イタリアン

Il Povero Diavolo(イル ポーベロ ディアヴォロ)【大阪市 大国町】

今、大阪で最もホットな(死語)魚介専門のイタリアンのお店に弊社総料理長と若手幹部と3人で訪問。

場所は「木津市場」の東隣の阪神高速の高架下に2013年10月にできたグルメゾーン「なんば木津まち横丁○(エン)」の一角。夜になると人通りが全くなくなるので新しいお店が出来ては潰れを繰り返す。その中に光り輝く一軒のオステリアがあるということである。

入り口はビニールシート。。プレハブ作りのお店はパッと見は小さな喫茶店のような感じ。。最初は「大丈夫かこの店」・・・と思いながら着席するがわかる人にはわかる「いけてる」内装に少し驚く。

暖かみのあるテーブルやコンクリートブロックの土台のカウンターの高さやグレーの床の仕上げと重心の重いツートンの壁の色、電灯の色とビルエバンスのBGM、テーブルへの光のあたり方やBGMなどしっかり計算し尽くされている。。。。よくみるとビニールで出来たドアも薄い黒が混じったマーブルになっていて完全遮音となっている。かなり腕利きのデザイナーが関わっていることがわかる。

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最初にビールをいただく。プレミアムモルツ800円。料理はお任せ一本コースの7500円のものを所望する。

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最初の前菜は「マテ貝、蕗、サザエ」。中にサザエ肝のペーストとえんどう豆ソース?が入る。泡は出汁の味がした・・・最初から鋭いジャブが入る・・器は一見100均に見えるがイタリアの「ヴィルジニア カーサ(VIRGINIA CASAのLASTRA)」手作りの温かみが伝わる。

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2皿目が「紋甲烏賊とブロッコリー」。。。シェフは食材だけの説明・・・木津市場のその日のピカピカの食材。手前はイカスミを練り込んだゲソのパテのようなもの。オリーブの味もするし味の層が何層にも味蕾を刺激する。緑のソースはレモングラスと言っておられた。

こちらは去年の1月15日に開店したと言っておられた。28才の若きシェフは北浜のイタリアンで修行されイタリアの東の方で修行されスーシェフまで言ってそこの店の名前をいただいたと言っておられた。いわばのれん分けってこと・・・

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ワインはイタリアのあまり見かけないものばかり。

ラバスコロザートラサリータ2013 モンテブルチアーノ種のロゼワインでしっかりしたボディで強烈なアタックがある。

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「舌平目と新玉葱」。 3種のソースは柚、マーマレードか金柑?、蕎麦茶。舌平目は鰹節をあわせてフリットしているとのことで和のテイスチャーがしっかりと組み込まれている。カラトリーにお箸があるのも面白い。盛付けも端麗でモダン。調味料に味醂や出汁、醤油、柚、お茶などを多用する。

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シェフは一人ですべての作業をされる。丁寧に静かに修行僧のように黙々と料理を作る。サービスの若いスタッフも丁寧でいい。次に出てきた料理は「金目鯛と牛蒡」。皮目を炙った金目は旨味たっぷり。適度な熟成感もいい。底にはゴマのペースト状のものや味噌のようなものあってかすかにクミンの香りもする。これをぐしゃぐしゃにかき回していただくと胡麻和えの味になる・・・これは只者ではないな・・・

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何かわからん白い鰹節のようなものが登場したと思えば「黒むつと紅しぐれ大根」 今脂がのって最高に美味しい黒ムツを軽く燻煙にして冷凍をかけてシャーベットにしたものを薄く削ったものを紅しぐれ大根の甘酢漬けの上にかける。それをスプーンで混ぜて一気に口に入れる。。初めての食感と味に頭がついて行かない。。この日初めてのお客様への提供と言っておられた。

一見受けを狙ったものに見えるかもしれないが素材をしっかりといかした仕事に脱帽する。口の中で旨味が大爆発をする。。ワインとのマリアージュも素晴しい。

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こちらのシェフのスペシャリティーの「鰤大根」。天然の上質の鰤を低温で超レアに火入れ。和食のブリ大根のイメージでではなく見た目はイタリアンで完全なる味の再構築。味の入ったシャーベットになった大根をソースにして千枚漬けと一緒に食す趣向。鰤のテクスチャーを生かした仕事が素晴しい。見た目の美しさだけの料理ではない。鰤特有の癖や臭みはみじんともない。

