最近グルメな友人からよく聞く東心斎橋の中華料理店を訪問。畳屋町の昔からある雑居ビルの1階にある。中華料理店だけどシンプルな内装で店舗名通りカウンタ−のみ11席。
こちらが恐縮するくらい物腰の超柔らかいご主人が1人で切り盛り。この場所で8年されていると言っておられた。メニューはその日の仕入れで決定され絞り込んだ12種類のものだけ。他に5000円と7000円(予約必要)のコース料理もあるがこの日はアラカルトで好きなものだけを所望する。
最初にビールをいただいて前菜3種盛り(800円)をいただく。有頭海老の紹興酒漬けはネットリとした食感が嬉しい。冷凍の外国の海老だけどここまで美味しくなるのにビックリ。ビックリするくらい柔らかい蒸し鶏は辛みの効いた胡麻ソースがかけられる。揚げ物はアンキモで濃厚な味とネットリした食感がカリカリの衣と相まってとてもいい。
生湯葉と蟹味噌の煮込み1800円は想像していたものとの嬉しい異なりにビックリ。突き抜けて美味しい上湯と玉子と蟹味噌が抜群のバランスでミクスチャーされる。油分が少なくかなり上品で美しい仕上がり。百合根の食感とそのビジュアルも全体のいいアクセントとなってセンスの良さが感じられる。
牡蠣の炒めは大振りの牡蠣を最初にボイルして、粉を付けて高温で揚げ、炒めて調味する。食材の旨みをしっかり活かした調理を目の前で見る事が出来、完成度の高さと美しさにうっとりする。見て美しい料理は必ず美味しいというセオリー通りの逸品。
ソフトシェルクラブの炒めはこの店の人気商品。蟹と葱をさっと揚げてココナッツパウダーとパン粉を合わせたものと絡めて炒める。シンガポールや上海でよく似たものをたまにいただくけどぶっちぎりの美味しさ。素材の良さが際立つ。こちらのご主人は福臨門を始めたくさんの東京の高級広東料理店で修行をされ大阪のハイアットリージェンシーのメインダイニング「天空」の立ち上げにも参加された腕利きの御仁。キャリアは凄いのに常に驚くくらいの低姿勢・・・
鴨肉のサテ醤炒めは干し海老やニンニクや香草などいろんな味がするけど豆板醤炒めよりも優しい味加減。塩分バランスも絶妙。ふわふわの鴨肉の食感にビックリ。こんなに口に合う鴨肉料理をいただいたのは初めて。油の香りも少なくてかなり淡白な味わい。サテ醤はベトナム料理にも使用される魚でも肉でも少し入れて炒めると抜群に美味しくなるアメリカのバーベキューソースのような魔法のソース。インドネシア料理のサテからきていると聞き及ぶ。成城石井とかでも売っていて鍋のつけダレにしてもかなり美味しい。
甕出しの紹興酒は5年が500円で7年が700円。美味し過ぎてがぶ飲み状態。この日は5年ものを7杯くらい飲みまくる。食事でお腹いっぱいになったので酒肴をリクエストすると目にも鮮やかな茄子の翡翠煮と数の子と切り干し大根の紹興酒漬け、紅芯蕪の酢漬けをさっと出していただいた。。
デセールの杏仁豆腐の滑らかさと優しい甘さは特筆もの。すべてのものがしっかりと作り込まれていて価格はとてもリーズナブル。。その日によってメニューは変わるそうだけど次回は黒酢の酢豚の注文ををマストにして訪問しようと思う。
帰りに見た蟹料理のお店の看板がかに道楽そっくり。店の前にいた店員に「パクリか?」と尋ねるとうちの店の蟹は下向きです。との答え・・・(大阪商人の商魂逞しさを見た新年の夜)
大阪市中央区東心斎橋2丁目8-20新日本畳屋町ビル1F
06-6213-9008
17:00〜23:00
日休