カテゴリー:蕎麦

ぐーちょきぱー 10月【大阪市 東部市場前】

お気に入りの表記のそばがき専門店を貸し切りにしていただき「そばがきと日本酒と月見の夕べ」を開催。カウンタ−に参加者11人キツキツに座ってそばがきを堪能する。現在そばがきの専門店は日本で2件だけ、その中の一軒がこちら。

JRの東部市場前から徒歩15分という辺鄙な場所にあるんだけどお店に入ると圧巻の内装に驚くこと間違いなし。特に古材を使ったドーム形の天井はお見事。店内の細部を見れば見るほど店主のセンスのよさというかアーティスチックで瀟洒なデザイン力に圧倒される。お店のあちこちにさりげなく飾られた食器を含めた装飾品もお店に自然に溶け込んでいる。店主のふーちゃんは伝説の名店「凡愚」で長らく修行され満を持して此方の店を開店。「そばがき」って郷土料理っぽくてねちゃねちゃしてネガティブなイメージがあるけど私はこちらのお店でいただいてから考え方が変わった。。

まずは瓶ビールで乾杯をしたのち前菜登場。

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板山葵、ひじきの炊いたん、丹波無農薬ぼちぼち農園の黒豆をクミンを入れて炊いたもの、フルーツトマトと柿のマリネ、鰯を少しスモークをかけて炊いたもの。食材、調理共々こだわりがありすぎる佳品。

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そのあと早速そばがき登場。福井産の丸亀産の蕎麦をミルで引いて小鍋で練り上げる。挽く加減で5段階の荒さを楽しむことが出来る。この日は店主のふーちゃん一人で対応いただく。

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この日は出来立ての1番と5番の両方をいただいて食べ比べ。きめの細かい1番はふわふわして喉に落ちてからの香りも上品。イメージするもそもそした感じはみじんもない。ゲランドの塩かネギ醤油でいただく。時間が経てば固くなってくるんだけどそれはそれで味わいも変化して美味しい。

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どこにでもあるようなちりめん山椒なんだけど店主の知り合いの95才のおばあさんの手作り品ということ。しっかりと水分を飛ばしていてかなり味が深い。日本酒がどんどん進みまくる。お酒は生野区にある「酒屋へちかん」でそばがきに合うこだわりの食中酒を中心にセレクションされる。このお酒のセレクションのセンスにいつも脱帽。

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続いて5番のそばがき登場。粒がまだ少し残っていて野趣溢れる味わい。しかし自然な甘味と透明感のあるそばがきの味は小麦粉で作るすいとんの粉っぽい感じとは全く種が異なるもので朱塗りの器に入って供されると高貴な食べ物のようにも見える。

使用している食器も土ものは友人の作家さんに作ってもらったり、グラスはオールドガラスを骨董市で買ったり、漆器は店主のお母さんが趣味で集めた古物と聞き及ぶ。棚には作家物の古九谷や古備前の器がさりげなく飾られている。

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ここで持ち込みのワイン登場。あまり辛すぎるものよりも少しだけ甘味のあるものが合うと思いドイツのリースリングのTROKEN仕様のものとアルザスのミュスカをセレクションしたけど思ったようなマリアージュにならなかったのが残念。酒のことは酒屋に任すのがいいと判った秋の夜。

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焼き味噌登場。。日本酒が進みまくって中毒状態になる。隣の席の友人女性3人組の話が止まらなくなっているのを冷静に観察。この松の実の入った自家製味噌も痺れる美味しさ。敷かれている昆布ははさみでカットして日本酒と一緒にしゃぶり続ける。
添えられている人参と胡瓜も無農薬栽培のもの。

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大好物の揚げそばがき。練り込まれたものを油で揚げることでそばがきの中の水分が飛ばされて旨味と香りが凝縮された感がある。素朴で優しくて蕎麦の香りがフワッと鼻腔に抜ける。これは次回シャルドネの泡といただくといいと思った。

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メインの前に豆腐の味噌漬け登場。さらに日本酒が進む。

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メインディッシュのそばがき鍋が登場。今の時期はマコモ茸などの天然の茸がいっぱい。

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沸いた鍋の中にそばがきを投入。鴨肉も入って秋の味覚の宝石箱状態。上質な昆布と鰹でとった出汁の中に茸と鴨肉のエキスが入ってそれをそばがきが吸い込んで何とも言えない味わいとなる。ビジュアル的にもかなり美しいコンストラクションである。

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朱塗りの器に取り分けていただくんだけどすべての素材のよさが補完関係となって一つの味が完成する見本のような料理で食材の出会い(相性)共々これ以上の完成度の高いものはないと確信する。

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鍋の出汁を少し残してそこに木村拓哉、ローラさんも食べている発酵玄米を投入。ランチタイムではkの発酵玄米のついたそばがきの定食をいただくことが出来る。

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これを雑炊に使用するとは何とも贅沢な〆であろうか。

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ぬか漬けもすべて御上手です・・

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デセールは蕎麦湯のシャーベットに自家製のマーマレードを乗せたものでさっぱり。楽しくて美味しくて飲み過ぎた3時間でした。参加した友人は大満足。記念写真を撮って帰りましたとさ。訪問するときは予約してね。。。

