すし豊 10月【大阪市 東天下茶屋】

私が30年以上ずっと通っている創業50年を超える阿倍野の寿司店を訪問。国道13号線(あべの筋)の松虫交差点を南に200m、路地を東に入った場所に位置する。(チンチン電車の東天下茶屋駅徒歩3分くらいで天王寺からタクシーで1000円くらい)

昭和の残り香が漂う店内はカウンター8席と小上がり2卓のみ。ご主人とご子息、奥さん3人の家族経営。。大阪の江戸前鮨のパイオニアと言われるお店でよく雑誌にも掲載される。

こちらのお店のご主人は東京生まれで東京銀座の名店「新富寿司」で修行。しかしながらお店が厳しすぎて1970年、大阪万博見物と偽って仲間と脱走。そこから大阪で少し修行をして自分でこの店を出したと言う話もかれこれ25回は聞いている。名前は安田豊次、だから「すし豊」。

この日は「川蟹が入ったよー」という知らせをいただき友人と訪問。川蟹鍋のコースは給仕の都合で1日3組までとなっている。

寿司の前に白雪のぬる燗と鮎の腸を入れて作る苦味満点の「うるか味噌」をいただく。この味噌少しずつ箸で舐めながら樽の香りの効いたお酒をいただき胃を活性させる。

寿司のスタートは黒胡麻を射込んだハリイカの新子から。 しっかりと締めた明石の鯛、炊き込んだ子持ちのシャコは古い江戸前の仕事が施される脂のよく乗った小肌は大きなコノシロサイズ。軽く炙ったカンパチ、秋刀魚と続く。

脂のよく乗った身厚の鱧、加太の鯖もよく肥えたもの。毎回「口の中で溶けちゃうよ〜」と言いながら提供される泉州産の穴子は熱々のふわふわでスフレ状態。「提供されて15秒以内で全部食べてね」とのこと。水槽で泳ぐ名残の鮎は刺身にしてもらう。鮎の頭と骨は唐揚げで供される

寿司を一通り頂いたら鍋が登場・・・

事前に生きた蟹を冷水で締めて失神させる。それをさばいてから殻ごとミキサーにかける。それを裏ごして殻を除く。同じ事を3回くらい繰り返して丁寧に身だけを削ぎ落とす。手間をかけて取り出した生身を蟹味噌と卵のついた殻と一緒に鍋に入れて煮出す。

淡雪のような見た目と食感の蟹身は独特のコクと旨みがある。途中で殻や卵から蟹のエキスが出てきてゴボウや豆腐に蟹の味が移り、出汁と相まって最高の味わいとなる。上海蟹より上品な食味で蟹の味噌やエキスが移ったスープの味わいは超一級品。ご主人が最初から最後まで給仕してくれる。

最後に鍋の底に沈んだ甲羅部分の味噌と卵をを齧り付く。食べすすめていくと最後にご主人が鍋を持ち上げて鍋についたラー油のような蟹のエキスを出汁に戻す作業をされ、名残の濃厚なスープをいただいてフィニッシュ。

川蟹がいただけるのは11月上旬まで。蟹のあとはあまごが入って1月からは琵琶湖の天然もろこが供される。この日は思いっきりお酒をいただいて会計は一人9000円。

ご主人の東京言葉での解説や軽妙洒脱な会話もご馳走の一つ。人気店なので早めの予約がオススメ。

過去のすし豊はこちら

大阪市阿倍野区王子町2−17−29
06-6623-5417
営業時間:17:00~24:00
定休日:木曜日

大阪市 東天下茶屋 寿司

Ikedaya BBQ style 9月【大阪市 東天下茶屋】

阿倍野にある表記のダイナーを訪問。自宅から徒歩圏内なので普段から良く立ち寄るヘビーユース店。阪堺電鉄の東天下茶屋駅直結で天王寺駅からも5分で到着。横に細長くて天井の高い、かなりかっこいいお店は昭和40年代のチンチン電車の駅舎をリノベーションしたもの。

BBQという名前だけど炭焼きイタリアンといったほうがぴったりくる感じ。煙もないし自分で調理することもない。シェフの調理技術が突き抜けていてケレンのない素材重視のかなり美味しい食事をすることができる

