スープは季節代わりのクリームスープでこの日は店の横の自家農園で栽培した蕪を使用。マダムの実家が畑をもっているのでそこであれこれ栽培するんですとのこと。これ以外にも野菜具沢山のブイヨンスープを選ぶことが出来る。

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昼シャンでドゥラモット・ブリュットをいただく。コート・で・ブランの畑で収穫されたシャルドネのピュアな風味がとても好み。「サロン」が作られない年の葡萄を使ってこのドゥラモットがつくられると聞いたことがある。ソムリエでもある店のマダムも大好きと言っておられた。「サロン」同様にデリケートでエレガンス、吸い込みがよくしっかりとしたボディもある食中酒にぴったりのお酒。。いつも6000円くらいで酒屋で買うんだけどお店では9000円で販売。ボルドーの一級も沢山取り揃えておられるがどれも良心的な値付けに感心する。

自家製パンはしっとりとしたタイプ。オリーブオイルも上質。

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メインはデフォルトが兵庫産の天然スズキのポワレかブラジル産鶏モモ肉のリソレほうれん草のソースを選ぶことが出来る。

私はフランス産の鴨肉のロースト+1410円を所望する。その他にも国産牛のハンバーグ+650円、本日の魚料理(この日は天然ヒラメのムニエル)+650円、オーストラリア産子羊背肉のロースト+1410円、フランス産鴨肉のコンフィ+1410円、牛バラ肉の赤ワイン煮込み+1410円、黒毛和牛サーロインステーキ130g+4300円と言った感じ。

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デザートは本日のデザートを変更してチーズ3種盛り+150円に変更いただく・

最後に香り高いコーヒーをいただいて店をでる。静かな環境のせいか総じてやわらかでほのぼのとした印象なんだけど料理のソースはクラシカルでしっかりしていて何を食べても美味しかった。お酒も日本酒やカクテル等もあり家族で気軽に利用出来るような工夫がされていてとても好感が持てる。「次回は夜に訪問するね」とマダムに言って記念写真を撮ってから帰阪する。

大津市今堅田3-4-24
TEL:077-571-1156
営業時間:
11:30~15:00(L.O.14:30)
17:30~22:00(L.O.21:00)
定休日:月曜日(祝日の場合火曜日)、第3火曜日

ナカノフレンチ / 堅田駅小野駅

昼総合点★★★☆☆ 3.0

フレンチ 大津市

竹林茶屋

日曜日に友人15人と自社のバスを仕立て、舞鶴にある表記のかに料理店を訪問。こちらのお店は知る人ぞ知る店らしく多くの知己からぜひ一度行ってみたらとよく言われていたお店。

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大阪から高速を飛ばして約2時間半で到着。場所は舞鶴市から天橋立に行くまでに位置する。店は手作り感満載の田舎のしもたやのような印象。毎年、1年間に何度か蟹を食しに産地に伺うが、蟹の味とクオリティーは市場原理どおり価格と正比例するために安くて美味しい蟹と言うのはあり得ないというのが世の常識。

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着席すると最初に大きな茹で蟹が登場。2人で1匹をシェアする。出来立てを出すためにお客の到着30分前からゆで始めるらしい。かなり大きなサイズでこれだけでお腹が膨れる。この日は新潟と石川県産。産地にこだわらず低価格で品質のいいものを仕入れると言っておられた。

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茹で蟹を食す前にお店の女性の方が蟹フォークの使い方とともに丁寧に脚の取り方と剥き方を伝授いただく。改めて教えていただき言う通りにするととスルスル向けるのが不思議。茹で蟹につける酢や調味料は一切なし。そういったものを所望する客は店主から「帰れ!」と言われるらしい。

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あとでこの話をご主人に聞くと「帰れ!」と言って実際に帰った客が3組くらいあったと言っていた。最初に腕肉をもぎ取って蟹スプーンの先で蟹の殻に穴をあけておもむろに・・・・・・と言った具合で爪肉と胴体の三回に分けて正しい剥き方を伝授いただく。日本酒と一緒にいただくと「ホント美味しいねえ・・・」とつい口に出る。

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創業14年になるこちらのお店はすべて主人が手作りしたもので何とも言えない風情がありまくる。普通の田舎の家に招かれた感じ。食事をするテーブルの橋に大きなまな板が据え付けられ、茹で蟹を食したあとにご主人が登場され、そこで蟹や店の解説を延々としながら出刃包丁で暴れまくる蟹を切りまくる。