塩のあて方も緩すぎずに完璧でかつ、かつおの出汁や和の調味料で淡白に感じさせるテクニックも安もんの創作料理のレベルを遥かに超えたものとなっている。

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パスタは太麺の「マンチーニ(Mancini)」の太めのスパゲッティ?はしっかりとしたコシがあり噛み締めると小麦の味がする。

中身は鱈と菊菜。菊菜の苦みが春らしい。日本独自のなつかしい味でかなりいい香りがする。繊細で前衛的だけど和のテイストがあるのでいただきやすい。

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メインは「桜鱒と新じゃが」酸味の効いた海老を煮詰めたソースでいただくだけど醤油の香りもする。上に乗ったハコベも可愛らしい。

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デザートはイチゴとレモン。泡状のものがレモン。バタークリームのようなものと合わせている。上に乗っているのはバラの花。これは初めての取り合わせ。

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チョコとバナナ。このドルチェの仕掛けも面白い。一連の料理すべてに驚きと喜びがある。和食で言う出会い(食材の相性)はもちろん分子ガストロノミーというか科学的な根拠に基づく物理化学を駆使した調理は知的好奇心を喚起させる。食材の確かさと調理を科学するデザイン力と仕込みの丁寧さが相まって新たな食のシーンを作られた。

帰りに2週間後の予約をする。こんなことをするのは久しぶり・・・

大阪市浪速区敷津東2-2-1-317 なんば木津まち横丁「○(エン)」内
TEL:06-4395-5150
営業時間:18:00~23:00
定休日:水曜日

Il Povero Diavoloイタリアン / 今宮戎駅大国町駅恵美須町駅

夜総合点★★★★ 4.0

大阪市 大国町 イタリアンレストラン

センバキッチン 中津店【大阪市 中津】

南船場で超人気店のセンバキッチンが中津に新登場ということで友人とともに訪問する。こちらのお店はカームデザインと言う関西でとても有名な店舗設計の会社の経営。私どもも奈良県での新店デザインをお願いしようと思い、過日相談に行ったところ私の求めるモダンで古かっこよくてかつほっとする感のあるイメージの店を年始に中津で作るんですとそのときに金澤代表が言ってたので今回は店舗見学をかねて伺う。

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ファザードは迫力満点。綺麗なデザインなので主張し過ぎてもいやみな感じが全くしない。オープンキッチンの全94席。一人客が多いのも驚いた。テラス席もあり今年の夏には屋上席も作る予定と言っておられた。内装のかっこよさはさすがである。ドリンカーの前のカウンターに座らせていただきお店のお勧めを聞きながら適当に注文をする。

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主力商品は炭火焼。牛肉、豚肉、鶏肉、野菜をオープンキッチンにある炭火焼グリラーで調理。ワインを中心としたお酒の種類も豊富でかつ、求めやすいお手軽なお値段。エビスビールの生が380円というお値打ち戦略もさすが。オープン記念でビールとワインは半額らしい。

お酒のアテとなるタパスも均一価格で280円と480円の2ラインのみ。種類も豊富でちょい飲みにも対応。写真の8種盛りは1500円。

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炭火焼野菜のバーニャカウダーは色とりどりのたくさんの野菜が入って1050円。ニンニクがしっかり入ったバーニャカウダーソースもとても美味しい。若い女性客はこんなのが好きだろうなと思いながら食べる。ワインも2,000円台のものを中心にたくさんそろう。なかなかよく出来たものと思いながら金澤代表と話しながら食す。

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国産牛サーロインステーキの炭火焼を所望する。函館産の大沼牛といっていた。低脂肪系のホルスタインか交雑種と推察される。

150gから550gまでお好きなサイズを注文出来るのはいいと思う。

150g 1150円
250g 1850円
350g 2550円

価格はかなり良心的。原価率はかなり高いお得なメニューである。肉の味はそれほど深くはないがオーストラリアなどの肉に比べると旨味はしっかりと感じることが出来る。ビックサイズをお願いしてぶつ切りにして食べるといいと思う。

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店の外には丸鶏をローストするロティサリーオーブンがあってライブ感満載。天満にある墨国回転鶏のような感じ。金澤代表が「うちの店で一番旨いと思うのがこのチキン」と言っていた。

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40分ほどして焼かれたローストチキン1880円は綺麗に解体されて供される。トマトソースや激辛チリソース、マヨネーズソースなどいろいろなソースと野菜をタコスの皮に包んで食す。この食し方はメキシカンチックで味わいも変わってとても楽しい。鶏自体が美味しいので食べ応えもあり大勢でわいわい食べるのにぴったり。

