寿司

ふく吉 9月

西天満で2013年6月に開業してはや2年。最近ちょっといい寿司をゆっくり食べようかというときに必ず利用する店。新地の名店「平野」で修行された若きご主人のしっかり目利きの効いた仕入れとその選び抜いた食材に対しての仕事の確かさで今やなかなか予約のできない店となっている。

場所はアメリカ領事館の北側で老松町を一筋入ったところ。北新地に比べてしっとりとした大人な店が多いのでこの界隈の店はよく利用する。寿司も乾山系の「鮨 林田」や隠れ家風の「鮨ろく」現在ミシュラン1星の「鮨 美菜月」などの超高級寿司店の立ち並ぶ激戦区にある。

お店の名前は「ふく吉」と書いて「ふくよし」と読む。7席のみの白木のカウンターは毎日磨き砂で磨いてヘチマでこすって最後に牛乳で仕上げる。すべすべのカウンタ−は赤ちゃんの肌のような手触り。

この日はいつものように何もかもお任せコースを頂く。

2015-09-05 18.04.23

生ビールで乾杯をして座付きは無花果に枝豆の裏ごしした物を倉掛にしたもの。その上に三杯酢のゼリーがかかる。何も言うことのない美味しさ・・・普段は奥様も店に出ているんだけど3人目の子供が出来たということでこの日は自宅待機らしい。

2015-09-05 18.07.44

ピカピカのつけ台の上に直接置かれる刺身は天然鯛を薄く切った物としっかりと切ったものの2種類。塩、山葵、醤油で頂く。皮目を炙って供されるのは今が旬のかます。このお造りの供し方も平野流。

2015-09-05 18.12.30

次に登場は今が旬の戻り鰹。これもこの時期に平野さんに行くと必ず出てくるスペシャリティー。

2015-09-05 18.12.34

私が赤身の魚が好みでないことはわかっていただいているので800gくらいありそうな大きな煮鮑を出しておもむろに大きくカットして出してくれた。こういうところが嬉しい・・美味しくないわけがない。

2015-09-05 18.20.05

初物の秋刀魚の塩焼きは片身のみ。丁寧に焼かれて「あけがらし」が添えられる。パッと見はもろきゅうに添えられるお味噌みたいだけど食すとピリっとしてかなり不思議な風味で味も深い。山形産の仕込み芥子糀に麻の実をあしらった物らしい。甘くて辛くて食欲が出そうな味で昔は食欲喚起剤や強壮剤に使われていたらしい。和風の食べるラー油みたいな物であろうか。

2015-09-05 18.26.26

このあとは巨大な甘エビを昆布〆にしたもの。ここでシャンパンを頂く。カウンタ−の裏にワインセラーがあったので2番目に安い物をとかなんとか言いながらそこそこのものを自分で取り出して自分で抜栓して美味しくいただく。

2015-09-05 18.29.42

泉州のワタリガニの身と松茸と菊の花をあわせたお浸し。シャンパンとの相性は抜群。『平野』から独立した店は新地の「多田」福島の「金城」など7店舗ありそれらどの店も大繁盛していると聞き及ぶ。上海やアムステルダムに出店されて大成功をおさめている方もいると聞き及ぶ。平野の店主は人育ても凄腕である・・・

『平野』を初めどの店にも言えるのが、みんな高級店なんだけど、どこも偉ぶってなくてわざと敷居を低くするような会話をしっかりとされ、どんな方にでも美味しく食べてもらおうとする気持ちがダイレクトに伝わること。簡単なようでこれがかなり難しい・・

2015-09-05 18.35.32

「平野」と同じ仕入れ先から入れる鯨。さらし鯨はその場で湯がいて温かいうちに供される。おの身のときもあるがこの日はさえずり(舌) 当然臭みやクセは全くない。鯨肉の旨みを充分堪能する。この店で出てくる鯨肉より美味しい物は食べたことがない。

2015-09-05 18.43.10

福田氏のスペシャルティのタコの煮物は歯がなくても噛み切れる柔らかさ。イボや皮も剥がれず丁寧な炊き込みにいつも感心する。この日はしっかり炊かれた大根と水菜と松の実をクラッシュした物を添える。

