マニアック中華と美味い酒 まるはち *十三の超上質な中華料理【大阪市 十三】

友人と十三にある表記の中華料理店を訪問。東口を出て徒歩3分の商店街の外れに位置する。ファザードも店内も今風のバルのような造り。BGMは若者向けの軽めの洋楽。今回はカウンター席に案内いただく。

聘珍楼と黒猫夜で修行をされたと聞き及ぶ若きシェフがワンオペで腕を振う。メニューはコース(お試しコース5500円とマニアックコース8800円)とアラカルト。今回はアラカルトで色々注文する。

最初に旬の前菜の盛り合わせ(2人前2200円)を注文。着皿した瞬間にこちらのシェフがただものではないことがわかった。料理の作り込みの深さが半端ない・・・真ん中の小皿が「京鴨のよだれ鶏」で肉が柔らかくてソースが美味しすぎる(普通の表現ですいません)

「鱧の湯引き麻辣ソース」も引き込まれるような味わい。「枝豆のザオルー漬け」のザオルーは紹興酒が主体の野菜や魚などを漬け込むガチ中華調味料のこと。「水タコのニラミントソース」も普段はあまりいただかない味付けだけどさっぱりして美味しすぎる。「ムール貝と押し豆腐の海老味噌和え」も美味しくてつい唸ってしまった。「とうもろこし餅の天ぷら」は特別な技法で固めたもの。見た目も麗しい「スイカの酢の物」はさっぱりスッキリ。。

この一皿で一気にこちらの料理の奥深さを堪能した。どれもひと工夫ある初めていただくけど馴染みある味付け。界隈の高級中華料理とは確実に一線を画すものであることは確か。

エビと豚肉の入った大きな焼売にはキノコで作った自家製XO醬が添えられる。このXO醬が香ばしすぎて目玉が飛び出しそうになる美味しさ・・・

台湾睡蓮菜の腐乳炒め1300円。よく見かける空芯菜よりもシャキシャキして美味しい。腐乳ソースも全くクセがなくチーズのようなコクのある味わい。残ったソースも全ていただいた。。これはマストメニューだな・・・

上海蟹味噌くずし豆腐1580円。ふわふわの絹こし豆腐と蟹味噌がとても上手に調和して淡白だけど上海蟹独特の深い味を醸しだす。

ラム肉とメークインの韮花醤炒め1260円はじゃがいものシャキシャキした食感が秀逸。クミンシードの香りもエスニックな感じ。これは西安地方の郷土料理とのこと。韮花醤はニラの花を塩漬けした発酵食品で羊肉との相性がとてもいい。お酒が進みまくる・・・

福建風スルメイカの春巻き1本700円。刻んだハマグリも入っていて食感も含めてとても美味しい。イカ墨の香りもご馳走・・・

締めの料理は西安羊肉パオモー1630円を注文する。20分ほどかけて焼いた自家製パン生地が最初に提供される。

それを客席で自ら一口の大きさにちぎる。

発酵白菜の酸味と塩味の効いた野菜と羊肉の入ったスープでちぎったパンをフライパンでしばらく煮込んで再度土鍋で供される。「すいとん」のような状態に膨らんだパン生地がパンチのあるスープを吸って食べ応え満点。この料理は生まれて初めていただいた・・・

お酒も紹興酒をはじめとする中国酒がかなりたくさん揃えられている。蒸留酒を使ったサワーなどもあって色々楽しめる。

締めはこのほかにも広東風土鍋ご飯、燻製魚とハムイの炒飯やスルメイカとタラコの海老味噌炒め太ビーフンなど普段食べないようなものもあって次回挑戦予定。

アラカルトメニューは旬のものを中心に中国各地の郷土料理をアレンジしたものが多く、趣向も凝らされていて普段食べない食材や調味料などを体験して自身の中国料理の経験値が上がった気がした。「店名と店構えだけではわからないものだな」と帰りに友人と話をする。この日は「マニアック」という言葉では計り知れない食事をいただき堪能しました。

公式HPはこちら

大阪市淀川区十三東2-6-16
050-5595-0538

大阪市 十三 中華料理