大阪市東住吉区杭全8-6-4
06-7710-1913

大阪市 東部市場前 蕎麦

ぐーちょきぱー 8月【大阪市 東部市場前】

表記の大阪唯一のそばがき専門店を訪問。JRの東部市場前から徒歩15分。周りにはコインパーキングもない完全住宅地にある飲食店をするには超悪立地。

ここ最近何度か訪問してこちらのそばがきとお店の空気感と店主のふーちゃんの大ファンになる。ふーちゃんは大正にあった(現在は和歌山の山の中に移転)名店「凡愚」出修行され蕎麦ではなくあえてそばがき一本でこの地でされている。

店内は古材を使った瀟洒な造り。具体的には訪問すれば判る・・・

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ランチタイムは酵素玄米のついたランチセットがお薦め。圧力釜で玄米を炊き上げて保温ジャーで保存。この日のものは10日目と言っておられた。モチモチした食感がクセになる。レトルトパックしたものをよく買っていただくんだけど味わいは全く異なる。

酵素玄米と一緒に供されるのは鶏肉と胡瓜の和え物と梅干しや昆布をポン酢に漬け込んだもの、いぶりがっこなど手作り感満載のご飯のお供盛り合わせ。古物の塗りのお膳や骨董の皿なども美しい。

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そばがきは5段階の引き加減からチョイスが出来る。オーストラリア製の製粉機で「少し大きな音が出ますよ〜」とのことだが全く気にならない。それを手つき鍋で根気よく練り上げる。出来立てはふわふわで山葵醤油に付けていただくとより甘味が引き立つ。消化にも良さそうでありがちなもそもそ感や嫌なネッチョリした感じや喉に詰まりそうな感じは全くない。

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時間をおけば少しずつ固くなってきてそれを継ぎに出てくる鴨汁に入れて食す。修業先の凡愚仕込みのかも汁は言葉を失うくらいの美味しさ。器の美しさもあってとても贅沢な食事である。

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サービスで自家製の粒あんを出していただき残ったそばがきにまぶしていただく。当然不味いわけがない。。

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デセールは蕎麦湯で作ったかき氷に柑橘のコンフィチュールを乗せたものが登場。店主ふーちゃんとの会話も楽しいし常連の客も楽しく親切な人ばかり。今年のスマッシュヒットのお店です。

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大阪市東住吉区杭全8-6-4
06-7710-1913
11:30-14:00ラストオーダー
17:00-20:00ラストオーダー
定休日 日・月・火

大阪市 東部市場前 蕎麦

蕎麦切り 大城【大阪市 鶴ヶ丘】

鶴ケ丘にある表記の店を訪問。数ある蕎麦屋さんの中で私が最も好きなお店なんだけど訪問は半年ぶり。場所はJR鶴ケ丘駅から徒歩3分。住宅街の一軒家で見落としそうな小さな看板が目印。駐車場は2台分。周りにコインパーキング多数あり。

整然とされた前栽を通り、重たい木の扉を開けて大きな石臼のあるエントランスを抜けると客席に出るという料亭のような造り。昼間はシニアの方やご近所の奥様グループが多い。

こちらはいつ訪問しても満席なんだけどこの日はお気に入りのカウンタ−席が空いていたのでそこに通していただく。忙しくても座るときにはさりげなく椅子を引いてくれるのが嬉しい。そのあと冷たいそば茶と分厚いお絞りが供される。

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特等席のカウンタ−からは良く手入れされた中庭が見える。綺麗な花や野鳥の姿を見ながら食事が出来るというのは最高の贅沢である。窓枠を通して一幅の絵のように見える景色にいつも見とれてしまう。

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ほどなく盛りそば登場。この日の蕎麦は北海道の沼田産とのこと。見た目は野趣あふれた曳きぐるみの玄蕎麦なんだけど食せばとても甘くて瑞々しくコシもしっかりして飲込んだあとに上品な蕎麦の香りが喉から鼻に抜ける。ありがちなもそもそ感はない。

蕎麦はボリュームもしっかりあって食べ応え満点。半年ぶりにいただいたんだけど訪問するたびに蕎麦が美味しくなっている気がする。

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好物の海老の天麩羅もビッグサイズ。塩を付けたり蕎麦汁を付けたりしながらバクバクといただく。蕎麦湯も美味しくて完食してしまう。

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いつも客目線ですべての料理を作られるのに敬服する。メニューは何を見ても食べたいものばかり。季節ごとの限定メニューや様々なセットメニューもあってあらゆる世代に上質に対応される。

そして最も特筆すべきはこちらのお店の南果歩さんそっくりのマダム。6年前くらいから通っているんだけど容姿が全く変わらなくてどんどん若くなっている気がする。客が入ってくると大きな声で率先してご挨拶。スタッフ教育も抜群でいつも心からもてなしてもらってるという気持ちになる。

夜は季節の食材を使った小料理と蕎麦でお酒を楽しむことが出来る。繁盛店なんだけどカウンタ−に座って庭を見ながら盛り蕎麦を食べていると信州の田舎に旅行に来たような錯覚に陥る。

言い古された言葉だけれどもまさにこちらは「都会のオアシス」なり。

大阪市阿倍野区西田辺町2-6-13
06-6691-0046
営業時間 11:00~14:00 17:00~21:00
定休 火曜日 第2第4月曜日

大阪市 鶴ヶ丘 蕎麦