カテゴリー:和食

住吉大社記念館 吉祥殿【大阪市 住吉大社】

表記の場所でとある会合に参加。昼食をいただく。。普段は冷たいお弁当にお吸い物というパターンが多い会合であるが、さすが一流のおもてなしをされることに驚いた。

焼き八寸は鱒の焼き物と銀杏豆腐のイクラのせ、ひじきの旨煮、烏賊飯、小芋田楽、出汁巻き卵、蟹のさつま揚げなど多種いろいろなものが小さな箱に盛り合わせとなっておりビールが欲しくなるような取り合わせであった。

ここで熱々のご飯が陶器の蓋物で出てきてご飯とともに氷の器に盛られたお造りが2種類。残暑厳しい時であったのでその瞬間に涼風が流れた感あり。

蓋物は一見茶わん蒸しに見えるが豆乳蒸しとのこと。お酢の入った餡が掛けられておりこれも暑気払いとなる。130人以上の食事をするほとんどの方が高齢者で量的なものもよく考えられている。小鍋には肉うどん。。出汁は限りなく薄く作っており万人受けする素晴らしい献立である。

水菓子は巨峰と20世紀梨。こういう部分はきちんとつくられる。やっぱり締めが一番大事であること。。食後のコーヒーもとても美味しい。 低価格の予算であっても温かいもの冷たいのものメリハリをしっかり作って提供される姿勢に感服する。いろいろな部分を参考にさせていただく。。

*現在弊社で冷めた天ぷらの改良をプロジェクトチームを作って行っている。。 若い人たちの頑張りにわが社の未来がかかっている。 調理師であっても明日を新たにすることの大切さが少しづつ浸透してきたかと感じる今日この頃である。

大阪市 住吉大社 和食

淺井 東迎【大阪市 心斎橋/四ツ橋】

心斎橋の不二家を東に入った割烹に訪問。2階、3階に個室があり気を張った方と食事をするときによく利用する。 本日は大人同士の会合とともにお祝いを兼ねてカウンターを予約する。

お店に入ると厨房の中にはところ狭しと料理人がわんさかいる。この店は1階から3階まで合わせると100人ほどは入れる高級店なんだけど大箱のお店。上質な紙に達筆な筆で書かれたメニューは値段が明記されておらずまさに接待にぴったりと言うことか。その メニューも多すぎでなにを頼んでいいのやらよくわからんとなる。適当に好きなものを選んで注文。。

まずはビールで乾杯。。 お造りの盛り合わせは鯛のぶつ切りポン酢和え、烏賊の雲丹巻、石鯛、まと鯛(これがモチモチして最高に旨かった)美味しいものを少しだけいただくのはとても贅沢である。全てが一番ネタであることはわかる。。。

名物のおでんはサトイモ、粟麩、ゆば、さえずりを甘い味噌につけていただく。。さえずりの戻し方は完璧。クジラの舌なんだけど最近はいただけるお店が少ないし戻し方が荒っぽいため真綿のような柔らかさとクジラの旨みだけを残した味わいになかなか出合えない。。

おでん屋でもよくいただくのだが生臭くて食べれないことの方が多い。そう考えればこの店は希少な大阪ならではの料理屋であることがわかる

蓮根饅頭はモチモチして蓮根の舌触りも残っていて実に美味。最近どこの居酒屋でもありそうだが仕事の精度と材料のレヴェルが全然違う。。日本酒に切り替えてどんどん飲みまくる。。

焼き魚はキンキを所望する。脂がのりまくって骨までしゃぶりまくる。身も分厚くて食べ応え満点。メニューに長命草を練り込んだそばがあったのでご主人に聞いてみたところ与那国出身らしく先月に与那国に行ったことをお話しすると共通の話題で盛り上がった。御主人の東迎さんは若いころ大阪に出てきて修業を重ねられたと聞き及ぶ。与那国町で栽培される長命草と同様、和の繊細かつ深みあるお人柄なのであろうと推察される

目の前に立たれてお店全体を仕切られている太っちょの職人さんも石垣出身らしく先月訪問した共通の知人や観光の話で楽しくお酒を飲ませていただいた。。。

和風春巻きは胡麻豆腐と海老と帆立貝柱を巻き込んだかなり贅沢なもの。素材の持ち味を生かして必要以上に手を掛け過ぎずお酒がより美味しくなる料理ばかり。コースもいいんだけど好きなものを好きなだけいただきたいときもある。。

酔っても大声で喋らない品の良い客層、対応いい坊主頭板前見習い店員、落ち着いた雰囲気の店内。。。こんな店がいつまでも残ってほしいし将来ふらりと一人で入れるような年齢の重ね方をしたいと思った。。大阪割烹ここにありといった感じか。。。

