近畿地区

鈴江

現在ミシュラン2つ☆、食べログ全国5位、京都では1位の評価を誇る表記の店を訪問。京都の有力者の友人に紹介いただき、数日前にキャンセルの出た席を譲ってもらう。東山駅から2条通りを東に5分くらい歩いたところ。平安神宮のすぐ横の南白川沿い。時間があったので高台寺周辺や鴨川を散策してお腹ぺこぺこにしてから伺う。

2016-04-14 18.18.55

住宅を兼ねた店舗は特にどおってことはない。合板のカウンタ−に7席の普通の椅子が並べられている。店内は装飾品は全くなく間接照明だけが特徴のシンプルなもの。高価そうな根付けがさらっと飾られているだけ。料理はすべてお任せで苦手なマグロだけを外していただく。

2016-04-14 18.29.36

最初に瓶ビールとともに出て来たのは今が旬真っ盛りの和歌山産の稚鮎の唐揚げ。極細かいパン粉がつけていてとても香ばしい。海から遡上したもので1週間前に和歌山市内のとある高級寿司店でもいただいた記憶がある。腸の苦みがビールにぴったり。柚子の香りもいい。特筆すべきはそのポーションで6匹くらい盛り込まれていてしっかりとこの時期だけの味覚を堪能する。

2016-04-14 18.36.44

絶妙の枯れ具合の葉が乗せられたお造りは南淡路の真鯛、雲丹、赤貝の豪快な三種盛り。ご主人自ら山に穫りに行く葉(ゆずりは)は子孫繁栄の縁起のいい植物。なかなかこの枯れ方の葉っぱは少ないと自画自賛されていた。

2016-04-14 18.36.51

分厚く切り付けられたコリコリの上質の鯛は飴色で脂が乗りまくり。これも6切れくらい盛りつけられているので塩をつけたり雲丹を巻いたりいろいろな食べ方で楽しむことが出来る。大量に盛られた淡路の黒雲丹もこの時期にありがちな若さを感じない。自家製の出汁醤油もかなり美味しい。今まで見たことのないような分厚さの赤貝も食べ応え満点。大きければいいというものではないが素材の良さが突き抜けているので食べ飽きない。お薦めの純米酒をぬる燗にしていただきゆっくりと楽しむ。

2016-04-14 18.54.36

日月の煮物椀登場。器はかなりいいものを使用。美術館にあるようなものを実際に使用しているとのこと。学芸員の客が使わないで保存してくれと頼みにくると言っていた。使っちゃいけない国宝級のものを使ってるんですよ〜とのこと。

2016-04-14 18.55.01

お椀の中身は旬のあいなめ。ただ魚体のサイズと切り付けの大きさに仰天。汁は京都のお店によくある透明感のある、喉にストンと落ちるタイプ。これに魚のクリアで滋味深い脂が相まってとてもいい味となる。大きな切り身を蓋に乗せて日本酒と一緒にゆっくりと食す。カマの部分を特別に入れていただいたのが少し嬉しい。この日は最後まで日本酒で料理を楽しんだがワインの品揃えも素晴しくグランクリュやボルドーの1級が大量にセラーに入っていた。オーパスワンも勢揃いなり。

2016-04-14 19.02.57

お椀を楽しんだあとはカウンタ−に焼き物の用意がされる。淡路産の巨大な伝助穴子と愛媛の巨大鳥貝で双方旬真っ盛りの巨大盛り合わせ。炭火の七輪を使ってご主人が一つずつ火入れしてサーブしてくれる。ご主人はかなり気さくで優しい。

2016-04-14 19.05.18

絶妙にさっと皮目だけ火入れした穴子は最初はワサビと塩でいただき、2つ目はカボスを使ったまろやかな酢でいただく。大きな切り付けなので口の中が穴子だらけになるが上質な甘い脂と穴子の旨みが脳幹を刺激する。この美味しさは初めての体験。4切れくらい食べると堪能する。

