邯鄲小吃館 (ハンダンショウチュカン)

会議の後、職場の若手社員10名と中国語を習っている留学生君とともに敬愛する地元の「邯鄲小吃館」を訪問する。駅から遠いし不便極まりないんだけどこの店を訪ねて遠方から多くの客が来る。以前ご一緒したフードコーディネートのYさんも後日彼氏を連れて難波からタクシーを駆って水餃子を食べに来たと聞き及ぶ。食事代よりもタクシー代の方が確実に高い。

この店看板もなく冷房もない。夏は暑く冬はかなり寒い。中国家庭料理を標榜するだけあって家庭用コンロとテフロンのフライパンで御主人が自由自在に料理を作る

「小吃館」っていうのは一膳飯屋っていう意味と今年社員旅行で上海に行った社員は少しツウぶって話す。中国人がこの店に来たらとても喜ぶ。。日本でホンモノの中国料理がいただけること大阪の高級ホテルの料理長も夜な夜な食べにくるということ、これだけでこの店のパフォーマンスの高さがうかがい知れる。

生ビールと共に落花生と蒸しどりのピリ辛。。落花生は八角と一緒に醤油に漬けられている。。最初からビールごくごくいってしまう。。

店名の邯鄲という広東省と四川省の間にある小さな村で住んでいるときに学んだ家庭料理。素材を活かした優しい味付けの中国料理はいくら食べても食べ飽きない。ワイワイガヤガヤと中国の話をしたり料理の話をしながら楽しい時間を過ごす。

鶏の肝の醤油煮は大好物。。これさえあれば紹興酒一升いってしまう。。味の加減も最高だし素材も地元商店街の専門店で買っていることも知っているので旨すぎる。。オクラときくらげの黒酢和えもどんどんビールが進む。

留学生君も大喜び。。奥さんの接客も地味ながら実にいい。。

きゅうりを叩いたものに生のニンニクを潰したものをぶっかけて黒酢で食す。すごい香りがしてまさにこれぞ中国家庭料理って感じの逸品である。一見地味なんだけど実に滋味深い料理である。

北京ダックの北京ダック抜きのようなネギを湯葉の皮で巻いた料理は甘いみそとネギの辛味のバランスが素晴らしい。。

この店のスペシャリティーのトマトの砂糖掛けは単にトマトにグラニュー糖を掛けているだけではないところがポイントである。留学生君も「中国とおんなじ味や」と喜んでいた。日本の田舎でもこのようにしてトマトを食べる習慣があるところがあると誰かが言っていた。この店はこの料理もいいけどトマトと玉子を炒めた物もムチャムチャ旨い。いつもどちらにしようか迷ってしまう。

テーブルで焼肉にしようか迷った羊肉なんだけど店内が暑くなるので厨房で焼いていただいた。羊はクセがあるので苦手と言う人もここのラムは大丈夫です。味付けは塩だけで十分と店主のたまう。香辛料のクミンが実にエスニックな香りをかもしだす。一味唐辛子の辛味もまたいい。ほとんどクセがなく、やわらかくてジューシィーでめちゃウマ。牛肉と違ってあっさりしているので、いくらでもいける。

女子社員君の実家でヤギを飼っているので最初は羊食べれないと言っていたのがバクバク食べていた。

水餃子を所望したら客がいないことを理由に客席で実演をしてくれることとなった。この店の御主人、顔はいかつく腕は丸太のようであるが心が優しい。とっても親切で目の前で作り方を説明しながら小麦と水だけで皮を作って餡を入れる。中国では焼き餃子は水餃子のリサイクル、つまり残り物を焼くのが焼き餃子と説明されていた。焼きめしも同様である。途中で私どもの調理師も餃子作りにチャレンジする。焼き餃子と水餃子では包み方が異なることも初めて知った。

