住之江区の玉出にある表記のフレンチレストランを会社のスタッフと訪問。大阪メトロ玉出駅2番出口から徒歩2分の場所に位置する。
こちらのシェフは辻調理師学校の西洋料理の伝説の元教授。現在も高齢ながら現役で腕を振るわれる。当然のことながら辻調の卒業生や先生方もよく訪れる。当日勤務していた若いスタッフ君も昨年卒業後にこちらに就職されたとのこと。
20世紀最大のシェフと言われるPaul Bocuse(ポール・ボキューズ)氏直伝の1980年台のクラシカルなニューベルキュージーヌのレシピを使ったフランス・リヨンの郷土料理をアットホームなスタイルでいただけるお店。
ディナーメニューは2種類のプリフィクススタイルのコースで今回はフルコースの7700円のものを所望する。メインに魚か肉を選ぶコースは6000円。メニュはどれも奇を衒わないオーセンティックな1980年代のボキューズやシャペルが作っていたニューベルキュージーヌのレシピを中心としたもの。
アミューズのポタージュスープは粘度の少ない、喉にストンと落ちるクリアな味わい。後からトウモロコシの風味、香りが鼻に抜ける。普通のものがワンランク上の味わい。
続いて鹿肉を使ったリエット。鹿肉をラードで煮込んでペースト状になるまで冷やした料理。この日もシェフが大きなボールとヘラで翌日分のリエットを仕込んでおられた。
前菜の盛り合わせは伝統料理のオンパレード。トマトのソルベをソースとして使う厚切りサーモン、根セロリのサラダ、ラタトゥーユ、オレンジジュースとフレンチドレッシングを合わせたもので調味する人参のラペ、無塩バターと一緒にいただく自家製のロースハムなど。
私はフォワグラのテリーヌは焼き壺を使って作られるスペシャリティのフォワグラのテリーヌを所望する。こちらはグランシェフがフランス3つ星のオーベルジュ・ド・リルで学ばれた逸品。よくあるテリーヌ型ではなくこちらのお店の店名にもなっている専用の壷に入れて焼き上げて、それをこそぎ取って盛り付けるというクラッシックな製法を引き継がれる。
限りなく滑らかで清らかで軽い舌触りで濃厚で独特の甘さも感じられて何度食べても驚きの美味しさ。まさに唯一無二の味わい。添えられたイチジクのコンポートとの相性もとてもいい。シャルドネと一緒に時間をかけて楽しむ。
好物の魚のムースパテのアメリケーヌソースはリヨンの伝統料理。平目と帆立貝をすり潰して、ふわふわに蒸しあげたスフレ状のムースをさらに焼き込み、芳醇な香りとコクのある濃厚なアメリケーヌソースを添えたもの。日本であまりいただける機会がないものと思う。ムースをいただいた後はバケットでソースを残さずこそげ取ってワインとのマリアージュを楽しむ。
肉料理は豚バラ肉の黒ビール煮込みを所望する。柔らかくほろほろに煮込まれたバラ肉も味わい深いが飴色の玉ねぎの甘さがなんとも言えない。ふわふわのマッシュポテトと艶やかなソースを混ぜて肉をいただくとピノ・ノワールがすすみまくる。
デセールは好きなものを好きなだけチョイス。。ほとんどの客が「全部盛り」を注文するとのこと。
私はワインが残っていたのでデセールはパスしてチーズ盛り合わせをいただく。何度きても感動のある地元の名店です。ランチタイムも営業されています。
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大阪市西成区玉出中2-13-31
06-6651-9568