2016-04-14 19.13.51

鳥貝も私が知りうる限りの最も身が分厚く味の深いものであった。食べ応えの満足感は比類なきもの。隣の席は高齢の台湾人夫婦でご主人が英語の図鑑を使って魚介などの食材を気さくにブロークン英語で説明していた。この料理も450年前の古染め付け皿に取り分けられる。

2016-04-14 19.34.08

丹波産のヒレ肉を炊いたもの。こちらのご主人のスペシャリティーらしい。歯が要らないくらい柔らかく炊かれているのにビックリ。あしらえは自家栽培の新ジャガと新玉ねぎ。肉にかけられた餡は丹波産のイチボ肉とウデ、筋を煮込んで抽出したエキスで贅沢きわまりないものと自分で言っていた。

料理はこれで終了。ここまでで食事開始から約1時間。かなり速い展開に驚く。

2016-04-14 19.50.24

隣の客の〆はトロと赤貝のにぎり寿司なんだけど私がマグロが嫌いということで蛤と豌豆のご飯を特別に作っていただいた。使用している蛤は子供の握りこぶしくらいあるものらしく今まで食したものとは貝の旨味や食感が全く異なるものだった。

2016-04-14 19.51.39

品数は少ないが内容とポーションは大満足。当然調理力も王道でかつ卓越している。すべて今まで見たことのない素材のサイズ感とけれんのない盛りつけのどっしり感は強く記憶に残る内容。ホステス連れの客が次の予約を取っていたが6月に数日のみで、その他は半年待ちということだった。

2016-04-14 20.04.56

デセールは自家製の桜餅でかなり美味しかった。隣の台湾の客は苺大福だった。おさまりのいい美しい器は乾山の角皿で桜餅とドンピシャ。過去にお茶会で見たことがある。裏に名が書かれており、持つとかなり軽いのは本物の証し。昔なんでも鑑定団で200万円の価格がつけられてた記憶がある。

気になる会計は此方はコースのみで、金額も決まっていない。ご主人がその日に入荷の最高のものを出して頂けるので3万円の時もあれば秋は7万円以上の時もあるらしい。この日は片手以上の支払い。嵐山吉兆、本湖月を超える金額。お金というか予算に糸目を付けずに極上の美味しいものを自然にいただける方にはぴったりのお店。

帰りは近くのワインバーを紹介いただきタクシーに乗る。

京都市左京区岡崎神宮道仁王門白川南入ル
075-771-7777

旬席 鈴江割烹・小料理 / 東山駅三条京阪駅蹴上駅

夜総合点★★★☆☆ 3.5

和食 京都市

鮨 天の

和歌山の豪商に誘われて西国三社参りの正式参拝ツアー。桜と桃が満開の中ゆっくりとした時間を過ごす。

2016-04-05 06.24.27

帰りはタマ駅長のいる貴志駅から喜志電鉄に乗って和歌山駅まで。駅からすぐ近くにある和歌山市を代表する表記の寿司店で会食。入り口が2つあって右はカウンタ−11席、左は個室仕様になっている。

2016-04-04 16.56.06

過去和歌山で高級店は6席だけの江戸前寿司の義心に行ったことがあるがあまり口に合わなかった。こちらは地元で捕れる選び抜かれた魚を提供することで有名。この地で40年とご主人は言っておられた。

2016-04-04 17.05.18

サントリーの生ビールで乾杯をして最初に出される座付きはのれそれとメカブを合わせたもの。この時期にはよく頂くことが多いがさっぱりして口当たりがとてもいい。

2016-04-04 17.12.55

お造りは大振りの細魚、締め鯖、軽くボイルされた蛸を梅肉とあわせて、加太の鯛。(友人は地元で取れたキハダマグロも入っていた)

2016-04-04 17.16.30

ビールのあとはこちらのお店の名物のワサビの入った焼酎をいただく。大量の擂り下ろした生わさびが入り、ワサビの軸をマドラーにして提供される。見た目よりもワサビの辛さは感じない。

