カテゴリー:近畿地区

下村商店 *明石の焼き穴子専門店(大阪高島屋)

明石にある表記の穴子専門店が大阪高島屋の地下のポップアップレストランに出店ということでランチタイムに訪問。明石の本店では焼き穴子のみを販売されておられ、焼き穴子の押し寿司や巻き寿司等は神戸大丸とピオレ明石でテイクアウトのみの販売をされている。たまにお土産等でいただくので馴染みはある。

今回は3月18日までの営業で「あなご押し寿司1815円」「あなご上巻き1925円」を中心にだし巻きのセットやあなご飯などが供される。今回はおすすめの「盛り合わせ2145円」を注文する。

しばらくして出来立ての寿司が到着。甘い煮詰めを塗った押し寿司と焼き穴子、玉子、椎茸、かんぴょうの入った巻き寿司が4巻。お吸い物の中にも焼き穴子が入る。

こちらの焼き穴子は宮内庁御用達で昔から代々の天皇や皇族方に献上されてきたとのこと。食べてもわからないけど一般的な背開きではなく「腹開き」にしているとおっしゃっておられた。しっかり焼き込まれた穴子は香ばしくて歯応えもあって煮穴子とは全く異なる食味。ご飯もしっかり入っているので満腹になる。この焼き穴子というのはまさに関西、特に播磨の文化だなと思いながら店を出る。

店頭では焼きあなごや持ち帰りのお弁当が販売されていました。

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その他兵庫県

喰い切り料理 八方 *岡山のミシュラン和食店

岡山市内の表記の和食店を友人と訪問。新大阪からのぞみに乗って岡山駅から徒歩10分(タクシーで5分くらい)。伺うのは今回で3回目となる。

黒い壁の外観と入り口には八角形の赤いものが描いてある暖簾が目印。凛とした店内は檜のL字形のカウンター8席と他に個室が有り。

店名の「食い切り料理」は大阪の割烹で昔よく使われた言葉で「持ち帰らずにその場で全ていただける過度な飾りを排した献立と素材を生かした調理法の事で、いわゆるカウンター割烹スタイルの大阪料理の事」と記憶する。

ご主人は若い頃に大阪心斎橋の名店「梅市」で修行され、その修行先への思いを込めて「喰い切り料理」と名乗っていると推察される。

コース料理は30000円から。地元岡山の食材を中心に、客がその時期に食べたいと思う食材を使った料理を出来立ての状態で提供される。完全おまかせだけどアレルギーや嫌いな食材は事前に聞いて頂ける。客ごとに提供される献立や料理の量、器や盛り付けが異なるのも面白い。

最初にこの日使用される兵庫県浜坂産の名残のズワイガニのプレゼンテーション。1.5kgサイズの立派なもの。これを冬場は3月末まで毎日仕入れされている。

先付けは、ほうれん草、青菜、水菜などの野菜を細かく刻んで混ぜてその上にカリカリに揚げた蕗のとうをかけたもの。

続いての岡山産のシャコはこれから旬を迎える。最近見かけなくなった気がする。生姜醤油で爪の部分まで美味しくいただく。

煮物椀の蟹真薯はふわふわ食感で箸を入れるとすり身の中からズワイガニの身が溢れ出る。出汁の淡味は修行先の梅市と似た味わい。あしらえものなどは一切ないのが食い切り料理の真骨頂。

刺身は鯛のお腹部分と岡山で取れる小さな烏賊。このイカは初めていただいた。

続いてダイナミックに切りつけをされた鰆の刺身登場。わさびと大量の大根おろしが添えられる。

蟹のミニしゃぶしゃぶ。出汁に蟹味噌がたっぷり入っているので最後の一滴まで飲み干した。

ズワイガニの甲羅に湯がきたての身をたっぷりと詰めたもの登場。こちらの店のスペシャリティ。加減酢もかなり柔らかい。蟹身だけでお腹いっぱいになる。

脂のよく乗った分厚いのどぐろの身を塩焼きにしたものをポン酢でいただく。厚めにカットされたかぶらと一緒にいただく。

和歌山産の巨大な「くつ海老」を唐揚げにして餡をかけたもの。2キロ以上の大きなもので初めて見た。

あっさりした地元産の舌平目の煮物。新鮮なので身は弾けてぷりぷり食感。。ねぎとの相性は抜群。もっと食べることができるなら続きでヘレ肉のステーキを用意されているようだったけどもう満腹となる。

食事はたくさんの中から選ぶことができる。最初にご主人が手打ちされた蕎麦をいただく。バリエーションとして、ざる、おろし、とろろ、海老の頭の味噌の入ったスパイスカレーざるなど。二八蕎麦だけど薫り、食感が良くこれだけで専門店が出せるレベル。

