身内に不幸がありしばらく更新が途絶えておりました事、読者の皆様にお詫び申し上げます。
と言う事で私どもが経営する表記のお店で精進揚げの料理を親戚と相伴する。この店はご法要やご葬儀、お通夜など、お偲び事にまつわるお料理をお出しする専門店でこの大正店の他にも北区、平野区、東大阪市の合計4店舗を大阪で展開。
普通一般的に葬儀の精進揚げは葬儀場で葬式をしてそこから火葬場に行き、葬儀場に帰って精進落とし、そこから火葬場で収骨して葬儀場に戻って初七日法要と言うのが関西の一般的な葬儀の流れ。
しかしこの店は火葬場の前に位置し、バス等での移動が少なくなるので施主の肉体的かつ精神的負担が小さくなることと、私どもが経営する料亭の懐石料理徳(のり)が料亭で40余年培ってきた上質の日本料理を提供出来る事、専属のアテンドリーダーをはじめとするサービススタッフの接遇でお辛い場面での精神的な苦痛をお癒しすることで年間5000件位の予約を頂いている。
この日は会席膳「みさき4980円(税抜き)」を30名の親族と一緒に相伴する。
献杯のあと先付けの蓬を練り込んだ胡麻豆腐。やわやわでかなりいい出来。
お造りは鯛、鮪、烏賊。赤い菊と黄色い菊をゼリーで寄せたものがあしらい。菖蒲を形どった独活も口直しにぴったり。
吸い物替わりで茶碗蒸し。卵白で作ったメレンゲが浮かんだ餡がかかる。春はあけぼのやうやう白くたなびく・・・
焼肴は鰆の雲丹焼。幽庵地につけられた鰆に練り雲丹を酒で伸ばして秘伝のたれをあわせたたものを乗せて焼くが若い人に受け入れられにくい味であろうから献立の変更を後ほど指示する。あしらえは大根の焼酎漬け、ミニトマトのワイン煮、桜寿司。
海鮮豆乳鍋は出汁と豆乳の割合がポイント。ほとんど豆乳を感じさせない。しかし最後は豆腐が出来るようにするのがこの店流。中身は蛸しゃぶ、フレッシュ帆立貝柱、川鱒。食したあとの変更として重たいので川鱒の替わりに生湯葉と生麩を入れるように指示する。
この店の料理は基本月代わり。精進揚げのお弁当のイメージを一新。あたりまえのことながら冷たくしていただくものはより冷たく、熱いものは熱いうちに召し上がっていただけますよう配膳も最新の注意を払う。
強肴は丸茄子の田楽。真ん中にはウズラの卵を温泉卵にしたものが乗る。これで味噌の味がよりマイルドになる。
自家製の飛竜頭。中には山菜が入る。小振りで食べ安くて味もいい。この店の料理長はまだ30歳前半。大抜擢の上で活躍中。
この店ではすべてのお客様にアンケートをとらせて頂いていて人気ナンバーワンが揚げたての天ぷら。海老、蟹爪、筍、木耳、たらの芽など。。
酢の物は「寄せ煮穴子」柔らかく炊かれた穴子で海老をサンドしたもの。横にあるのはほっき貝。。コリコリして美味しい。
徳島産のコシヒカリに自家製のちりめん山椒。合わせ味噌のみそ汁は大振りのあさりを使用。
デセールは大根で作るババロア。これもこの店の名物となっている。ここまで食すとお腹いっぱい。おいしい料理と行き届いた料で少しでもお客様のお悲しみを癒す事が出来ればとスタッフが大奮闘。お帰りの際は料理長を始め皆でお見送り。自画自賛ですがとてもいい店です。
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