北海道の東側、中標津空港から30分の別海町と言うところのマラソンレースに参加。人口16000人。人の数よりも乳牛の数の方が多いと言われる。町の大半は原野を切り開いた丘陵地帯で北海道的な牧場風景が広がる。東部は野付半島があり国後島が見える。
その町一番の寿司店に地元の友人が連れて行ってくれた。若いご夫婦で営まれていてこの日も地元の家族連れで大賑わい。カウンターに座ってお任せで地元のネタを所望する。
乾杯は牛乳で行なう。この地ではこれがスタンダードらしい。
秋鯵(白鮭)の漁が最盛期を迎えるこの地でまずは氷頭なます。鮭の鼻の先の軟骨部分を薄くスライスして麹につけたもの。コリコリして乙な味。新潟県でも頂いたことがある。
最初は地元で上がる黒鰈。。脂ののりもよくてとろりとした舌触りがとてもいい。
根室や釧路で上がりまくりの新秋刀魚。。新しいので臭みはもちろん青魚の澄んだ香気が鼻に抜ける。脂は当然ノリノリ。
湯がいた方が甘みが出るけど新鮮なのであえて生で握っていただく生北寄貝。思ったよりもクセもない。プランクトンの加減でこの辺りの帆立貝や北寄貝はサイズがとびきり大きいと言っておられた。当然味も深く美味しいなあとついつぶやいてしまう。
お約束のボタン海老。これもサイズが大きくてトロントロン。。本州に到着して私たちの口に入るのが最短で2日かかる。産地で食する良さを実感する。
大振りの鰯は少し締めて提供。客はほとんど常連の方ばかり。。
名産のホタテ貝はシコシコした歯ごたえが残る。新鮮でなければあり得ない。回転寿司などのぐにゃぐにゃした感じは全くない。ご当地グルメで大振りの帆立貝柱を春巻きの皮で巻いてあげて四角いバンズに挟んでオーロラソースで食す「帆立バーガー」なるものが有名らしい。
タラバガニは濃厚な旨味を持つ稀少珍味である未成熟卵の内子を乗せていただく。国内では穫ってはいけないので当然ロシア産である。独特の塩気と味わいがタラバガニの滋味を引き立たせる。。
超デカいツブ貝もコリコリで貝の香気に頭が麻痺しそうになる。
いくらのしょうゆ漬けは思ったよりもマイルドな味付け。関西よりも甘みが少ない。
ミョウバンを使わない雲丹は見た目はイマイチだが甘さのみならず味がとても深い。
ここで秋刀魚の塩焼きを頂く。ザンギ(鶏の唐揚げ)や焼き鳥、和風ピザなどもある。小商圏なので家族全員が食せるメニューになっているのはよく商売がわかってらっしゃる。札幌で修行されたご主人は旬のネタの使い方が抜群。シャリもかなり美味しい。横の客は刺身盛合せを中心にお酒を楽しまれていた。
厚岸の牡蠣はタウリンたっぷり。年中海水温が低いのでゆっくりじっくり育つと聞く。見た目通りに身はふっくらでコクがあり甘みも濃厚。
水蛸を柔らかく炊き上げたもの。火を入れて縮んでいるけど子供の腕くらいある太さの足に驚く。手をかけ暇をかけている分当然美味しい。
穴子の握りは本州のものと全く個体差がある。しっかりと炊き込まれているんだけど白身の魚のような食感。これはこれで面白い。
地元で獲れるアサリの貝汁でフィニッシュ。とにかく美味しく食べてビール1杯ずついただいて4000円くらい。このネタで札幌だったらこの2倍。大阪だったら3倍はする。
この店の裏メニューのクリームスパゲティー。奥さん担当なんだけどアルデンテで普通に美味しい。牛乳の美味しさがポイントと思われる。
近々近くに移転されると聞く。。
野付郡別海町別海常盤町138
0153-75-2811
翌日の朝食は友人手作りのいくら丼と焼いた秋鯵。。美味しすぎる・・・・