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料理はすべて客の前でする厨房不要のかに料理店で、捌きながら、うちの店以上の新鮮で美味しい蟹を出す店はないと豪語する。怖い顔のご主人の愛嬌とウイットにとんだ会話がとても楽しい。

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大量の暴れまくる蟹の山を片っ端から関節をはずし、皮を取って様々な料理に仕上げまくる。この提供パターンは初めての体験である。調理しながらの蟹トークも絶好調。蟹に対する思い入れが半端ではない。このご主人の顔もよくみれば蟹系である。

蟹江

というか2年前に亡くなった蟹江敬三さんによく似ている・・・・

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蟹が出来るのを待つ間に刺身を食す。大きくカットされた海老や鮪など豪快に盛られているがこの日は蟹が目的なのでこれにはあまり興味はない・・・・

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腕肉の一番太いところは刺身でいただく。界隈でよくあるような身を氷水で晒したりすることはしないばかりか醤油も何もつけずに食べると言うのがこの店のルールらしい。ご主人が一本ずつ殻をむいたものを皆で取りまわしていただく。新鮮で捌きたてだから嫌な蟹独特のえぐみやクセやアンモニア系の臭みはみじんもない。当然蟹を持つ手も臭くならない。

「食べ方を守らない客は帰ってもらうよ」と何度もダメを押される・・・

2015-12-13 13.42.40

味噌の中に蟹の白く動く心臓が光って浮かぶ。これもふにゃふにゃした不思議な味で初めて食す・・・

2015-12-13 14.08.55

生の蟹味噌は初めて頂いた。捌きたてだから生で食すことが出来ると言っておられた。半分残してお酒を入れて炭火にかけてグツグツさせていただく。。これはビックリするくらい美味しかった・・・

2015-12-13 14.23.10

蟹味噌を半分くらい食したら更に日本酒を注ぎ足して残りの味噌を溶いていただく・・濃度によって味が変わるのも面白い。生きている蟹だからえぐみが出ないとのご主人の解説。

2015-12-13 20.51.30

どんどこ甲羅にお酒を注いで食す。これ又更に美味しくなるのが不思議・・しゃべりながらずっと包丁で蟹をさばき続ける。うちは冷凍、養殖蟹は一切使わない・・と言うのがご自慢らしい。

2015-12-13 13.52.05

続いて剥きたての脚と胸肉を陶板焼きで食す。醤油、ポン酢、レモンなどはルール通り全くなし。味に変化を付けるためにこっそりと炭火で焼いた蟹味噌をつけていただく。

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こちらのお店は完全予約制で24時間営業でいつ来てもいいし、いつ帰ってもいいらしい。布団を使うときはその使用料のみが発生する・・完全個室なのでペット同伴でもいいと言っておられた。生きが良くてどんどこどんどこ暴れまくる超大型ばかりの蟹がご主人の手元に運ばれて片っ端から出刃包丁で剥きまくる。

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続いて出汁に剥きたての脚肉を出汁にさっと潜らしたしゃぶしゃぶ。これもポン酢などは全くなしでそのまま食す。

2015-12-13 14.30.35

レアにしゃぶしゃぶされた蟹肉は繊維が太くかなり美味しい。そのあと胴体を中心に割りまくった大量の蟹を出汁にいれて湯がく。何に使うのかと思って見ていると給仕の女性が殻から身をほじくりだして雑炊用の具とするらしい。

2015-12-13 14.43.26

蟹のエキスがしっかり出た出汁で野菜だけを湯がいて箸休め。そのあとご飯と穿り出した大量の蟹身を鍋に入れて雑炊を作る。

2015-12-13 15.17.46

これほど蟹の身が入った雑炊は生まれて初めて頂いた。卵と蟹身と海苔だけ食事の後はご主人の手作りの風呂に入って酔いを冷ます。滞在時間は約4時間でかなりいい時間を過ごすことが出来た。

ご主人を始め従業員の方がお店の前まで出てきて皆でお見送り。大阪からわざわざバスをチャーターし2時間半かけて来た価値はあったよね」と皆で確認しあって帰阪する。

京都府舞鶴市字和江106
電話:0773-82-9111

いけ活かに 竹林茶屋かに / 東雲駅

夜総合点★★★☆☆ 3.5

その他料理和食 兵庫県