カテゴリー:寿司

米増 5月【大阪市 福島】

福島にある表記の和食店を定期訪問。ミシュラン2星。大阪では屈指の予約困難店。最近は常連客の予約以外は取られていない。私も数年前から毎月伺っているが全く飽きることのない好きな和食店の一つ。茶味あふれる料理で素材をいたずらに触りすぎないいい仕事をされる。今月から辻調理師学校卒業の若い女性スタッフさんが入店し店内がさらにいい空気を持つようになる。

この日は17時半から8名で一斉スタート。コース料理の値段は使用される食材によって変動。この日はお酒を少しいただいて税金とサービス料で一人32000円。

大阪の「本湖月」や「かが万」等で修行をされた46歳になる温和な人柄のご主人と奥さんの柔らかい接客も見ていて気持ちがいい。新規客、常連の分け隔てなく丁寧にカウンター越しで楽しく話をされるので客は皆この店のファンになる。

床飾りの絵はご主人作。装飾を廃した店内は凛とした空気が漂い客も皆小さな声で話をする。奥の調理場からも一切音が聞こえてこないことにもいつも感心する。料理はその時期の一番美味しいものを厳選し何度も事前に試作を重ねて提供。

写真掲載は禁止なので忘備録のため献立のみ記す。

・うすいえんどう豆腐と新蓴菜、柚の花
・室津産の鳥貝炭火焼きと烏賊の酒煎り、こしあぶら、酢味噌
・寄せ素麺、かすご鯛、三度豆、青柚子
・和歌山県すさみ産の鰹、金目鯛昆布締め、秋田産の桜鱒、絹さやのけん
・アコウのチリ蒸し、新玉ねぎ
・根曲竹の木の芽あえ、こごみ白和え、蕗胡麻和え
・山独活炭焼き
・手打ち蕎麦とタラの芽の天ぷら
・白焼にした鰻の鍋仕立て、冬瓜
・白ご飯、アコウのあら炊き、香の物、汁
・静岡メロンのシャーベットと牛乳のソルベ
・葛餅ちまき仕立てと薄茶

お酒も美味しくいただきました。

過去の米増はこちら

大阪市北区大淀南1-9-16

大阪市 福島 寿司

福喜鮨本店 5月【大阪市 新大阪/西中島南方】

西中島南方の表記の寿司店を友人と訪問。関西の江戸前寿司のパイオニアと言われているこちらの店は1910年東京で創業され、大正5年に大阪の日本橋に移転、お店としては110年以上の歴史を持つ。大阪屈指の高級店だった日本橋のお店や10数件あった支店は今はもうない。

こちらのお店は3年前に再開されたとのこと。西中島南方駅、南方駅から南に徒歩3分のマンションの一室に位置する。お店の前の道路には日本橋時代と同様の柳の木が風に揺れる。マンションの前に置かれた小さな看板が目印。エレベーターを降りると瀟洒なファザードが登場する。

お店はカウンター7席と6席の個室のみ。62歳のこの道一筋の4代目のご主人とそのご子息と奥さんの3人で切り盛り。メニューはおまかせではなくショーケースの中の食材から好きなものを好きなように注文するアラカルトスタイル。

最初にお酒と刺身を少しいただく。上品な脂の乗った鯛の腹部分と縞鯵、ハリイカの3種類。イカは刻んだ海苔と醤油でいただく。続いてご主人おすすめの走りの鱧。皮も柔らかくて少し醤油をつけていただくと甘味が際立つ。ホタルイカも味噌がたっぷりでとても美味しい。

前回と同様に青魚を数種。大きなサイズで食べ応え満点のパツパツ食感の細魚、半身付けの小肌は浅めの締め具合で旨みも強くソフトな味わい。独特のフォルムに握られた鯵の仕事も秀逸。こちらのお店の夏のスペシャリティの鮎は香りもよくて皮も全く気にならない上品な味わい。8月まではあると言っておられた。