湯がきたての水餃子を黒酢で食す。作りたての皮はピカピカでツルツルでシコシコしてまさに水餃子は皮を食べる料理であること再確認する。。特に変わった調味料を入れるわけでもなく自分で皮を作ると簡単にこんなに美味しいものが出来ることに驚いた。

水餃子の皮と同じ材料でジャージャー麺を作られる。麺はモチモチ。キュウリと白髪ネギが入っていて濃い目の味噌味の挽肉との相性はバッチリ。これは締めに絶対に注文したい逸品である。この店タバコ携帯は禁止です

大阪市住之江区浜口西2-11-18      
06-6678-3078   
営業時間:13:00~23:00   
定休日:木・金  

 


カテゴリー 住之江, 住吉公園, 中華料理 |

田淵屋

翌日は雨の中鞆町散策。渡船にて仙酔島に渡る。遊歩道を歩きながら自然を満喫。。鞆町の史跡や古い町並みを巡りながら途中で『茶房 田渕屋』でランチ。。小さいのだけど思いっきり雰囲気のあるお店。

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ここも江戸時代からの商屋を改造してるようで大きな台所に大きなテーブルが一つ。。そこで他のお客さんと相席してハヤシライス1000円をいただく。メニューはこれだけ。店の中は流しと釜戸が横にありなんともおしゃれになっている。

 

店内はジブリのオルゴール曲が流れていてこの街が宮崎駿さんが「崖の上のポニョ」の構想を練った場所ということを今回初めて知った。スタジオジブリの社員旅行の宿泊地となったり、映画「男たちの大和/YAMATO」の撮影で使用されたりと、実は知る人ぞ知る有名店らしい。

 

しばらくすると スモークチーズと保命酒4種類が出てきました。上品な高齢の女性店主がよかったら全ての種類を飲んでみてくださいとのことで当地名物の保命酒をいただく。保命酒はもち米を主原料に16種類の漢方薬を漬け込んだ養命酒のようなもの。350年間この街の名産品として作られているらしい。 スモークチーズも美味しいし、おいしい保命酒もいただき食べる前から超ご機嫌。

 

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ハヤシライスは、さらっとした味加減でココナッツミルクの香りとたっぷりの牛肉で食べ応え満点。。トマト味ではなく完全なドミグラスソース。私は途中でお腹いっぱいになり残してしまったが実に食べやすいいいお味。。生姜の効いた冷し飴を掛けたふわふわのかき氷も有名と聞き及ぶ。。

福山市鞆町鞆838 084-983-5085

 

*本日から日記ソフトバージョンアップ。。結構な費用がかかったが少しは見やすくなったかと思い納得。。このブログも今やかなり多くの方に見ていただいており感謝している。

茶房 田渕屋喫茶店 / 福山市その他)


