表記の店で会食。1988年のソウルオリンピック開催の2年くらい前、当時私が大学生だった頃に本町橋のたもとにある喫茶店を改装したイタリアンレストランが美味しいと聞き訪問した記憶がある。当時は南船場の農林会館にあったイタリア政府が認める名店と言われたローマ料理の「コロッセオ」が有名で若い頃の私はそこに行くのにはかなりハードルが高かった記憶がある。
その本町橋のたもとの小さなイタリアンで当時、山根大介シェフがつくるパスタや魚介料理を友人と美味しくいただいた記憶がある。そこから天満橋に移転され現在の高麗橋のお店に名声とともに移られてからはここ数年は伺った記憶がない。こちらは西梅田の明治安田生命大阪梅田ビルの30階にあるお店でお店を貸し切っての結婚式も出来るようになっている大箱店。
天井の高い白を基調とした店内はかなりスタイリッシュ。当然の事ながら景観が素晴しい。この日はお呼ばれなので料理の価格は不明。
最初の前菜は生貝を使ったもの。生の鮑をイタリアンで頂くのは初めて。蓴菜やセロリの入ったスープはこちらのお店で「アミノ酸スープ」と呼ばれるもので昆布出汁にトマトやアスパラを煮出したエキスなど旨味の強い素材で作った冷製スープ。あっさりしながらも突き抜けた美味しさにビックリ。。
こちらのお店のシグニチャーメニューでお店を始めた頃から提供している「温かいポテトのティンバッロとキャビア」。仕事を施した温かいポテトにサワークリームとキャビア(オシェトラ)を山盛り載せたもの。お約束通り陶器のスプーンで頂く。こちらのお店は日本で1番オシェトラを輸入しているレストランでこの調理を年間2万食提供しているとこの日お店に来られていた山根シェフが言っていた。大粒のベルーガも美味しいけど口の中に皮が残ったり舌触りが滑らかでなかったりする事があるので個人的には小粒で味の濃いオシェトラが好み。キャビアを少し温めているのか風味もコクもあってキャビアを食べたと言う満足感が残る。ちなみにアラカルトで注文すると4000円。
せっかくなので山根シェフにお願いして厨房の中を見せて頂く。約15名の調理スタッフが忙しそうに動き回る。シェフは厨房内で檄を飛ばしながら指導。料理の作り置きは全くなくてデシャップに並べる皿は美味しく作れる皿の数だと言っていた。大箱の店でも効率よりも美味しさを優先させる姿に敬服する。若い店のマネージャーが「うちの店は儲けるのがへたくそなんです・・・」と自嘲気味に言っていた。
魚介の濃い「ズッパ デ ペッシェ」に浮かべた目板ガレイには新鮮なアスパラガスが添えられる。魚介のアラや骨を煮出して何度も漉して作られる見るからに濃いソースは旨味たっぷりでこのソースだけをちょっとずつ舐めながら濃いめでミネラルたっぷりのワインを飲みたい衝動に駆られる。ニンニクの効いたアイオリソースとトリュフもソースに更なるコクと香りのアクセントを加える。瀬戸内産の目板ガレイもとても新鮮で旨味もしっかりある旬の味わい。
青森県小川原湖産白魚とクレソンのオイルスパゲティは獲れたての白魚を現地でCAS冷凍(最新式の組織を破壊せずに冷凍する技術で食材の鮮度保持に使われる)されたもの。それを昆布水に塩を入れたものに浸けて解凍すると生の食感が蘇る・・・とのシェフの弁。
パスタ2皿目はブッラーターを詰めたメッツアルーナとうすい豌豆のピュレには生ハムがあしらわれて餃子のような形のパスタにはモッツァレラのような水牛のチーズが鋳込まれる。エンドウ豆のソースが香りも食味も高く、美味し過ぎてノックアウト寸前。
メインは黒毛和牛の赤身肉を格子に包丁目を入れて焼いたもの。火入れも完璧でふわふわであっさりとした焼き上がり。
デセール一皿目は液体窒素を使ったこちらのお店得意のシャーベット。この日は数種類のベリーで作られる。2皿目は温かいチョコレートとマスカルポーネのムースにオレンジを添えたもの。デセールを頂いた時点で動けないほどお腹いっぱい。何を頂いてもワンランク上の美味しさがある。定期的にシェフが手がける料理教室や日本酒とイタリアンのコラボイベントワイン会など有名店の名前に胡座をかかない日々精進しながら攻め続ける姿に敬服する。
*この日サービスいただいた大阪大学4回生のアルバイトちゃんはすでに内定をソフトバンク、明治、カゴメからいただいているけど自分のやりたい仕事が判らないと言っていたので君は別嬪だからアメリカの芸能界をすすめるととても喜んでおられました・・・
大阪府大阪市北区梅田3-3-20 明治安田生命大阪梅田ビル30F
11:30~14:00 18:00~21:30
モード ディ ポンテベッキオ (イタリアン / 西梅田駅、北新地駅、福島駅)
夜総合点★★★☆☆ 3.5