2016-04-04 17.28.38

今が旬の鰹のたたき登場。私は苦手なので天然の巨大なカンパチを叩きにして出していただく。脂がのって身が締まってかなり美味しい。

2016-04-04 17.42.30

貴志川で取れる稚鮎の唐揚げ。腸の苦さがワサビ焼酎と相性ドンピシャ。たらの芽と筍があしらえ。

2016-04-04 17.47.45

巨大な脂ののったカワハギの身をぶつ切りにして軍艦巻にしていただく。たっぷりの肝と生わさびとともにいただく。「さかいのさと」という地酒とともにいただくと痺れるくらい美味しい。別に伊勢海老くらいのサイズの足赤海老をレアにボイルしたものをお造りと軍艦巻の両方でいただく。車海老よりも甘く海老好きの私にはたまらん逸品。

2016-04-05 06.23.58

巨大な蛤を火入れしたものが登場。そのままいただいたり自分で軍艦巻にして海苔と一緒に楽しむ趣向。スープもかなりおいしい。「かわかみ美人」という純米大吟醸とともに楽しむ。

2016-04-04 18.03.22

自家製の新生姜でつくるガリも口当たりがいい。口の中がリセットされて食欲がわいてくる気がする。ここで和歌山の銘酒「黒牛」登場。

2016-04-04 18.15.22

締め鯖、生ウニ、カンパチ、剣先烏賊のアソートしたものを日本酒で楽しむ。

2016-04-04 18.43.03

ダイナミックに盛りつけられた毛蟹の軍艦巻。

2016-04-04 18.43.17

2キロくらいありそうな硬蟹を使用とのこと。美味しくないわけがない・・・

2016-04-04 18.46.53

〆の玉子焼きはほんのりとした甘さ。

2016-04-04 18.57.28

名物のワサビの茎を刻んで作るワサビ巻は口だけでなくお腹の中もすっとする胃酸薬のような巻もの。

2016-04-04 19.10.23

ワサビは長野産の最高級のものを使用とのこと。この日も珍しいものをたくさんいただき大満足でした。。

和歌山市元寺町3丁目5
TEL: 073-423-0310

鮨 天の寿司 / 紀和駅和歌山市駅

夜総合点★★★☆☆ 3.0

寿司 和歌山県

大芳

和歌山市のアロチにある和食店を訪問。アロチの語源は昔このあたりの繁華街を地元で「北の新地」という名称で呼ばれていて、 新地を「あらたな地」という事で、アロチと読ばれていると聞いたことがある。魚料理で有名な表記の店は1階はカウンタ−席、2階3階は昭和な座敷でかなりの収容人数と推察される。この日はお酒をつけて予算10000円のお任せコース。

2016-03-04 18.17.11

最初に巨大な舟盛りが登場する。巨大な石鯛とホタテ、ハリイカに大振りにカットされた鮪。舟盛りお披露目のあとで板前さんが座敷に出てきて取り分けていただく。

2016-03-04 18.40.36

メバルの煮付けは特にどおってことはないが地元のものを地元で食す美味しさは和歌山ならではの価値がある。

2016-03-04 18.38.35

地元の友人からの差し入れの日本酒で漬け込んだ梅酒。トロトロしてこれはかなり美味しい。

2016-03-04 18.50.20

こちらのお店のスペシャリティーである宝楽焼。本来の表記は「焙烙」で素焼きの平たい土鍋で野菜や海鮮を蒸し焼きにした料理。巨大なサザエ、海老、地鶏、スルメイカ、アスパラ、ハタハタなどボリュームも満点。生姜醤油につけていただく。。

2016-03-04 19.46.05

このあとカキフライが出てこちらのお店の名物の生ずし登場。

2016-03-04 20.26.13

最後は醤油味の豆ご飯で〆。ボリューム満点で美味しかったです。和歌山の繁華街が場末感満開なのにびっくらぽん。
来月は花見で再訪予定。

和歌山市北ノ新地裏田町43
073-431-1888

大芳割烹・小料理 / 和歌山駅田中口駅

夜総合点★★★☆☆ 3.0

和食 和歌山県