2015-09-05 18.55.37

煮物椀は出汁の美味しさに感激する。薄く剥かれた大根に隠れるのは白焼きした鰻と冬瓜。鰻の脂が薄く浮いてさらりとして喉の奥にストんと落ちる。まるで泉の水を飲んでいるような美味しさ。

2015-09-05 18.50.00

焼いた鱧をクラッシュして餅米の上に置いたもの。この日初めて私のために作ってくれたらしい。気持ちが嬉しく涙がちょちょぎれる。

2015-09-05 19.04.10

33才のご主人は宮崎の都城出身。修業先の仕事をきちんと踏襲して自分の物にされている。握りの所作もかなり美しい。。80センチはある大きな包丁を使って出来るだけ魚の細胞を壊さないように静かに切り付けをする姿は神々しい。それでいてお客様には常に謙虚な姿勢で対応される。

2015-09-05 19.04.42

握りの最初は剣先烏賊から。熟成感もあって味がとても深い。この日はいないが奥さんも見ただけで人柄のよさが伝わってくる。このあたりも平野さん譲りか。

2015-09-05 19.06.30

細魚も普通に美味しい。シャリが特筆するほど美味しい。必要な分だけ小さな保温出来るおひつに入れて握られる。シャリが美味しいので〆にシャリカレーをリクエストしたところそれだけは勘弁してくださいと逆にお願いされる。

2015-09-05 19.08.55

のどぐろの美味しさは言わずもがな。

2015-09-05 19.12.32

切り付けのスタイルも「平野」と同じである釣りの鯵はビジュアルだけでも美味しそう。。美しい姿の物はやっぱり美味しい。脂の甘味が脳を突き刺す。

2015-09-05 19.16.28

大好物のシラサエビはかなり巨大なサイズ。レアに湯がかれていて甘味も上品で卵も味噌もとてもいい。泉州産とのことだがこのサイズんものはなかなか見かけない。

2015-09-05 19.30.55

ここでいつも頂く、冷やおろしの石川県の宗玄の純米吟醸を所望。辛口の濃醇タイプ。口に含んだ瞬間、甘味を感じるけどその甘さが後に残らずに軽い酸味が広がる。どっしりとしたボリュームも感じられてこのお店の料理にぴったりのお酒である。寿司が負けてしまうから「美味し過ぎないお酒」をと言うといつもこれが出てくる。

2015-09-05 19.21.02

新物のいくら。いくらの味の違いを説明するのはとても難しい。材料自身(魚種)もそうだし川で獲れる物と海の物、時期や加工の仕方で全く異なる物となる。この店のいくらは何もかもトップクラス。

2015-09-05 19.24.43

コハダは1枚漬け。ありがちな〆過ぎ感もなくしっとりとしてとても美味しい。

2015-09-05 19.32.33

いつも最後に出てくる穴子は塩と甘たれ。。皮の部分の脂が強烈。。目利きの素晴しさに敬服。ここまで旨味を引き出した穴子の握りはあまり見かけない。。平野のレシピと同じく笹に挟んで焼いて供される。熊笹の香りがついてかなり美味しい。煮詰めも上品で美味し過ぎ。ふわふわのトロトロで私の穴子ランキングではダントツ1位である。

2015-09-05 19.38.36

最後はデザート代わりの玉子焼きとかんぴょう巻。これも平野と同じお約束の美味しさ。ごちそうさまでした・・・

 

大阪市北区西天満4丁目11番8号
06-6809-4696


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まんま

地元の友人を急遽誘って天王寺の表記の寿司店を訪問。戦後の闇市が発祥の阪和商店街と言うかなりレトロな場所に位置するんだけど最近は新しい串焼きの店が増えたりしてどの店も活況を呈している。当然こちらの店も満席で10分くらい焼き鳥屋の兄ちゃんとしゃべりながら時間をつぶす。

店内はカウンター席が7名、入り口に円卓が2組。カウンター後ろにも2名程座れるテーブル席。
今年の1月にオープンと言っておられフレンチと寿司BARで修行を積まれたご主人と若い男性2人の3名で切り盛りする。ビールで乾杯をして好きな物を好きなだけ注文。メニューを見ると寿司以外に天ぷらや旬の野菜のオリーブオイル焼きなどお酒の肴が多い。それを狭いカウンタ−横で調理するのでかなりムシムシする。

