朝から世界遺産である比叡山を参拝してそのあと寺の門前町である坂本にある表記の店を訪問。
以下公式HPより抜粋・・・・
比叡山麓・坂本名物「本家鶴喜そば」の由来
天台宗比叡山延暦寺は、昔より宮様が座主として御座りになられた関係で、京都御所より度々ご来賓が在りました。山上では、食べ物も非常に不自由でしたので、累代、我祖先が蕎麦調製の為山上に仕出して居りました。又、比叡山で断食の行を終えた修行僧たちが、弱った胃を慣らす為に、蕎麦を食しました。
坂本はかつて三塔十六谷、三千坊といわれた比叡山延暦寺の台所を預かる門前町として栄え、参詣の人々で賑わいました。享保初年に当代鶴屋喜八なる人が坂本の里に蕎麦営業の店を開設し、以来代々業務に従事致しております。其の間、実に二百九十年の古き歴史であります。
明治四十五年に滋賀県に参謀演習がありました時に、皇太子(後の大正天皇)が御成りになり、湖東彦根に御 駐泊になりました。宿舎より伊吹山を御眺めになり、当山に昔より栽培する山蕎麦の説明をお聞きになり、朕に其蕎麦を取り寄せよと仰せられました。時の滋賀県知事川島純幹氏が当店に命ぜられましたので、早速調製して差上げましたところ、非常にご満足にて御意に召し、還幸の砌には明治天皇の御土産として御持帰 りになられました。爾後昭和天皇御崩御迄、宮中年越蕎麦は、必ず当店より納入いたして参りました。
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最初にビールを頂いて肴に鰊の炊いたものと玉子焼きと天ぷら、鰻ざくを所望する。天ぷらの海老は冷凍のブラックタイガーであるが価格を考えるとそんなものかと思う。
創業300年のこちらのお店の現在の当主は8代目らしく9代目も現在50歳でこちらの店で蕎麦を作っておられると聞き及ぶ。現在の建物は築130年の入母屋造で平成9年5月23日、国の登録有形文化財にも指定されておられるらしい。
こちらの創業者が延暦寺の厨房担当を勤められておられた方で電話番号も延暦寺は077-578-0001でこちらのお店は077-578-0002ということ。これだけでもこちらのお店の延暦寺との結びつきの深さが窺い知れる。
テーブル席から見える中庭は「折鶴の庭」という名前で比叡山と琵琶湖を模した築山枯山水と案内に書かれていた。庭の中心には、創業当時から据えられていた春日燈籠が置かれている。
蕎麦は昔からずっと手打ちにこだわっているらしい。朝のうちに一日分のそばを打つと仲居さんが言っておられた。
蕎麦粉と小麦粉の割合は「7:3」蕎麦はアメリカ産のそば粉を使用しているらしい。アメリカ産の蕎麦も最近は有機農法(オーガニック)で作られたものもあるので一概に否定は出来ないが300年続く老舗蕎麦店がアメリカ産のものを使っているという皮肉さに可笑しさを感じ得ない。
廉価な蕎麦は中国産のものも最近よく見る。国産蕎麦に少しブレンドして使用するのが一般的。上品質で高価なものもあると聞き及ぶ。この他にもカナダ、オーストラリア、ミヤンマーなど世界中の寒冷地で蕎麦が栽培されている。TPPが施行されれば更に価格が下がりもっとたくさん出回るのは間違いないであろう。
のど越しはあまりよくないが玄蕎麦の香りはしっかり感じる。だしは、さば、うるめ、めじかと、鰹などのブレンドと昆布で作られているごく普通のもの。しかしながらあっさりしてまろやかな口当たり。言い換えればうす過ぎて蕎麦汁をいくらつけても蕎麦に馴染まない緩い調合。
蕎麦焼酎を蕎麦湯で割ったものを頂く。焼酎の量が多過ぎてむせ返るほど。。途中で蕎麦湯だけ持ってきていただいて注ぎ足すと2杯分頂けてかなり得な気分。これがとても嬉しかったので気分よく店を出ることが出来た。
比叡山和労堂店や京都四条河原町の阪急百貨店にテナントで入っている鶴喜そばは比叡山麓鶴喜蕎麦という名前でこちらとは経営が違うようである。でも観光地だからこんなものと言えばこんなものかな・・・・
滋賀県大津市坂本4-11-40
077-578-0002
営業時間:10:00~18:00(L.O.17:45)
定休日:第3金曜日
本家 鶴喜そば 本店 (そば(蕎麦) / 坂本駅、松ノ馬場駅、比叡山坂本駅)
昼総合点★★★☆☆ 3.0