シャリは塩が強めで砂糖少なめの白シャリ。こちらのお店ならではの本手返しで木桶をポンと叩く所作も見ていて楽しい。

好物の貝は生の鳥貝から。この日は泉州産を使用とのこと。平貝も新鮮極まりなく味も深い。お店の看板であるしっかりと皮目を焼き込んだ穴子はしばらく記憶に残る美味しさ。特別に先の部分をリクエストした煮蛸も穴子の出汁で取った煮詰めの美味しさと相まってマリアナ海溝くらい深い味わい。艶かしく綺麗なマグロも美味しかったと友人の弁。焼き目のない綺麗な玉子はとても甘くてお茶との相性もとてもいい。

日本酒は大関の大吟醸と白鶴の流通していないものを供される。会計はお酒を少しいただいて30000円くらい。この日も大満足で店を出る。

大阪市淀川区西中島1−9−13
クレアシオン新大阪ビル3F
06-6795-9088
12:00~14:00/17:00~21:00
水曜定休

前回の記事はこちら

大阪市 新大阪/西中島南方 寿司

墨や 5月【大阪市 難波】

オープンの2017年から定期訪問している難波の人気寿司店を友人を誘って貸切で訪問。テレビ等のメディアでよく取り上げられ席数が6つだけという事もあり現在、大阪屈指の予約困難店と言われている。昨年から淡路島のシェフズガーデンに支店を出したためにこちらの営業日が少なくなり、以前よりもさらに予約が取りにくくなっている。

現在、新規客は一切受け付けていないので常連に連れて行ってもらうしかない状態。私のブログを見られての問い合わせも多数あるとのこと。場所は大阪メトロ難波駅12番出口から徒歩3分の路地の中にある。

福島区の寿司大学で3ヶ月修行された女性店主「のりちゃん」のワンオペの17時スタートと20時スタートの2回転制。創業時は3000円のコースからスタート。現在は泳ぎ烏賊の付いたコース10000円のみ。

最初に水槽で泳ぐ剣先烏賊のプレゼンテーション。使用される烏賊の種類はその日によって異なる。残念ながら不漁で烏賊のない時は別のものが供される。この日はシケ明けの久しぶりの入荷とのこと。キュウキュウと鳴く烏賊を包丁で締めてあっという間に生き造りに仕上げられる。

酢橘を絞って炭の入った塩でいただくと甘い身の旨みがより強くなる気がする。

皆で焼酎やワインをいただきながら酒肴を楽しむ。最初に天然河豚のあら身の醤油焼き。身が締まっていて食べ応えあり。続いて刺身の烏賊の後造り。造りか天ぷら、塩焼きから選ぶことができる。

富山のもずく酢で口を整えて大きな平貝の磯辺焼きと続く。浅く締めた鯵棒寿司の海苔巻きも胡麻の香りも相まってかなり美味しい。

店主のサービスやホスピタリティーも素晴らしく店の狭さもあってお店全体が一体感に包まれる。店の隣のスナックのカラオケがBGMとなってかなりいい。

寿司の扉は細かく包丁目を入れまくった烏賊から。シャリはイカ墨を混ぜたものを使用(ネタによって白酢のシャリとを使い分けをされるのも素晴らしい)。続いて軽く締めた平目、半身付の小肌もふわふわでとてもいい。皮目を炙った鰆、パリパリ食感のハリイカ、生鳥貝(苦手な鰹の代わり)、カワハギの肝添えと続く。

後半戦は手巻きのあん肝。頭の味噌がたっぷりついた車海老、北海道産の雲丹、赤貝(苦手なマグロの代わり)、車海老巻き(トロタクの代わり)、青さのりの味噌汁でフィニッシュ。どのネタも秀逸で仕込みも丁寧。人に誘われたら必ず行くべき店と思う。

淡路島の支店は早めに予約すれば比較的予約が取れると言っておられました。ごちそうさまでした。

過去の墨やはこちら

お店の場所と連絡先は非公開。

大阪市 難波 寿司