2015-08-27 20.50.00

明石のタコがあったので軽く焼いてもらってポン酢で食す。予想よりも美味しいので嬉しい。周りの店は古いお店と最近出来たお店が混在して古い店はディープな昭和の雰囲気が色濃く残っている。

2015-08-27 20.30.28

茶碗蒸し600円は凡庸。

2015-08-27 20.23.59

賀茂茄子の煮揚げはいい線いってるんだけど出汁が弱い。茄子の肉質もいいだけに残念。この辺りは調理人の年季不足。客も若い方ばかり。刺身盛りあわせ7種1280円とオススメ握り ¥880-(5貫) が定番の注文の仕方らしい。雰囲気から言って気軽なお店なので若い方が自分で行くお寿司屋さんとしてはいいと思う。

2015-08-27 20.09.44

寿司は小振りで食べやすい。エンガワが乗った平目、剣先烏賊、脂たっぷりで皮目を炙ったのどぐろ、梅肉をのせたタイラギ貝。どれもが秀逸。

2015-08-27 20.22.41

好物の海老は冷凍だけど安いからいい。穴子はふわふわ450円。旬の秋刀魚は脂たっぷり。富山の白海老も美味しい。総じてレベルは高いと思うが店内の清潔感が不足。若い方には気にならないかも知れないが・・・

2015-08-27 20.45.39

精を付けるために鰻の白焼きを所望。尾っぽの部分ばかりでこれはこれで美味しい。2種類の塩と本ワサビともにいただく。

2015-08-27 20.46.00

鰻と一緒に十四代の雄町を所望1400円。ででんと出てきてなみなみとコップに入れてくれるが8尺くらいであろうか。フルーティなー吟醸香が感じられとても美味しい。3500円くらいの定価だと思うが楽天等のネットでは一升25000円位で販売されている。。

支払いは2人で12000円くらい。雰囲気と店を考えるとあまりコスパはよくないかな・・・お造りと握りのお任せを頂いて追加の握りを注文するという方法が王道だと理解。

大阪市天王寺区堀越町14−4
電話:06−6777−5305
営業時間:16:30~23:00
定休日:日曜日、祝日

まんま寿司 / 天王寺駅天王寺駅前駅大阪阿部野橋駅

夜総合点★★★☆☆ 3.0


カテゴリー 天王寺/阿倍野, 寿司 |

すし寛 8月

お盆にヘビーユースする創業60年の西成の飛田にあるの表記の店をラン友と2人で訪問。私の中では安旨寿司のベストオブキング。
最初にビールで乾杯していつものように好きなものを好きなだけつまむ。

2015-08-15 23.26.55

 

トコブシの旨煮はとびあら海老と椎茸とカボチャの炊いたものも一緒に盛りつけられる。しっかりとした加減でとても美味しい。明石のタコもしっかり煮付けられる。旬の蓴菜も粒が小さくてとても上質。加減酢に雲丹と生ワサビをおろしたものとともに頂く。

ここですっきりした日本酒「ますみ」を所望。大阪湾の活シラサエビの天ぷらとともに味わう。マリアージュが最高。

2015-08-15 23.30.11
水槽で泳ぐ大きな目板かれいと目が合ったので薄造りにしてもらう。サイズが大きいので食べ応え満点。真っ赤な肝も一緒に頂く。本当は少し身を寝かしたほうが味が乗るんだけどこれはこれで美味しい。骨と頭は揚げて煎餅にして食す。ここで「中々」の水割りにチェンジ。今年10回以上いただいている鱧の落としも所望。骨切りが完璧なので身がふわふわ。焼酎との相性もバッチリなり。 2015-08-15 23.28.44

 

新物の秋刀魚は脂ののりも抜群。軽く〆られた鰯もとても美味しい。鰻の白焼きと焼きたての出汁巻をつまんでフィニッシュ。この他にも思いっきり飲んで食べて一人5000円でした。お店の詳細は過去ブログ参照してくださいね。

大阪市西成区太子1-15-2
06-6641-6654
16:30〜24:00
月休


カテゴリー 恵美須町, 寿司 |