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遠音近音 Ochi Kochi

週末に急遽思いついて車で鞆の浦にいく。2000年に某団体の用事でその町の美しさに魅了された記憶がある。穏やかな瀬戸の海に弁天島、仙酔島が浮かび、昔ながらの町並みも多く残っていて再訪したいと思っていたところ知人の出版関係者がお勧めの宿と教えていただき訪問することとなった。この旅館は昨年の秋にできたばかりでロケーションもよくすぐ目の前が瀬戸内海である。                       料理のクオリティーの高さが評判で上がったばかりの瀬戸内の幸、その時期一番おいしい素材を生かした魚介類を調理してくれると聞き及ぶ。 古い旅館をリノベーションした建物は玄関に入ると高い吹き抜けで天井の梁は江戸時代のものらしい。 またロビーからは仙酔島が一幅の絵のようによく見える。龍馬ゆかりの地とあって「いろは丸」のような船も隣の渡船場から出航している。                                                     部屋は全室オーシャンビューなんだけど特に気を使っていただきアッパースイートの部屋にしていただく。海を望むウッドデッキにある半露天ぶろにつかりながら瀬戸内海の風を感じ、波音をBGMにしながらシャンパンをいただく。夕食は食事処ではなく部屋食にしてもらう。仲居さんが若くてかわいかったのがうれしい。。 zensaiotikoti.jpg 前菜は鰆の南蛮漬けに糸瓜を乗せたもの、そこにキウイで作ったお酢をぶっかけ。。。かなり旨い。。その下はミニトマトの中にビシソワーズ(ジャガイモの冷製スープ)を射こんだもの、トウモロコシをすり身で作って真丈に乗せてバター焼きにしたもの。イカそうめんのオクラ乗せはかそけき酸味が気持ちいい。イチジクを炊いたものの上に柔らかい胡麻豆腐を乗せて焼いたものもかなり秀逸。                                                                                これだけでこちらの料理人の腕の良さと卓越したセンスが感じられる。。そこらの旅館の料理とは確実に一線を画している。。 nimonootikoti.jpg 煮物椀は柔らかく炊かれた冬瓜の上にホタテの貝柱をあぶったもの。。そこに。本物のふかひれが入る。秀逸は出汁で鰹・昆布とは別に干し貝柱でスープを取っている。。。旨いもんはホントうまい。。 tukurisanshuotikoti.jpg メインのお造りは全く臭みのない鱸の生の数の子和え、天然鯛の重ね盛り、才巻き海老の霜降りを加賀胡瓜の上に盛り付け。。もみじおろしを入れたポン酢と割り醤油を交互に付けていただく。 これだけでやられたって感じである。 ahouotikoti.jpg この時期旬の高級魚「あこう」の薄造りはもっちりした身と上品な脂が最高。。これは地元の藻塩とスダチでいただく。。 okozeotikoti.jpg オコゼのネギ巻はこれもなんとも上品で力のある味わい。。あしらえのカエルも実にかわいらしい。。。 オコゼってたまにしかいただかないけどホントに美味しいわ。。 yakimonootikoti.jpg 焼き物は地穴子の炭火焼をとろろ汁とともにいただく趣向。。脂の乗った穴子がとろろのおかげであっさりといただける。。黒毛和牛のたたきは個人的には必要なかったがいただくとやっぱりうまい。。山椒のドレッシングも秀逸。。 hamosukiotikoti.jpg 瀬戸内の鱧をハリハリ鍋仕立てでいただく。地元の玉こんにゃくや夏大根、黄にら、引き上げ湯葉シイタケなどをかなり塩分濃度の低い、しかしながら鱧の旨みが十分効いた素晴らしい出し汁でいただく。。 sunomonootikoti.jpg 酢のものはグラスに入ったじゅんさい。その中に旨酢とラズベリー、ブルーベリー、岩茸、ミョウガが入る。 暑気払いにぴったり。。オレンジの釜に入った赤貝は酢みそとともにいただく。 taimesiotikoti.jpg 名物の鯛飯は釜だき。。お姉さんが細い手で持って見せてくれる。。見ただけで旨いのがわかる。。。 taimesi2otikoti.jpg 一膳目はそのままで。。二膳目はお焦げとともに出汁茶漬けでいただく。 土瓶蒸し仕様になっていて椎茸や粟麩、鯛の身のエキスもたっぷり味わえる。。 deseruotikoti.jpg デセールは地元のしまなみスイカ、黒豆、ピオーネ、メロンの盛り合わせとわらび餅の入った最中。抹茶アイスに小倉あんを添えたもの。。しかしこの時点でお腹いっぱい。。日本酒も2種類いただいた。。 地元の魚の良さを最大限に生かしながらしかし民宿のような料理でもなく。。かなりのセンスを持ち合わせた方とお見受けしたがいまだ30代の料理長と聞き及んだ。。 miseotikoti.jpg 建物も風情があり食後はベランダで景色を楽しむ。。比較的客の年齢層が高いので、とても静かに過ごせる。 広島県福山市鞆町鞆629 084-982-1575 HPはこちら

汀邸 遠音近音 Ochi Kochi旅館 / 福山市その他)


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