普段お世話になっている方をお連れして表記の会員制の店を半年ぶりに訪問。こちらは同名の会員制の河豚料理の店を大阪市内に何店舗か展開され、昨年はニューヨークにも出店されたと聞き及ぶ。
この日は一番いい個室を予約。壁には芸能人や政治家の色紙がたくさん飾られる。(この部分はあまり趣味が宜しくない)
最初にビールで乾杯をして河豚皮の湯引きをいただく。鮫皮と青ネギと白ネギとポン酢。こちらの店のポン酢は特段美味しい。金箔が飾られているのはご愛嬌。
てっさ登場・・・養殖河豚だけどクセは全くないし丁寧に熟成されているので甘く濃い味がしっかり感じられる。ゆっくりと空気と一緒に頂くと後味がしっかり感じられる。江戸時代は河豚は「夏」によく食べられていたとなんかの本で読んだことがある。当時は養殖技術もなかったので産卵後のものしかなかったが今は美味しい河豚が年中安価で食すことが出来ることに喜びを感じる。
こちらの店で「アブラ」と呼ばれるもの。ごま油と青ネギで食す。特別どおってことのない味。
ここで名物のヒレ酒を所望する。部屋の電気を消して光る滝のようなパフォーマンス。阪南大学2回生のアルバイトちゃんは水を使って何度もトレーニングしたと言っておられた。外国人が見ると喜ぶであろう。
しっかり焼かれた分厚いヒレはかなり上質感あり。お酒もかなりおいしい。。
このヒレ酒を味わいながら鱧の塩焼きを頂く。骨切りは完璧。大振りにカットされたレアに火入れされた鱧をおもむろに齧り付きヒレ酒で流し込む。ふわふわの鱧との最高のマリアージュに舌が喜びまくる。
このあとは名物の焼き河豚登場。かなり大振りのカットは食べ応え満点。唐辛子の効いた塩ダレだけで食すのもいいしポン酢をつけても美味しい。身皮、とうとう身やスジの部分など丁寧に部位ごとにカットされているので味や食感の異なりを感じることが出来てとても楽しい。
添えられたニンニクも暑気払いにぴったり。江戸時代の河豚料理の「ふくとう汁」は味噌と醤油で味をつけ茄子とにんにくとともに頂くという料理なのでこちらの焼き河豚料理とかなり共通点が多い。
唐揚げは細かなあられをつけ粉にしている。食感がよくスパイシーな衣と身の相性がとてもいい。スダチを絞って齧り付いてヒレ酒で流し込むと幸福感で頭がいっぱいになる。どこにもありそうなものだけどどこにもないこだわりの逸品。
メインディッシュは普通のてっちりじゃなくて河豚と鱧と松茸の贅沢スープ仕立て。松茸は雲南省から海を渡ってやってきたらしいが思ったよりも香りも上々。それぞれの食材からでるスープが美味しすぎる。早松といって昔は梅雨時によく松茸が採れたが今は全くない。初物を頂くと75日寿命が延びるというのでありがたい献立である。
〆はお約束通り雑炊を頂く。河豚だけではなく鱧の出汁と松茸の香り付き・・・この日は何とも贅沢な盆と正月が一緒に来たような食事でした。