あまの凡愚

日曜日の休日は和歌山県の高野山の麓にある表記の蕎麦店を訪問。元写真家のご主人と、元デザイナーの奥さんが1980年に大阪市大正区の画廊を改装して「蕎麦切り凡愚」を開店。その当時はよく通った記憶がある。

2014年に手付かずの自然と神仏の歴史が入り混じるこの地に移転。。こちらのご主人のもとで修行された弟子や孫弟子の店は大阪で超有名店となっている。

南海高野線急行で市内から橋本駅まで40分。JRに乗り換えて笠田駅下車。そこからコミュニティーバスで30分。。バス停から徒歩10分というなんとも言えない時間と距離を費やして到着。。駐車場は4台分。

かっこいい暖簾とトレードマークの山椒魚の看板が見える。入り口で手作りのスリッパに履き替えて入店。古民家を改装した店の中は絵本の世界に迷い込んだような錯覚に陥るくらいかっこいい。

こんな辺鄙な場所なんだけどどういうわけか予約客で満席。休日の晴天に訪れたにも関わらず空調は一切必要なし。大きな窓から心地よい空気が流れ込んできてとても気持ちが良い。この日は目の前に緑が飛び込んでくるかなりいい席に案内いただく。

食事は完全予約制で2,500円、4,000円、6,000円のコースのみの提供。今回は6000円の「あまのスペシャル」を所望する。

店のあちこちに飾られる小物の意匠のセンスにも痺れる。。

一品目は名物の蕎麦のお刺身と野菜料理。分厚く太切りの蕎麦はかなり硬めでもちもちの食感。最初は2種類の塩で食べ比べ。そのあとは山葵と小豆島の醤油でよく噛んでいただくと口の中に蕎麦の風味が広がる。

人参のラペや新鮮で甘々の胡瓜、豆腐で作った野菜のテリーヌ、フルーツトマトに一寸豆のペーストなど野趣溢れながらも体に優しそうなとても贅沢な前菜。。

ビールは缶だけど手捻りのジョッキでいただくと味わいも変わる気がする。

名物の蕎麦がきは葱の入った濃い口の醤油でいただく。大正区に店があったころ修行をした女性が東住吉区でそばがきの専門店「ぐーちょきぱー」をされている。。独特のねっとりした食感を楽しんで飲み込むと蕎麦の香りが鼻からふわっと抜ける。

続いて細切り蕎麦。石臼で挽いた蕎麦と、機械で挽いた蕎麦の2種類を食べ比べ。2つの蕎麦の違いを楽しめる。蕎麦粉100%なので喉越しはイマイチだけど上品な蕎麦の膨よかな風味がしっかりと感じることができる。

大根おろしと一緒にいただく細切り蕎麦。食べ比べると味の異なりがしっかりわかる。

そしてメインは鴨汁そば。。このつけ麺タイプの蕎麦のパイオニアがこちらのお店と言われる。選べる蕎麦は釜揚げを所望する。。鴨が入ったつけ出汁の美味しさにびっくり。つゆの上品な脂分と鴨肉の抱き身と蕎麦の味わいがなんとも言えない。ボソボソと蕎麦が切れそうになるけどそれはそれでいい感じ。

デセールは奥さんが焼く蕎麦粉を使用したシフォンケーキとご主人が土鍋で焙煎するというコーヒーでフィニッシュ。食事終了まで2時間半。いこごちの良さと相まってゆっくり快適に過ごすことができました。ここ最近の中では久しぶりのホームランのお店でした。

帰りはお店の近くの世界遺産の1700年創建の丹生都比売神社(にうつひめじんじゃ)を参拝。とてもいい遠足になりました。

和歌山県伊都郡かつらぎ町上天野2040736-20-6800
営業日 : 木・金・土・日・祝日(月曜日~水曜日は定休日)
営業時間 : AM11時〜PM3時(※完全予約制)


カテゴリー 和歌山県, 蕎麦 |