鰻ご飯も秀逸。このほかにも梅バターごはん、カレーライスなどがある。

デザートはいちごのミルク仕立てをいただく。どの料理も気取りなく盛り付けられていて美しい。

デザートはほかにも「せとか」「デコポン」などのフルーツと抹茶シャーベット、ココナッツシャーベット、最中、プリン、ぜんざいなど。

お酒も岡山のものを中心にたくさんいただきました。ワインセラーにはオーパスワンなどのアメリカの高級ワインなどが大量にストックされる。ワインの値付けはかなり優しくて良心的。どの料理も素材感とパンチを感じる内容で工夫もありとても美味しかった。今回も大満足で店を出る。ごちそうさまでした。

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岡山県岡山市北区弓之町12-6
086-226-8484

和食 近畿地区

SAKAEYA+「caillou カイユ」 特別イベント

滋賀県の南草津にある全国的に有名な食肉卸・精肉店の「サカエヤ」のイベントにお誘いいただいて参加。南草津駅からタクシーで10分の辺鄙な場所に位置する。こちらの精肉店に併設されているカウンター10席の小さなレストランを使って開催。故にお店の名前は「SAKAEYA+」とのこと。

以前は専属シェフを雇ってお店をされていたらしいが現在は取引先のシェフやオーナーの知人が期間限定で入られるポップアップ方式で定期的にレストラン運営をされている。今回は5回目のイベントとのこと。

メインの精肉店では近江牛をはじめとする高級牛肉やその他の産地の牛肉が部位別に販売される。

その横の大きな冷蔵庫には得意先に合わせた骨付きの熟成肉を保管。卸として肉の注文を受ける70件の得意先は全てオーナーシェフの顔の見える店ばかりとのこと。温度や湿度、菌の状態などが異なる冷蔵庫で肉の個性を残しながら味を乗せていくことをこちらのお店では「手当て」をするというらしい。こちらのご主人の精肉師の新保吉伸氏が電話で相手と意見交換をしながら肉の状態をコントロールすると聞き及ぶ。

今回は東京・西小山の「caillou カイユ」というレストランから数々のフレンチの国際コンクールで優勝された安達晃一シェフが来られ、店主の新保氏がこのイベントのために肉を手当てしながら、安達シェフと2人で肉に合わせたメニューを決めていくという趣向。

アミューズは「さいとうポーク」のジャンボンペルシエ。いわゆる煮凝り。よくある血生臭さなどは全く感じないピュアな味わい。「走る豚」を使った一口サイズのスペアリブは金柑を合わせて供される。

続いて現在では希少な阿蘇赤牛の盲腸、小腸、大腸のアンドウイエット(ソーセージ)。コリコリとした食感が心地いい。牛の盲腸は初めていただいた。ソースはトピナンブール(菊芋)のピュレ。

近江牛センマイのカツレツ。トマトと粒マスタードのソース。新鮮なセンマイを冷水で締めながら洗ってカツレツにしたもの。これも初めていただいた。

自家製パンも秀逸。

阿蘇赤牛のミノ、ハチノス、赤センマイのソテーを牧草を燻して香りをつけた出来立てのオランデーズソースでいただく。フレンチでここまでホルモンをいただいたのは初めて。

途中で店主の新保氏が登場し挨拶をされてからカウンター前で骨付きの大きな肉の塊を捌く。

近江牛のA4、マーブリング12のリブロース肉を新保氏が手切りでしゃぶしゃぶ用にカットする。

目にも鮮やかなスライス肉。これを目の前でセップ茸のコンソメを使ってしゃぶしゃぶにして供される。

個人的にはもう少し火入れされた方が美味しいと思った。

安達シェフがパリの国際コンクールで優勝をした料理でドーバーソールにムースを詰めて火入れした魚料理のスペシャリティが登場。これを眼の前でカットして盛り付けられるのだけど舌平目とムースの食感の調和やバンジョーヌワインを使ったソースの味の深さ含め、本当に美味しいなあと思った逸品。

肉の塊から腕部分のみを取り出して掃除をして、直径1センチ弱の大きさにミンチにする、それを小さく丸めてハンバーグ仕立て。

和牛経産牛リブロースの炭火焼き。蓮根のプレゼ。シェフが30分以上かけて丁寧に火入れした肉は少し硬かったけど脂身もキツくなく食べやすい。ハンバーグはつなぎがないのでボロボロと崩れるけど肉の味がしっかりと記憶に残る。

締めは近江牛のレバーをソースにした手打ち麺。

テリーヌにしたチョコレートとレモンピールを合わせた柔らかいアイスでフィニッシュ。

今回ワインもペアリングで5種類。白ワインもとてもいいものをいただきました。3時間半のディナーで終電で帰阪しました。
ごちそうさまでした。

お店のHPはこちら

滋賀県草津市追分南5丁目11-13
077-563-7829

その他料理フレンチ 滋賀県