食材にはこだわりがあり、季節の路地野菜や肉を丁寧かつ繊細に調理されるので何をいただいても美味しい。お酒のサブスクもあって(1ヶ月680円で全てのドリンクが何杯飲んでも1杯220円〜360円)たくさん飲む客にとってはとても嬉しい。店の界隈には野菜や果物が並ぶマルシェもあってサブスク会員は2割引で購入できるのも嬉しい。

いつものように最初は小皿料理(1つ600円、おまかせだと3つで1500円)を所望する。素材重視の料理はシンプルだけど内容がしっかりと練り込まれていて何をいただいてもワンランク上の美味しさ。最初にレアに火入れした帆立貝柱をパセリのソースでいただく。白ワインが進みまくる美味しさ。

「蛤とスイカとシークワーサー」というメニュー。スプーンを使ってスープごといただく。。食べている間にこれはガスパチョの再構築料理ということに気づく。全てを口の中に入れるとスパイス感と味の深みを感じるガスパチョになる。かなりいいセンスであることは間違いない。

いちじくの上にチーズに豆板醤を合わせたソースをかけたもの登場。チーズとの相性はもちろん豆板醤のコクのある深みがいちじくをフルーツ以上のものに昇華させる。

メインはチキンのココナッツソースで最近の新作らしい。香ばしく炭焼きしたチキンをオリジナルのココナッツソースに合わせたもの。ソースはココナッツとオリーブオイルに数種類のスパイスと貝のスープを加えているとのこと。美味しすぎて卒倒しそうになった。

店の奥には天然酵母を使用したサワー系のパンを中心としたセンスのいいベーカリーも併設。この店のクッキーも驚くほど美味しくてハイキングに行くときは前日に必ず購入する。ごちそうさまでした。。

過去の記事はこちら

大阪市阿倍野区阿倍野元町6-25
火曜日定休(夜の営業時は金土日のみ)

大阪市 東天下茶屋 その他料理イタリアン

オオサカ堂 9月【大阪市 東天下茶屋】

自宅の近くの月に何度か訪問する阿倍野の表記の居酒屋を一人で訪問。

阿倍野筋の松虫交差点を南に500mくらい、チンチン電車の東天下茶屋駅徒歩5分の場所に位置する。店のファザードは看板等の目印もなく、シンプルなのでそこに飲食店があることが分かりずらく知らなければ通り過ぎてしまう。

白を基調としたかっこいい店内はとても広くてカウンター席とテーブル、さらに立ち飲みスペースもある。こちらは雑誌ミーツ等のグルメ雑誌の常連でテレビイベントのオファーもたまにあると聞き及ぶ。こちらのお店はドリンクを含む全てのメニューが「大阪産」というこだわりが特徴でそれを貫き通す姿は美しい。たぶん大阪愛ではこのお店に勝るところはないと思われる。

アラカルトメニューは280円から一番高いお造り盛り合わせが780円。店主のワンオペなんだけど提供時間も早くてコスパの良さも阿倍野随一。器にもこだわりがあり、盛り付けを含む料理の完成度も高くて日本料理店の一品ようなものもある。

最初にビールと岸和田産の枝豆280円を所望する。枝豆は味が濃くてとても美味しい。

大阪湾産の活シラサエビ天ぷら2匹680円をメニューで見つけたので4匹所望する。

味噌と卵がたっぷりでよく肥えた身はとても甘い。プリプリ食感で10匹くらい食べれそうな感じ。

このほかにも阿倍野の眞ちゃん豆腐の冷奴280円(眞ちゃん豆腐は商品名で店名は豆腐スギモトで昭和町にあります)を所望。角が立った男らしい風情と大豆の味わいがしっかり感じられる硬派タイプ。

福島区にある大黒ソースを使った激辛焼きそば580円もお気に入り。これを食べると辛すぎて必ずむせまくる・・・・

大阪湾で穫れるはもちり、太刀魚の炙り、キビレ(キチヌ)昆布締めの3種盛り780円も完璧な美味しさ。キビレの深い味わいはこの店でしか経験できないと思う。

ごちそうさまでした。。。

過去のオオサカ堂はこちら

阿倍野区阿倍野元町8−4
営業時間 17:00〜23:00
定休日:月曜日、第2第4 日曜日

大阪市 東天下茶屋 居酒屋