住所:大阪市中央区心斎橋筋2-2-30 境ビル
電話:06-6213-2331
営業時間:17:00~24:00 

大阪市 心斎橋/四ツ橋 和食

遠音近音 Ochi Kochi

週末に急遽思いついて車で鞆の浦にいく。2000年に某団体の用事でその町の美しさに魅了された記憶がある。穏やかな瀬戸の海に弁天島、仙酔島が浮かび、昔ながらの町並みも多く残っていて再訪したいと思っていたところ知人の出版関係者がお勧めの宿と教えていただき訪問することとなった。この旅館は昨年の秋にできたばかりでロケーションもよくすぐ目の前が瀬戸内海である。                       料理のクオリティーの高さが評判で上がったばかりの瀬戸内の幸、その時期一番おいしい素材を生かした魚介類を調理してくれると聞き及ぶ。 古い旅館をリノベーションした建物は玄関に入ると高い吹き抜けで天井の梁は江戸時代のものらしい。 またロビーからは仙酔島が一幅の絵のようによく見える。龍馬ゆかりの地とあって「いろは丸」のような船も隣の渡船場から出航している。                                                     部屋は全室オーシャンビューなんだけど特に気を使っていただきアッパースイートの部屋にしていただく。海を望むウッドデッキにある半露天ぶろにつかりながら瀬戸内海の風を感じ、波音をBGMにしながらシャンパンをいただく。夕食は食事処ではなく部屋食にしてもらう。仲居さんが若くてかわいかったのがうれしい。。 zensaiotikoti.jpg 前菜は鰆の南蛮漬けに糸瓜を乗せたもの、そこにキウイで作ったお酢をぶっかけ。。。かなり旨い。。その下はミニトマトの中にビシソワーズ(ジャガイモの冷製スープ)を射こんだもの、トウモロコシをすり身で作って真丈に乗せてバター焼きにしたもの。イカそうめんのオクラ乗せはかそけき酸味が気持ちいい。イチジクを炊いたものの上に柔らかい胡麻豆腐を乗せて焼いたものもかなり秀逸。                                                                                これだけでこちらの料理人の腕の良さと卓越したセンスが感じられる。。そこらの旅館の料理とは確実に一線を画している。。 nimonootikoti.jpg 煮物椀は柔らかく炊かれた冬瓜の上にホタテの貝柱をあぶったもの。。そこに。本物のふかひれが入る。秀逸は出汁で鰹・昆布とは別に干し貝柱でスープを取っている。。。旨いもんはホントうまい。。 tukurisanshuotikoti.jpg メインのお造りは全く臭みのない鱸の生の数の子和え、天然鯛の重ね盛り、才巻き海老の霜降りを加賀胡瓜の上に盛り付け。。もみじおろしを入れたポン酢と割り醤油を交互に付けていただく。 これだけでやられたって感じである。 ahouotikoti.jpg この時期旬の高級魚「あこう」の薄造りはもっちりした身と上品な脂が最高。。これは地元の藻塩とスダチでいただく。。 okozeotikoti.jpg オコゼのネギ巻はこれもなんとも上品で力のある味わい。。あしらえのカエルも実にかわいらしい。。。 オコゼってたまにしかいただかないけどホントに美味しいわ。。 yakimonootikoti.jpg 焼き物は地穴子の炭火焼をとろろ汁とともにいただく趣向。。脂の乗った穴子がとろろのおかげであっさりといただける。。黒毛和牛のたたきは個人的には必要なかったがいただくとやっぱりうまい。。山椒のドレッシングも秀逸。。 hamosukiotikoti.jpg 瀬戸内の鱧をハリハリ鍋仕立てでいただく。地元の玉こんにゃくや夏大根、黄にら、引き上げ湯葉シイタケなどをかなり塩分濃度の低い、しかしながら鱧の旨みが十分効いた素晴らしい出し汁でいただく。。 sunomonootikoti.jpg 酢のものはグラスに入ったじゅんさい。その中に旨酢とラズベリー、ブルーベリー、岩茸、ミョウガが入る。 暑気払いにぴったり。。オレンジの釜に入った赤貝は酢みそとともにいただく。 taimesiotikoti.jpg 名物の鯛飯は釜だき。。お姉さんが細い手で持って見せてくれる。。見ただけで旨いのがわかる。。。 taimesi2otikoti.jpg 一膳目はそのままで。。二膳目はお焦げとともに出汁茶漬けでいただく。 土瓶蒸し仕様になっていて椎茸や粟麩、鯛の身のエキスもたっぷり味わえる。。 deseruotikoti.jpg デセールは地元のしまなみスイカ、黒豆、ピオーネ、メロンの盛り合わせとわらび餅の入った最中。抹茶アイスに小倉あんを添えたもの。。しかしこの時点でお腹いっぱい。。日本酒も2種類いただいた。。 地元の魚の良さを最大限に生かしながらしかし民宿のような料理でもなく。。かなりのセンスを持ち合わせた方とお見受けしたがいまだ30代の料理長と聞き及んだ。。 miseotikoti.jpg 建物も風情があり食後はベランダで景色を楽しむ。。比較的客の年齢層が高いので、とても静かに過ごせる。 広島県福山市鞆町鞆629 084-982-1575 HPはこちら

汀邸 遠音近音 Ochi Kochi旅館 / 福山市その他)

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