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真ん中がレアになったビーフカツレツは1250円。肉の味はそれなりだけどかなり柔らかい。安い赤ワインと相性ぴったり。

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オマール海老のローストはこの店で一番高額な商品で1600円。推定450グラムくらいの標準サイズ。冷凍解凍品なので味はイマイチだが見た目はとてもいいのでメモリアルの日にはいいであろう。しかしながらこのサイズのオマールでこの価格は安すぎる。

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紙袋に入ったポテトフライはシーズニングをいれてシャカシャカしていただく。演出がとても楽しい。炭火焼以外も焼きたてのピザが全品850円。こだわりのパスタもお手頃価格。お店は30代の会社帰りの若い方で一杯。この店で街の空気が変わるな。。

大阪府大阪市北区豊崎3-14-9
050-5787-9075
17:00~翌2:00
(L.O.1:00)

センバキッチン 北梅田店イタリアン / 中津駅(大阪市営)中津駅(阪急)梅田駅(阪急)

夜総合点★★★☆☆ 3.5

大阪市 中津 イタリアンバル

麺匠パスタバカ一代【大阪市 心斎橋/四ツ橋】

中央区の新町方面で得意先様の新年の挨拶の帰りに表記のお店を訪問する。店名がツボに入り駐車場に車を停めて即入店。お店はカフェのような明るい造りでビビッドカラーの椅子が白い壁のアクセントになっている。ソムリエバッチをつけた若いシェフが一人で調理される。

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メニューブックを見るとパスタは乾麺と手打ち麺に分けられていてメニューかと思えばたくさんあるパスタの種類の説明書となっている。お店の入り口には製麺機が置かれていてなかなかの尖りよう。トリフィエ、キットリ、オリエキッテなど初めてきく名前のものも多い。粉の配合もすべて異なる。夜のパスタは麺の種類だけで16種類。。

それら異なるパスタと相性のいい具材とソースの組み合わせはメニューを見るとまるでリストランテそのもの。昼は数種類のパスタコース。夜はこだわりのパスタや前菜でワインを飲むという趣向。

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牡蠣と菜の花のスパゲッティのアーリオオーリオペペロンチーノ、牛タン赤ワイン煮のパッパルデッレ、インカの目覚めのニョッキ黒トリュフのせのおもてなしコースで2700円。ワインを2杯飲んで5000円くらい。ワンコイングラスもたくさんある。このメニューだけでこちらのお店の実力の凄さが窺い知れる。

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お昼はミニサラダとパンとコーヒーがついたコースが950円とリーズナブル。その他前菜やデザートがついたものがあるがいずれもお手頃価格。

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ホールの女性にお勧めを聞くとフォワグラと栗のタリアッテほんのり甘い玉ねぎソース1850円とのこと。その他にもオマール海老を使ったパスタも2000円。どのメニューも素材の組み合わせの妙を感じる。ワインを飲まずにいられなくなりそうだったのでこの辺りは次回のお楽しみにする。

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定番のモノ以外に日替わりで2種類のパスタを選べるようになっているのでこの日はチキンと下仁田葱のタリオーリポモドーロ花山椒の香りを所望する。パンは自家製のフォッカッチャでリベイクされたもの。オイリーでローズマリーの香りがしてサクサクしてとっても美味しい。

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この日はサラダではなくミネストローネが出る。寒い日なのでありがたい。

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パスタ登場。。。チキンと葱がタリオリーニ(薄切り)されたものをポモドーロ(トマトソース)とあわせたもの。麺がとにかく美味しすぎる。見ればイタリア最大手の「バリラ」のもの。ディチコよりも水分の吸い込みが少ないためにツルツルした感じがする。ソースの塩加減も完璧。パスタ屋の味ではなくリストランテの前菜の趣を感じる。

イタリアではこのパスタをオイルで乳化させずに食べさせるリストランテもあると聞いたことがある。茹で加減もポモドーロとあうようにしっかりめで日本のカレーうどんのような感じ。 無言でどんどん食べすすむ。パスタって普段食べる習慣がないんだけど繊細な味の組み合わせが絶妙でうんうんとうなずきながら一気に完食してしまう。

このようなパステリア という業態が大阪にも到来したということにも驚きながらあらためてこの店でパスタの勉強をして見たいと思った。次回はディナータイムに訪問します・・・

 

大阪市西区新町1−2−8

06-6538-1025

麺匠 パスタバカ一代パスタ / 四ツ橋駅西大橋駅心斎橋駅

昼総合点★★★☆☆ 3.5

大阪市 心斎橋/四ツ橋 イタリアン麺料理